ストーブで思い出した後輩アシくんのこと('ω')
ここ数日ストーブとキャットの生態を観察して楽しんでおりましたら、不意にまたアシスタント時代のことを思い出しました(-_-)。(マンガアシというのはクマムシから人工衛星までなんでも描く(描かされる)ので何かの拍子にすぐ関連エピソードが出る)
それは当方がアシになって1年。
諸事情で先輩アシが全部やめてしまい、駆け出しながらチーフになってしまった時のこと。初めてできた後輩に最初に描いてもらったのが「石油ストーブ」でした(師匠の指定による)。
師匠は手取り足取り教えるタイプではなく、新人育成は先輩アシの仕事。んで先輩アシもテキトーというか😅特に練習もなく「いきなり描かせる」職場でしたね…w具体的には最初の一コマだけ師匠がこれ描いてと言い、先輩が下描きをチェックする。自分の時は「プリンター」でした(笑)うーん、まあ石油ストーブよりはマシかな。
そう、新人くんにいきなり任せるのに
ストーブは難しいでしょう(^_^;)
と当方は思いました。ただでさえプロの生原稿に初めて触れてビビっている新人くん。恐る恐る下描きを持ってきます。それがまたアシ1年ちょいの当方にもひと目でわかるくらい「印刷にかけられない」シロモノで(言い過ぎと思われますな、チーフは背景クオリティに責任があるもんで)やむなく描き直しを頼みます。
それが何度か繰り返される。
プロの生原稿が消しゴムのかけすぎでヨレヨレになっていく(^_^;)
新人くんも怖かったでしょうが、こっちも怖い。何度も描き直しで嫌われるのもイヤだし
時間もないし、さっさと代わりに描いてしまいたい。そこをお互い我慢比べのように(まったく辛い仕事です😅)リテイク合戦を続行します。新人イジメだなどと言わないで欲しい。〆切に漏れそうなほどビビってるのはチーフの当方なのです。が、ここを突破せねばお互い明日は無いのだ。
なに、描き方を教えてあげればいいじゃないか、ですって?
石油ストーブの描き方なんて当方だって知りませんよ(笑)
描いたことございますか石油ストーブ?決まった描き方なんてないし、初めてのものをぶっつけで毎週、〆切までに何とか描くのが我らのお仕事。要するに
とりあえずなんでも描いてみるガッツ
が重要なのだ。その意味ではいきなり描かせるのもひとつの育成法ではあると今では思いますが…(-_-)。
しかし新人くん、色んな下描きを描いてきた(^_^;)
形がおかしいな、
ちょっと大きすぎかも、
曲線がゆがまないように気をつけて…
とやっていたら、4回目くらいで
いきなり型が変わった(笑)
ダルマストーブになった(^_^;)…まあ師匠から特に指定はなかったとはいえ6畳間にダルマストーブは大げさじゃないかと思い、一応師匠に相談したら「…好きなようにやらせてみろ」(この点のおおらかさは尊敬するw)とのこと。
じゃあ小さめのダルマストーブで…になったのですが、うん、
…ダルマストーブの方が描くの難しくないかな
とは思った(-_-)言わなかったけど。
(今思うとストーブの燃えてる「しん」を描きたくなかったのかもしれませんね)
そんなこんなでまる1日くらいかかりましたかね。ダルマストーブが描き上がりました。
上に乗ってるやかんはさすがに当方が描いた(-_-)
…やかんもけっこうムズいですからね…
次のページを担当していたプロアシの助っ人さんは
「やっと決まった?…え、ダルマ?(笑)」
と言いつつ、20分位でサッと描いてしまった(^_^;)これがまた上手いのなんのって、さすがプロアシですねえ。
んでそれを見て新人くんは(オレって…)と落ち込むのでありました。うむ、青春だ(笑)
…ちなみにその新人くん、職場のニンゲンカンケイにより何年かあとお別れになってしまいました。今も元気だろうか。マンガは描いているだろうか(._.)君の初めて描いたストーブはあの作品の第5話2ページ目に今もちゃんと載っているゾ('∀`)。
人生いろいろ、ストーブもいろいろですね。
ではお粗末さまでした(*・ω・)*_ _)ペコリ
たくさんのサポートを戴いており、イラストももう一通り送ったような気がするので…どんなお礼がいいですかねえ?考え中(._.)