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着物を冬山の虎っぽくコーディネート

まだ寒さがこたえる今のうちに
ほっこり暖かい真綿紬を着て楽しもうと、
遠州椿の真綿紬を引っ張り出した。

最初は可愛い紅型の帯を合わせるつもりが
「予定調和な可愛さなんていらないぜ!」と
いきなり反抗心が芽生え(生涯反抗期だぜ)、
一番強そうな印象になる帯を当ててみた。

そうしたらもういっそのこと、
冬山に潜む虎のイメージで
コーディネートしてみたくなった。

山月記みたいでしょう。
孤高で高潔でしょう。
まあ、山月記の季節は冬ではなく秋だけど。

着物は十字と遠州椿を、織りで表現した絣。
スタンダードな色柄で飽きが来ない。

帯や小物を変えていけば
歳を重ねてもずっと着られる着物だ。

帯は袋帯。梅笹松の唐草文様を織りで表現。
格の高い帯だけど、今回は紬に合わせてみた。
そんなに違和感はないし、合っていると思う。

紅梅のように鮮やかな紅色と、
クリアな緑を差し色に。

コントラストが強く、ワイルドでありながら
伝統的な美しさや気高さも感じさせる。
なんと素敵な組み合わせでしょう。
ほんとうに着物は面白い衣服だ。

この組み合わせで、帯板ナシで着て出かけた。
帯板がないと、すごく楽で大変良かった。


着物で楽といえば、
以前見たドラマ「カーネーション」で、
いつも着物を着ていた主人公が
初めて洋服を着て出かけたシーンかあった。
そこで「洋服は着物と違って疲れる」
みたいな台詞があって、ビックリしたのだ。
え?逆じゃないの?と思って
ずっとその台詞が引っ掛かっていた。

でも、戦後によしとされたような
しわひとつない着方ではなくて、
昭和初期ぐらいまでの着方なら
着物をそんな風に着心地よく感じられるのかな、
と考えるようになった。研究の余地ありなのだ。
疲れずに楽に過ごせる着方を追究したい。

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