司会の仕事って
今回のテーマは、司会の仕事について書きたいと思います。
(※一つ前の記事を非公開にしていますが、また良きタイミングで再公開にする予定です)
とは言え、幅広すぎて全てを書くことが出来ないので、私が経験した中での最低限のことを書いていこうと思います。
役割にはいくつかパターンや状況があり、今回の内容が全て当てはまるわけではありません。
以上のことを踏まえて、最低限これくらいの知識を持っていれば大体のことは乗り越えられます。
もし自分が司会をすることになった時、参考にしてもらえればと思います。
規模感としては小〜中の中くらいです笑。
また、今回スタエフではこの記事で私が特に大事にしていることに触れています。
このページを開きながらスタエフを聴いてもらえると温度感が伝わりやすいかなと思います。
●そもそも司会とは?
・司会の意味と、司会進行という言葉の意味
簡単に云うと
『イベントや会議などを予定通りに進める役割を担う人。参加者へ案内や紹介をする人』
と思っていただければと思います。
司会進行という言葉がありますが、進行をする人が司会です。
また、MCという役割もありますが、こちらは より仕切ったりする意味合いが強く、エンターテインメント色があります。
●『セルフ○○』について
・自分一人で出来ることと出来ないこと
まず、司会の仕事云々を話す前に大前提の部分に触れようと思います。
2020年以降、セルフ○○という言葉が馴染んできたかと思います。お家時間が増え他者と対面する機会が減ったことをきっかけに、今まで人に頼んでいたことを自分自身で担う状況が増えてきました。また、そういう環境も整っています。(セルフレジ、セルフオーダー、セルフケア 等)
会議やイベントもその一つで、特にオンラインビデオツールを使用しての会議やイベントは一人で開催できるようになりました。それだけ一人一人がマルチに活動できるようになったということですし、知識やポテンシャルが上がったということだと思います。
しかし、これがオンラインではなくオフライン、リアル開催となるとそうもいかなくなります。
・現場は分業制である
ZOOM(オンラインビデオツール)を例にした場合
会議URLを発行してしまえば、そこが会議スペース(会場)となります。さらに、パスワードを設定すると限定スペースとなり参加者の管理(受付)も出来ます。ですが、リアル開催の場合にはそうもいかなくなります。
例えば、自分がステージ上でお客様へパフォーマンスをする立場だったとしたら、開場から開演までの受付をしているところではありません。何故なら自分も準備をしなければならないからです。もちろんそれぞれの内容や規模によって異なりますが、現場では
会場のセット、機材の調整、リハーサル、衣装の着替え、(必要であれば)出席者の確認、お金の準備……等々。
当日には同時進行しなければならない事がたくさんあります。
その時点で、自分一人で会議やイベントの開催は不可能だと思います。たとえ、町の公民館での開催であったとしても、誘導や受付担当を配置することが多いです。
よって現場では、それぞれの役割を担う担当者がいて、それぞれの役割を時間内にやりきるという仕事があります。
●テーマ 《司会について》
・《司会だけ》の担当は必須ではない
長くなりましたが、ようやく司会の話をします。
リアル開催のイベントでは司会を置くか置かないかは、主催や企画をする側が決めることで、《司会だけの担当》を置くことは必須ではありません。
パフォーマンスをする人が自ら担当をすることもありますし(MCを含む)、主催がゲストを招くイベントであれば、ゲストが本題を進めて主催が司会をすることもあります。そういう時はわざわざ司会だけの役割を置く必要はありません。
結局のところ、イベントのテーマや趣旨、思い描く進め方、どういった空気感にしたいか、予定のメンバーで司会が出来るのか? など、状況に応じて決定されます。
ですから《司会だけの担当》が決められた場合には、必要だから置かれた。
ということをよく理解しておくと良いかなと思います。
ちなみに、テレビやアーティストのライブで司会を置くときは、上記の理由とは別の理由でキャスティングされる場合があります(ここでは割愛します)。
・司会の役割って
役割は規模や主催の希望によって異なります。
冒頭でお話した『パターン』について書いていきます。
どんな会議やイベントであっても【タイムテーブル】があります。これはオンライン開催であっても同様です。
オンラインなら無制限も可能では? と思われるかもしれませんが、それは個人規模で開催する雑談ミーティングであればあり得るかもしれません。ですが、テーマや目的がはっきりしている場合には、開始から終了までの時間が決められています。
何故なら、開催者と参加者(お客様)には予定がありますし、お互いに集中力には限りがあるからです。また、時間が決められていた方が「この時間内で知識を取り入れよう! 深めよう!」「この時間を楽しもう!」と、気持ちにメリハリがついて効果的な要素もあるからです。
オンラインの話ばかりで逸れてしまったので戻します。
タイムテーブルはどんな場合にも準備されていますが、司会の【原稿】は準備されている場合とそうでない場合があります。一言一句決められていたり、要所要所で「ここはこういう風に言って、こういう話題を振ってください」という希望だけを伝えられることもあります。場合によっては出資してくれている人や会社、所謂スポンサーの要望も組み込まれているかもしれません。
決めるのは司会者ではありません。
ですが、必要によっては司会者が決める時(委ねられる)もあります。
●司会をする時の意識
・自分事にしよう①
タイムテーブル、台本・原稿、関連資料を貰ったら、必ず全体を読むようにしてください。とても基本です。(司会だけではなくどんな仕事でも全体を見ることは大事です)
特にタイムテーブルは重要です。
現場では裏で【時間を巻く(早める)・延ばす】の指示を出す人がいます。これも二つ目に話した役割の一つです。ですが、規模によってはいない場合もあります。
今回は、いない場合でお話します。
とは言え、どんな場合であっても時間を意識することは重要です。
なぜ重要かと言うと、一つずれてしまうと全てずれてしまうからです。
1分遅れたら1分。5分遅れたら5分。台本通りに進めると台本通りに遅れてしまい問題が起きます。
ではなぜ遅れることが問題かというと、一つ前にお話した
開催者・参加者(お客様)・スタッフの予定(スケジュール)、集中力、さらにリアル開催の場合には会場のレンタル時間など、様々なことに影響が出てしまうからです。また、同じ会場をレンタルしている他の団体もいる場合には、会場とその団体にも迷惑をかけてしまいます。
しかし、いざスタートすると予想外の出来事や予定通りに進まない事があります。
そのためにも、全体を把握しておくことは重要です。
・自分事にしよう②
渡された資料は全て目を通しておくことは必須です。ですが、必要なことはそれだけではありません。
イメージトレーニングをしておくことはかなり重要です。特に、司会者用の決められた原稿が無い場合にはしっかりイメトレをしておくと良いです。
本題の内容や時間は決められていても場を繋ぐ原稿が無いとなると、自分で話す内容を考えなければなりません。且つ、何を話しても良いというわけでもありません。
お仕事や起業に関するセミナーで天気の話をするわけにはいきませんし、ライブで曲と曲の間にドラマや関係のないアイドルやアーティストの話題を出すわけにもいきません。
場を繋ぐ時間が設けられている場合には
【前後に繋がる話題、または関連した内容】
を話すことが自然です。
そのために、イメージトレーニングをすることが重要となります。
「◯◯と△△の間のタイミングで××を話そう」「ここでは見ている人はどんなことを思うだろう、考えるだろう」「どんなことを知りたいだろう」「▲▲は言っておいた方が良いかもしれない」
そんなことが浮かんでくるかもしれません。
そうすると、ステージ上の主役に配慮し、参加者(お客様)を置いていくことのないパフォーマンスが自然と出来てきます。
それには自分で事前に知識を増やしていくことは有効です。
・把握すること、やっておくと良いこと、準備するもの
事前に把握することや、やっておくと良いこと、準備するものをザッと挙げていきます。
最低限なので不十分なところはありますが、概ねこんなものかと思います。
これをベースに各々追加していってください。
☆把握すること
・出演者、スタッフ、会場のことで分からない時に尋ねられる人(責任者)
・会場の広さ、設備
・開催にあたってのルールやマナー
・注意事項、お知らせ
・どの役割に何人いるか(規模による)
・受付の状況
・開場から終了までの流れ
・出演者の動き、配置
・自分のステージ上での立ち位置、動き
・参加者(お客様)の雰囲気 ※年齢層、表情など緊張しているかリラックスしているか 等
☆やっておくと良いこと(重複しますが再度書いておきます)
・受け取った資料に目を通す
・疑問に思ったところにチェックを入れてメモをする
・イメージトレーニングをしておく
・開催内容について出来る限り知識を入れておく
・話すペースの確認
☆準備するもの
・筆記用具、メモ帳、タブレット端末 ※メモがとれればOK
・狂っていない腕時計
・衣装(準備がない場合。その場に合ったものを選ぶのが自然)
大体はこんなものかと思います。
重ねますが、状況によって不要であったり不十分なものもあります。
私は不安になったりするので、絆創膏、封筒、ハサミ、テープ、マジック、充電器は持っていきます。すでにスマートフォンの充電器は皆さん持ち歩いているかもしれませんね。
●不安になること
・メンタル面
ここで少しベクトルを変えようと思います。
皆さんが不安になる時はどんな時でしょうか?
人前に出る時だけではなく私生活も含めて、少しだけ考えてみてください。
思い浮かびましたでしょうか?
人それぞれ不安になることは違うと思いますが、例を挙げると
『分からない時、または、見えない時』が不安になる人が多いかと思います。
誰しも初めてのことは不安です。何をどのようにすれば良いのか分からないからです。
失敗したらどうしよう、間違えてしまったらどうしよう……
そんな風に思うかもしれません。
失敗は仕方ありません。しかし間違えは防ぐことが出来ますし、分からないことを分かるようにすることも、見えないことを予想しておくことは出来ます。
その方法は『浮かんだ疑問は徹底的に潰しておくこと』です。
全ては出来なかったとしても自分の中で腑に落ちれば良いです。
感覚として、自分が浮かぶ事柄はすでに他の誰かも浮かんでいることが殆どです。
よって、今ではインターネットで調べれば同じ疑問について書かれている記事は出てきます。逆に情報が多すぎて何が正しいのか分からなかったり自分の中でしっくりこない場合は、図書館に行って目に入ったタイトルの本を手に取り参考にするのも方法の一つです。今ではChat GPTもありますし、方法はいくらでもあります。
専門的な事を全て頭に入れることは出来なかったとしても、その立場になり(自分事にする)考え調べることで、出演者にスムーズなパスが回せます。
そもそものお話しになりますが、司会を置く場合は本題のテーマについてある程度知っている、または知識のある方を選ぶことが多いです。
どのような場合にも、最低限 参加者(お客様)と同じ目線で進行が出来る司会者の方が、開催をする側も安心して任せられるからです。しかし、そのことを前提にした上であったとしても何も準備をしないことは危険です。
自分が持っている情報が古くアップデートが必要な場合もありますから、アンテナを張っておくとより安全です。
もう一つ、不安に思うことがあります。
・人間関係について
仕事の有無に関係なく、社会生活をする上で人との関わり方は不安の一つだと思います。どんな時でも人間関係は避けられません。
ここでは司会という立場になった際に心掛けておくことを書いていきます。
もちろんオンライン開催の場合にも同じです。
司会者は、特にいろんな人と関わる役割を担っています。それが一回目、二回目であろうとも変わりませんし、いつも同じメンバーとは限らず初対面の方もいます。
裏を返せば、相手は自分を知らないということになります。
ですから、自己紹介と挨拶は必須です。簡単でもかまいません。
「司会を担当します、○○○○(フルネーム)です。よろしくお願いします。」
くらいは目を見て伝えておきましょう。そうすると不安は半分以下になります。
『どんな人だろう?』『写真を見ると厳しそうだな』『◎◎って聞いたけど上手くいくだろうか』等、顔を合わせるまで自分の頭の中だけでグルグル考えていたことが、自己紹介と挨拶をするだけで消えていきます。
ここで大切にすることは、出演者に関する他者から聞いた情報や評判は鵜呑みにしないことです。
正式な活動内容に関する情報であれば信じて問題ありません。しかし、それ以外の噂レベルの情報や評判の場合は、伝える側の主観が入っている場合が多々あります。
当たり前ですが、人間には感情があるので感じ方や価値観は異なります。
ですから、どのようなことを耳にしたとしても本人に会うまでは「ふーん、なるほど」くらいの感覚に留めておくのが調度良いです。
全員と親しくなる必要はありません。
司会はスムーズに進行することが役割ですから中立の立場である、ということを念頭に置いておけば軸がブレることはありません。
・緊張はどうすれば抑えられる・ほぐせる?
ここでは精神的な部分だけをお伝えします。
緊張を抑える、ほぐすには方法がいくつかあります。
・責任感をもつ
・腹を括る
・緊張を高揚感に変える
・間違えてもいい
これだけあると幾分かマシになります。
体感としてですが、私の場合は第一声を発するだけで消えることがほとんどなので、何度か経験していると自分をコントロールをすることが出来るようになります。個人差があるので、ぜひ自分に合った方法を見つけてみてください。
挙げた項目について補足をしていきます。
責任感や腹を括ることに関しては、自分の役割をしっかり落とし込められるとさほど難しくありません。
逆に、緊張感を高揚感へ変えることは慣れるまで時間がかかる場合がありますが、自信がつけばすぐに習得できますし、人前に出ることが好きな人なら得意なことかもしれません。その場を楽しみ、自分をどのように見せたいか、この場をどのようにしたいか…、自分の中でビジョンを持ってポジティブな思考に切り替えられれば大丈夫だと思います。
最後に重要なのが『間違えてもいい』という考えです。
一つ前の項目で間違いを減らすことについて少し書きましたが、それとは少し違います。否、知識として間違っていても仕方ありませんので、それはその時に訂正すれば問題ありません。
ここで言いたいのは『間違えてもいい = 完璧でなくてもいい』ということです。
完璧にしなければならないというプレッシャーから緊張することは非常に多いです。
しかし人間ですから完璧などありません。
ついさっきまで覚えていたのにもう忘れてしまった、なんてことは日常生活でもあります。仕事においても、いつも出来ることがたまたま今日は間違えてしまった、ということも多々あります。そういうものです。
ですから、完璧に『しなければならない』という気持ちを捨てて臨むと、無駄なプレッシャーがなく役割に集中が出来るかと思います。いくらでも間違えて良いというわけではありませんが、どれだけ準備をしていても本番では何があるかわかりません。
完璧にしようとしたところで完璧にならないのが現実です。
ちなみに、前提として冒頭に書いた通りこれはリアル開催の会議やイベントを例にしておりますので、テレビやYouTubeの配信など編集が可能なものはまた別の話です。
●最後に
ここには書ききれないことがたくさんありますが、初心者の方や何となく気になって読んでみた方向けに纏めてみました。
あくまで私の経験に基づいた一部の内容になります。繰り返しますが、様々な状況やパターンがありますので、全て必須ではなかったり不十分なこともあります。
ただ、「もし自分がそういう役割を任されたら?」ということになった場合に参考にしてもらえると良いかなと思います。
今回は文字にできる部分だけを書いていきました。
技術的な部分は、初心者の方向けにレッスンを開講しています。
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時々このようなことを含めた記事を書いていきたいと思いますので
今後ともよろしくお願いいたします!
ではまた書きにきます!
梅景飛歌
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