290冊目:舞妓さんちのまかないさん/小山愛子
こんばんは、Umenogummiです。
舞妓さんちのまかないさん/小山愛子 作
あらすじ
青森から舞妓になるために京都へやってきた野月キヨは、早々に「お止め(芸を習うことを禁じられること)」の身の上となってしまいます。しかしキヨの暮らす屋形(芸者置屋)「市」のまかないのおばさんが腰を痛めてしまったために、市ではまかないを作る人がいなくなってしまいます。
しばらくは店屋物やコンビニ弁当などでしのいでいましたが、皆疲労の色が隠せません。そこで実家で祖母、屋形でおばさんの仕込みを手伝っていたキヨが家庭料理を振舞うと、皆大喜び。
斯くしてキヨは「市」のまかないさんとして舞妓たちを支えることになります。
感想
表舞台の艶やかな舞妓さんの、私生活が垣間見える、優しいお話です。キヨの作る家庭料理は、お座敷やお稽古で気を張りっぱなしの舞妓たちに一時の安らぎを与えてくれます。
キヨの幼馴染でともに京都へやってきた戸来すみれ(すーちゃん)は人一倍努力家で、自分に厳しく、周囲から期待されて舞妓・百はなとしてデビューします。そんな彼女もキヨの前では気が休まるのか、キヨに絶大の信頼を置いています。
すーちゃんと、キヨ・すーちゃんの幼馴染・中渡健太の関係も目が離せません。
舞妓さんたちのあわただしい裏舞台を、温かな食事を振舞うまかないさん・キヨを中心として描かれた、やさしい作品です
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