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窓の杜取材から1年 VRイベントの変化

約1年前になる2023年の4月。
窓の杜に取材頂いた記事が掲載されYahooニュースに転載されて時の人になったのを思い出します。みんなYahooニュースで見かけて「おい!おまえ全国区じゃないか!」って話になってたのですが本人が知らなくて一番驚いた瞬間でもありました。

取材自体は自分がやっていたmxizmという水曜日のDJイベントについてでございました。ところがDJについては何も語っておりません笑 実は最初から音について語る記事ではなく、自分のような素人が本来はリアルで楽しむDJイベントを開催して1万人を迎えた結果何が必要だったのか?を取材頂きました。

気がつくと1年前の話。
DJイベントはおかげさまで衰え知らず。現在は延べ参加者2万人を突破し、1本だった番組は4番組まで増えております。

そんないま。
あえて窓の杜で語った件を少し振り返ってみます。

人は人につく

 「企業がメタバースに参入するときも、コミュニティを大切にすべきだと思います」とuMeさんは話します。自分自身も試行錯誤しながらイベントを開催してきたuMeさん。自分のイベントを開催するだけでなく、ほかの住民のイベントに遊びに行ったり、イベント以外でもほかの住民と交流を深めたりと、そうやってメタバースの中に溶け込んだからこそ、いまの自分があるといいます。それは私も強く同意するコメントでした。

https://forest.watch.impress.co.jp/docs/serial/metadenco/1492424.html

これはそのままと言うのか、むしろ強まっているかと思います。
企業アカウントとしてこの世界の住人になったり、まだ例が少ないですがその界隈にコミュニティを持っている住人さんが関わる案件であったり、クリエイターさんがこの架け橋を担っている場合もあります。

急がば回れ

企業さんや新規に入られた方が「ほら、コミュニケーションが大切だ!どうもどうも!これからねッ!ここでイベントやっていきますんでッ!」なんて鼻息ばかりが伝わる勢いでやってきても「おおう。距離感バグってる」と引いてしまうしお互いに疲れてしまいます笑

ならば企業アカウントを毎日ぶん回して住人さんになっていくのか。これも現実的なのか?と思うとぶち当たる壁が多すぎかと思います。メタバース住人の活動時間は夜なので一般企業と真逆であるので毎日の業務としてはしんどい。

それなら既にこの世界でコミュニティを持っている住人に協力をお願いしたほうが遥かに話も早く馴染めたり企画も認知されるメリットがあります。

余談ですが、自分は過去にDJとして夜の世界で店を持っておりました。よくある雑な飲食店でした。最初は鳴かず飛ばず。初心者が興味と勢いだけで始めた店に繁盛する理由はなかったのです。イベント的な企画や広告もやったのですが一時期は効果あれどそのあとがさっぱり。
頭を抱えていた時期に夜の世界の店(うちのような小さい店)は「看板となる人の存在が必要」ってことに気が付きました。
幸いなことに自分の師匠がそこそこ地元に根づいたコミュニティ的な店をやっていたので、そこで客として他の方と交流して自分が店をやっていることも認知していただくようになりました。

コミュニケーション型の向き不向き

自分は「どちら向き」って表現を使うのですが、大きなイベントなり有名なゲストさんが入るなりしたときに、それはどちら向きなのか?という考えが必要と感じました。向きってのは
①すでにその世界に居る人への企画
②外からこの世界に来てもらう企画
大きく分類してこの2つかと思います。

①ならばこの世界に居る方とのコミュニケーションが大切となり、この記事に書いてあるような地元に根づいた人対人の活動はとても有効と思います。
②ならば人対不特定多数のSNS等を使い情報発信型のやり方がよいのでしょう。

「誰へ向けて」ってのがとても重要です。

気が付きましたね?

ここまで読み進めて何か気がついたでしょう。
そう。

「おい、当たり前のことしか書いてないな!」

大正解です。
ここまで書いたことって冷静に考えると「誰に向けてのイベントであるのか考えて、そのターゲット層にアプローチするための距離感の詰め方」を書いてるだけなのです。
それじゃ、なぜこの部分を見失ってしまうのか?

イベントは手段であり目的ではない

この世界で色々なイベントを見せていただき、自分でも2年で延べ来場者2万人を超えるイベントを継続して感じたことは「滑るイベはそれが目的になっている」でした。
先程書いた「誰に向けてのイベントであるのか考えて、そのターゲット層にアプローチするための距離感の詰め方」ですが、自分が手掛けたmxizmや他にプロデュースしたイベントは逆の順番になっています。
何かって言うと「友人や仲間(距離感の詰まったターゲット層)と楽しいことをしたい(イベとしての中味)ので結果的にイベントになった」なんです。

メタバースってプラットフォームが新しく技術的に表現できることが非常に多く派手な部分に目が行くのですが、そこで多くの方が「なぜこのイベントをする必要があるのか」「これは誰に向けてのイベントなのか」を見失ってしまうことが多かったのです。

「誰へ向けて」ってのがとても重要です(2回目)

誰へ?は最大のローカライズ

ターゲット層を絞ることはローカライズとは言わぬと思うのですが、あえてこの言葉を使っています。メタバースを1つの世界と考えると逆にイメージしやすいかと思います。

コロナも五類へ移行し日常が戻ってきました。
メタバース最強のライバル「リアル」が戻ってきました。
1年前の記事とはこのあたりの差が大きく出てきました。

「その企画って別にリアルでいいじゃない」

副業でメタバース関係の仕事に携わってこの言葉がめちゃめちゃ怖いです笑

同時にイベントによりメタバース向けのローカライズが必要と感じました。今まではリアルでできなくなちまったコトがメタバースでできるじゃないか!(密になって遊んだりとか)でイケイケドンドンでしたが、DJもアーティストも「リアルで会えるならそっちのほうが体験の解像度があがるじゃないか」に変化してしまったのです。リアルの体験をメタバースに置き換える方法が急速に通じなくなっている印象でした。

逆にその時期を境にメタバースの体験をリアルへ変化させた成功事例も執筆しておりますので興味がある方はどうぞ!

変化できることが大切

気がつくと1年前の話。
DJイベントはおかげさまで衰え知らず。現在は延べ参加者2万人を突破し、1本だった番組は4番組まで増えております。

冒頭にこんなこと書きました。
実際には衰え知らずではなかったりします。
五類移行時期くらいから数字は下がり傾向でした。そこで感じたのは求められているニーズの変化でした。それはメタバースとしての体験の変化でもあり、体感でも時間の速さの変化でもあったり(テレワークと出社では1日の速さが体感で全く違うとか1ヶ月があっと言う間に感じる謎現象です)それになんとか対応できたので2年目も笑って迎えられそうな着地点です。

それもコミュニティとしてmxizmがあったからでもありコミュニケーションからニーズが把握しコンテンツを変化させることができたラッキーな部分もあります。これが「1年うまく行ってたコンテンツなので」などエゴな感じだったら夏フェスが終わったあたりでmxizmは失速していたでしょう。
「誰へ向けて」ってのがとても重要です(3回目)

mxizmはじめて数カ月後に書いた記事です。
Cluster Creator #1 Advent Calendar 2022に寄稿しています。

 フロアで音楽を楽しみ踊って頂くことでした。

 新しいアバターや服を手に入れると誰かに見せたくなるものです。VRデバイスを買ったときにも動く自分を表現したくなるでしょう。イベント色々あれどDJイベントで一番輝くのはダンスフロアです。つまり来場者の方です。実にメタバースのアバター文化にマッチしてると感じました。

 またclusterのアップデートにてノリノリやウキウキなどダンスの動きも追加されたためフロアで踊るイメージが体験としてより解像度があがりました。

難しく考えないメタバースイベント
https://note.com/umereco/n/nf695f73c4424

いま見ると「おまえの情熱が眩しすぎるぜ」ってなこと書いてありますが笑 まさにこれでしかないと思っています。
楽しいことの根っこにこれがあり、みんなでワイワイする手段として今はイベントが最適だと。


mxizmがイベントの内容を次々と変化させられるのは目的ではなく手段だからです。楽しいことのための方法は色々あると思うのです。今はこれがベストであろうって方法を選択できれば良いです。

逆にイベントすることが目的であるならば、根っこにある楽しいことをしたいって部分を変えなくてはいけない。


ピンとくる人はピンと来たのではないかと思います。
差別化した企画考えなくちゃ!イベントまわさなくちゃ!と何かに追われている人やモヤっとしてる方にも何かのヒントになれば幸いです。

世の中に万能や絶対がないように、ここに書いたことも数ある方法の1つであり、今のところなんとかうまくやっているだと思っています。
この世界のニーズやトレンドの流れは非常に早く対応していく必要があるのですが、それを掴むには日頃のこの世界でのつながりであったりと、そのようなコミュニティを持つ人との関わりなど「人対人」であり「誰に」が大切であるのかと。

効率化や数字の結果を求められすぎた現代で見落としてしまったコトなのかもしれません。


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