インクトーバー2023 その③(10-12)

画像1 ⑩運・財産 「なんと逃げ足の速い!」山道を息せき切って駆け降りるふたり。「じい、あの賊に見覚えは?」「いえ、カエルに知り合いはございませぬ。おおかた地付きの山賊でござろう」「そんな奴に城主の財宝を奪われてはこの池照、一生の恥!」ますます歩を速め、下りに下る二人だったが…
画像2 ⑪さまよう・彷徨 「ぬう、街道に出てしまった!」ついに山道を下りきるまで賊の姿は見えなかった。「じい、どっちへ行った?」「分かりませぬ。これは二手に別れて追うより…」「いやまて、あんな目立つ顔じゃ、周りに聞いてみれば」「若、これはお忍びの調査にござる。やたらに領民を騒がすわけには」「ぬうう…」道行く侍も二人を見てなんとなく振り返っている。若とじいが街道にいればどうしても目立つのだ。二人はとにかく何気ない風を装い、南に歩き始めた。
画像3 ⑫スパイシー その時、不意に池照の目の前に差し出された、一皿の料理。「お二人様、オツカレですネ。カレー食べるアルよろし」眼前には頭に見慣れぬ布を巻き、袈裟ともなんとも言いようのない服を着た、日本人かどうかも怪しい長身の男が料理をもって立っていた。「なんじゃお前は!?」「今日はどうも妙なご仁によく会う日ですな…」「ワタシ、マスター・オブ一膳めし屋。人呼んでスパイシー堺」「誰が呼んでんだ誰が」「しかし若、この見慣れぬ料理は…」刺激的な香りが二人の鼻腔をくすぐるのだった。
画像4 「スパイシー」はないだろwこれからどうしたらいいのか(笑)…2コマ目の背景に「ふつう時代劇にはないものが描いてあります」という遊びを入れたのですが、スパイシー堺自体がフツー時代劇には出ないキャラでインパクトがなくなってしまいました(;'∀')

たくさんのサポートを戴いており、イラストももう一通り送ったような気がするので…どんなお礼がいいですかねえ?考え中(._.)