10月のはじめに~ふれてゆくひらいてゆく~
東京の10月は台風ではじまった。
大地を洗い
木々を揺らした
落ちるには少し早い銀杏や
少しだけ色が変わった木の葉が
通りに散らばっていた
ひっかきまわし乱れさせる
さわやかな心地よさを与える風もあるけれど
変化をおこすくらいの大風は
そこにあるものをめちゃくちゃにしたりする
落ちたり
吹き飛んだり
結果的には必要なものだけがのこされる
踏みつぶされてぐちゃぐちゃになった銀杏を
踏みつぶさないように
踏みつぶさないように
軽いステップでダンスを踊るように
木々の間から光がさしている
光をふみつぶさないようふみつぶさないように
そこにあるものたちと戯れる
空はきれいに洗われた晴天
空気はピカピカ
だけど、
まだ、どこかで
台風の余韻が残っているのかもしれなくて
身体の中では
小さな台風が渦巻いている
わくわくしてるしどきどきしてる
いつもの景色がなぜか新鮮に見える
不思議を知りたい
目に見えない風や
光や
うっすらとかおる金木犀の香りとか
いろんなものにふれてみたくて
いろんなものにこころをひらいてみたくて
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10月のはじまり
天秤座の季節
誰かに出会ってゆく
世界に触れてゆく
触れることで自分を知る
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