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PokerSandboxつくりました!


はじめに

うめこと申します!
以前はPokerStarsをプレイしておりましたが、現在は隠居しております。 私自身に興味をもって頂いた方はよろしければ以下のnoteをご覧ください。

この度、ポーカーのプレイや学習に少し役立つかもしれないニッチなツールを掲載した”PokerSandboxというWebサイトを製作し、テスト公開をしました。まだまだ機能の品質が不十分かつ Excelでできることに毛が生えたような機能かもしれませんが、もしよかったら利用してみてください。

なお、ツールの性質上からPCでの利用を想定していますので、スマートフォンからもアクセス可能ですが、PCからご利用頂けますと幸いです。


機能紹介

現時点で用意している機能は以下の通りです。

  1. Range Simplifier
    PioSOLVER形式で混合戦略になっているハンドレンジデータを丸めます。

  2. Pio▶Monker Converter
    PioSOLVER形式のハンドレンジのテキストデータをMonkerSolver形式のデータへ変換します。

  3. HU Preflop Solution
    ヘッズアップのプリフロップソリューションです。
    ※設定 ⇛ Eff Stack:100BB、RFI:2.5BB、Rake:5%(1.5BB Cap)

  4. Aggregated Report Prep
    PioSOLVERで作成された集合分析データを分析しやすい用に加工します。

  5. Aggregated Report Visualizer
    PioSOLVERで作成された集合分析データを加工し、ブラウザ上で視覚化します。

■画面イメージ(トップページ)

画像イメージ:トップページ


機能詳細・使い方

1.Range Simplifier

■画面イメージ

画面イメージ:Range Simplifier

■ツール製作の背景

最近はGTO WizardGTO Baseなどのように計算済みのGTO戦略をブラウザから閲覧するサービスの台頭により、プリフロップソリューションを使うことはかなり一般的になりました。

プリフロップソリューションを使う上での一つの難しい点として混合戦略が含まれていることが挙げられます。アクションが一つに定まらず、複数の戦略が頻度によって混在する戦略です。いい加減にソリューションを覚えたり、実戦したりすると頻度が守られず偏ったアクションになることが起こります。その代表的な例がマイクロステークスやライブキャッシュなどのBBからの3Betだと考えます。

下図のBTNオープンに対するBBの3Betのレンジをご覧頂ければ分かるのですが、BTNのオープンレンジにEquityが高いとは決して言えない、K~Txのスーテッドなどによる3Betがそれぞれのハンドで中~低頻度で行われます。経験上、実戦でキチンと学習しているレギュラー以外から、これらのハンドの3Betが飛んでくることはほとんどないです。
ソリューションをお使いの方でもこのあたりを適当にプレイされている方は多いのではないかと想像します。

BBの vs BTNオープンに対する3Betレンジ(GTO Wizard 50NL Complex)

前置きが長くなってしまいましたが、上記の問題に関係する記事で私の好きなポーカー英語翻訳のトルルさんが紹介され、大変気に入っている記事の一つにPatrick Howardによりプリフロップレンジの簡略化があります。

詳細は同記事をご覧頂ければと思うのですが、多くのプレイヤーが混合戦略になっている部分をオーバーフォールドしたり、レイズする頻度が低かったりするリークがあるので、シンプルなプリフロップレンジチャートにすることで、そういったリークを減らそうというアイデアです。

記事を読んだ後に私もレンジの簡略化を行おうと思ったのですが、意外と面倒だったので、本ツールを製作することにしました。

■使い方

  • Range Settingに丸めたいレンジのPioSOLVER形式のテキストデータを入力、必要に応じてProcess Nameを設定(またPreviewでレンジを確認することが可能)

  • 3種類のRound、Clusterの計4つのいずれかのボタンを押下するとResultに丸められたレンジが表示

  • Processed Resultに一覧表示されていくので、選択すると以前の加工結果を再表示可能。またExport as Imageを押下するとPNGファイルとして出力可能(ファイル名はRange Setting時のProcess Name)

★RoundとCluster
25%,50%,100%の3種類のRound、Clusterの計4つの加工方法を用意しました。Roundはそれぞれの割合毎に切りよく頻度が丸められます。Clusterは混合戦略になっている部分を合計し、頻度の高い部分から分配して純粋戦略にする加工となります。

★サンプルデータ
Raise、Callの入力欄に以下をコピー&ペーストしてみてください。
※以下の黒いコード部分の右上にマウスオーバーするとコピーボタンが出ます
Raiseデータ

AA,KK,QQ,JJ,TT,99:0.92,88:0.42,77:0.32,66:0.15,55:0.08,AK,AQs,AQo:0.94,AJs,AJo:0.54,ATs:0.86,ATo:0.2,A9o:0.35,A8o:0.19,A7o:0.31,A5s,A5o:0.2,A4s:0.9,A3s:0.38,KQs,KQo:0.48,KJs,KJo:0.29,KTs:0.2,KTo:0.54,K9s:0.13,K9o:0.49,K7s:0.31,K6s:0.29,K5s:0.02,K4s:0.02,K3s:0.15,QJo:0.36,QTs:0.06,QTo:0.54,Q9o:0.16,Q8s:0.34,Q7s:0.22,Q6s:0.33,Q5s:0.15,Q4s:0.14,Q3s:0.16,JTs:0.55,JTo:0.45,J9s:0.55,J9o:0.36,J8s:0.32,J7s:0.59,J6s:0.34,J5s:0.21,J4s:0.16,T9s:0.98,T9o:0.2,T8s:0.46,T7s:0.28,T6s:0.51,98s:0.48,87s:0.42,76s:0.3,65s:0.46,54s:0.39

・Callデータ

99:0.08,88:0.58,77:0.68,66:0.85,55:0.92,44,33,22,AQo:0.06,AJo:0.46,ATs:0.14,ATo:0.8,A9s,A9o:0.65,A8s,A8o:0.81,A7s,A7o:0.69,A6s,A5o:0.8,A4s:0.1,A4o:0.24,A3s:0.62,A2s,KQo:0.52,KJo:0.7,KTs:0.8,KTo:0.46,K9s:0.87,K9o:0.51,K8s,K7s:0.69,K6s:0.71,K5s:0.98,K4s:0.98,K3s:0.85,K2s,QJs,QJo:0.64,QTs:0.94,QTo:0.46,Q9s,Q9o:0.46,Q8s:0.66,Q7s:0.78,Q6s:0.67,Q5s:0.85,Q4s:0.86,Q3s:0.84,Q2s,JTs:0.45,JTo:0.55,J9s:0.45,J9o:0.64,J8s:0.68,J7s:0.41,J6s:0.66,J5s:0.79,J4s:0.84,J3s:0.66,T9s:0.02,T9o:0.8,T8s:0.54,T8o:0.2,T7s:0.72,T6s:0.49,T5s:0.08,98s:0.52,98o:0.19,97s,96s,87s:0.58,87o:0.16,86s,85s,76s:0.7,75s,74s,65s:0.54,64s,63s:0.76,54s:0.61,53s,52s:0.42,43s

またGTO WizardやGTO BaseからコピーできるレンジデータはPioSOLVER形式になっています。(GTO Wizardはサブスク会員のみコピー可能)


2.Pio▶Monker Converter

■画面イメージ

画面イメージ:Pio▶Monker Converter

■ツール製作の背景

様々なGTOソルバーの中でもPioSOLVERとMonkerSolverは非常に人気があるソルバーで、併用しているユーザの方も一定数いらっしゃいます。

MonkerにはレンジをPioSOLVER形式で出力する機能があるのですが、PioSOLVERにはMonker形式で出力する機能が存在しません。

PioSOLVER上でレンジ指定をしたり、PioSOLVERのレンジ形式を前提にしたソフト(Hand2Noteなど)のデータをMonkerに設定する際に非常に不便だったので、PioSOLVER形式のハンドレンジデータをMonker形式に変換するツールを用意しました。

■使い方

  • 「Enter text data for hand ranges in Pio format」にPioSOLVER形式のハンドレンジのテキストデータを入力

  • Processボタンを押下すると「Hand ranges data in Monker format」にMonker形式のハンドレンジのテキストデータが出力されます(「Copy to clipboard」を押下することでコピー可能)

★サンプルデータ
上記の「1.Range Simplifier」のサンプルデータのRaiseまたはCallと同じデータをお使いください。


3.HU Preflop Solution

■画面イメージ

画像イメージ:HU Preflop Solution

■ツール製作の背景

GTO WizardやGTO Baseなどでもプリフロップソリューションは無償で公開されていますが、500NLが前提になっていてレーキが安いなどの問題があり、50NL用のソリューションを計算したので公開することにしました。

現在は50NL用のHead-Upソリューションのみとなっておりますが、今後、他のレーキ設定や6Maxのマイクロ・ミドルステークス用(2NL~25NL)のソリューションも掲載したいという思いはあります。

■使い方

  • ヘッダー部の「PlayLine Select」の各ポジションの入力欄からドロップダウンでアクションを選択します。(今回はHead-UpかつプリフロのみのためRaise一択)

  • Heroのレンジ表にはそのシチュエーションにおける自身の戦略(Raise/Call/Fold)が表示されます。
    Villainのレンジ表にはその一つ前の相手のアクションレンジが表示されます。


4.Aggregated Report Prep

■画面イメージ

画面イメージ:Aggregated Report Prep

■ツール製作の背景

多くのGTOソルバーでは集合分析という機能が具備されいます。
通常の解析ではFlopなどを事前に設定して特定のFlop、そこからのTun,Riverカードに対する戦略の解析を行うことが多いのですが、集合分析は複数のFlopやTurnのEquity/EV,ストラテジーなどを出力することで各種ボード毎の戦略の特徴や傾向などの分析を行うことが可能です。

この各種ボード毎の特徴を分析するには出力ファイルを少し加工することなどが必要で、出力された集合分析レポート(Aggregated Report)のFlopのカードをハイカード、スート、ペアリングなどに着目し、分類、フィルターするための列を追加してあげる必要があります。

毎回の加工作業が面倒であり、Excelがそれほど得意でない方もいるかと思ったので、アップロードするといい感じに必要な列などを追加してくれるツールがあると便利だと感じ、製作することにしました。

■使い方

  • 点線で囲まれた部分に集合分析ファイルをドラッグ&ドロップする、もしくは「Click here or drop a file to upload」をクリックすることでエクスプローラを開き、ファイルアップロード

  • 集合分析ファイルに記載されるBet Sizeはチップ量が記載されるため、少し分かりづらいです。「Bet Sizes」に大きい順に何%ベットかを入力することで、集合分析ファイルに表示されるベットサイズの表記が「X% Bet」に変更されます。

  • 上記を設定後にProcessボタンを押下することで加工後のcsvファイルが出力されます。

  • 加工後のcsvファイルでは以下の列が追加されます。

    • Flopのそれぞれのハンドのカードランクとスート列

    • Flopのカラー(Rainbow/Twotone/Monotone)

    • Flopのペアリング(Unpaired/Paired/Trips)

    • Flopのランク分類(Ace/High/Middle/Low)

    • Flopのコネクト(Connected/Medium/Disconnected)

★サンプルファイル

※Bet Sizesには以下を入力してみてください
 Bet Size1:140
 Bet Size2:85
 Bet Size3:40
 Bet Size4:25
 Bet Size5:5


5.Aggregated Report Visualizer

■画面イメージ

画面イメージ:Aggregated Report Visualizer

■ツール製作の背景

先ほどの「4.Aggregated Report Prep」を開発中に、加工したcsvファイルをそのままブラウザ上で簡単に視覚化し、閲覧できると便利かもしれないと感じました。

■使い方

上記の「4.Aggregated Report Prep」と基本的に同じです。Processボタンを押下すると加工されたデータの簡単な視覚化が行われます。

★サンプルファイル
「4.Aggregated Report Prep」と同様


さいごに

もしご利用頂けた方でバグ・不具合、ご不明点などがあればご連絡ください。

また「こういう機能があれば便利!」といったご意見や「今の機能のこの部分が残念でこうした方がいい」といったご意見・アドバイスなどがあれば、ご要望・助言に応えられるか不明ですが、TwitterのDMなどご連絡頂けますと幸いです。

それではみなさんよいポーカーライフを!

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