272冊目:なれの果ての僕ら/内海八重
こんばんは、Umenogummiです。
今日は同窓会で起こる悲劇を描いたクライム・サスペンスです。
※胸糞注意
なれの果ての僕ら/内海八重 作
あらすじ
とある小学校の旧校舎で立てこもり事件が発生し、発生から約52時間後、機動隊の突入をもって事件は一応の解決をします。
同窓会と称し、かつてのクラスメイト27名を旧校舎に集めた首謀者の夢崎みきおは死亡、他事件解決までに12名が死亡しました。
いったい校舎内で何が起きたのか、生存者たちの証言をもとに、事件の全貌が紐解かれていきます。
感想
「人の善は極限状態でどこまで耐えられるのか」というみきおの疑問から、みきおの「実験」の被検体となった、仲が良かったはずのクラスメイト達の正体が次々に暴かれていきます。
あらすじで触れたとおり、みきおを含めた13名の若者たちが命を落とす描写は(現在時点で死亡が確定しているのは11名(みきお含))、心の中を抉られるような感覚に陥ります。
自分が同じ立場に立たされたら、正気でいられるのか、善人であれるのか、自信がなくなります。
先日紹介した、いじめへの復讐につづき、少年マガジンはこういった実験的で、問題提起的な作品が数多くあるように思います。
「人の善性を問う」という重いテーマを描いた、「実験的」な作品です。
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