母の口からNFTという言葉がでてきた。
ある日、母の住む所沢のアパートに行ったの日のこと。
母が「NFTで自分が描いたイラストを売ったらお金になるの?」と私に聞いてきた。
53歳パート主婦にしてNFTに興味を示すとは、我が母ながらなんと情報感度の良いことか。
「NFTに興味があるの?」と私が聞くと、「よく分からないけどなんとなく聞いたことがある」と返してきた。
母は「なんとなく知っている」とは言ったが、「NFT=イラストを売って、お金にすることができる」という認識のようだ。
こういった、なんとなく知っているし、興味がある人のためにNFTの可能性について少しここに書きたい思う。
NFTとは、非代替性トークンのことだ。
非代替性トークンを理解するには、代替性トークンである仮想通貨の説明をしなければならない。
代替性トークン(仮想通貨)とは、ブロックチェーン技術(取引データを暗号技術によって過去から1本の鎖のようにつなげ、正確な取引データを維持しようとする技術)によって改ざんや盗用から守られたトークン(暗号資産)のことだ。
そしてNFT(非代替性トークン)とは、仮想通貨のように1ETH(イーサリアム)=〇〇円というふうに代替できないもの、つまりひとつひとつの価値が異なる1点ものトークンのことだ。
例1)「一万円札」は代替性があるが、「うちで飼っているカメ」は非代替性である。
例2)「今付き合ってる彼女」は代替性があるが、「高校時代からの親友」は非代替性である。
こういった特徴からNFTはアート作品やトレーディングカードに利用されることが多い。
ここでNFT界隈を震撼させた有名な3つのニュースを紹介する。
1.デジタルアーティスト Beeple(マイク・ヴィンケルマン氏)によるNFTアート「Everydays-The First 5000 Days」が大手オークションハウス「クリスティーズ」が開催したオンラインオークションの場で約75億円(6935万ドル)で落札されたのだ。
落札者は世界最大のNFTファンド「Metapurse」の創設者・Metakovan氏。(「Metapurse」は2020年にもBeepleによる作品「Beeple Everydays: The 2020 Collection」の初版セットをすべて購入しているという。)
2.Twitter社のCEOジャック・ドーシー氏による世界初のツイートがNFTとして約3億1640万円(291万5835ドル)で落札された。落札者はBridge Oracle社のシーナ・エスタビCEO。
(ちなみにエスタビ氏はのちに経済システムを混乱させた容疑でイラン政府に逮捕・拘留された。)
3.2021年のNFT全体の1年間の売り上げが176億ドル(前年比200倍)、日本円にして約2兆1100億円に達したことを告げる報告書をL'Atelier BNP Paribas とNonFungible.comが発表した。
NonFungible.comは、NFTゲームなどのNFT関連売り上げを計測しているサイトであり、報告書内ではNFTは単純な取引可能な収集品から、メタバースに向けたより洗練された仮想資産へと進化したとのこと。
これらのニュースから一つの事実が分かる。
NFTは、2021年に瞬間的に流行りかけたClubhouseのような流行り物好きの遊びや大金持ちの投資家のみ扱える仮想通貨の一種ではなく、2022年以降の資産という考え方を激変させる大きな流れであり、私たちの生活にもなんらかの変化をもたらすことが示唆されているのだ。
この非可逆性の大きな時代の流れに乗りたい者、先行利益に授かりたい者、恐れを知らず人類の未知の領域に自ら足を踏み入れたい者は、2022年度はNFTを学び始めるのはどうだろうか。
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