忘れることはしあわせなこと

お日様が沈む時間がはやくなってきた夕暮れ
涼しくて心地良い風
真ん丸なお月様

何気ない風景にも秋を感じている。

もうすぐ秋分
昼の長さと夜の長さが同じになる

春分の頃は
膨らみゆく桜のつぼみに胸を躍らせ
少しずつ花が咲き
満開を喜ぶ
けれども桜の花が散ってしまうと
だれもがその木が桜の木だったことを
忘れてしまう。

秋分の今は
ええ？こんな場所に？
思いもよらぬ場所から
突然咲く
彼岸花の赤い色に驚く

誰もがそこに彼岸花があるってことを
覚えていない


突然の出来事のように感じるけど
自然は常にすすんでいる

宇宙は目には見えないサイクルを
くるくるとまわしている

目に見えないサイクルの中のひとかけらが
カタチとなって見えた時
私たちは驚き
美しいとかんじるのかもしれない

見えないことは良いかとなのかもしれない
隠されている秘密があるからドキドキするのだろう

忘れることは素敵なこと
忘れられることは幸せなこと

9月21日8時56分

魚座の満月