少子高齢化問題と技術的失業&シンギュラリティ

少子高齢化問題と技術的失業&シンギュラリティ

 日本の少子高齢化問題は深刻で、将来的に1.3人の現役世代が1人の老人を支えるようになると言われています。

65歳以上の高齢人口と15~64歳人口の比率をみてみると、昭和25(1950)年には1人の高齢人口に対して12.1人の15~64歳人口がいたのに対して、平成24(2012)年には高齢者1人に対して現役世代2.6人になっている。今後、高齢化率は上昇を続け、現役世代の割合は低下し、72(2060)年には、1人の高齢人口に対して1.3人の現役世代という比率になる(内閣府)

 この問題は過去からの集積ですから、税金や政府を今さらどう改革しようが、今すぐ自由主義が世界を席巻し好きに出来るようになろうが、あんまり変わらない気がします。主義思想にかかわらずそういう人口構成になるのはもう避けられません。過去は変えられないんだから。

 その上で今の産業構成を考えると、第三次産業が圧倒的多数になってて、実際に生存を左右する一次二次や三次のうちの輸送や治安や医療従事者の割合はそこまで多くない。あとは極端に言えば、ソーシャルゲームだとかの生存に不要だけど金を回し資本主義の規模を大きくするためだけの「無駄な」産業に従事してるとさえ言える状況です。
 一次二次の就労人口は機械の導入などで減り、かつ効率や生産効率も改善する一方。客商売も街中のスーパーで無人レジが登場し台数を増やして人員削減するかたわら、高島屋なんかは金持ちに金を使ってもらう富裕層優遇路線を取り、そこに人員を割いてなんとか金を使ってもらおう回してもらおうとしているぐらいです。

 言い方は悪いかもしれませんが、人口や消費も大事だけど、何よりも付加価値を大きくしていくことで規模が拡大していく資本主義という経済制度自体が行き詰まってるわけですよ。

 ましてシンギュラリティ(技術的特異点)が来るという前提で物事を考えてる自分らシンギュラリタリアンは、雇用の急減で「大量の人余り」が起きることを危惧しているぐらいです。単純作業の機械化が進み、知的労働も機械化が進み(これを技術的失業といいます)、最後まで残るのは介護や清掃員なんかの仕事だという分析もあるぐらいです。
 それが今後急速に進む場合、1.3人の現役世代が1人の老人を養うのって、実は十分に可能になるんですよ。だって、人間に残るのは介護みたいな複雑かつ多様な動きを要求される仕事ぐらいです。大量の事務職や工場の作業は全部機械がやってくれるから、暇になった人間はそれこそ、介護ぐらいしかすることがなくなるとも言えます。

 今の延長線上のまま、あらゆる産業で今と同程度の人員を必要とするままで1.3人が1人を支える状態を考えろと言われたら「無理」としか言えないです。それこそ姥捨て山=安楽死施設を作るしかない。痴呆症の治療技術が進歩しないなら、激増する徘徊老人を今のように愛情持って管理監督するなんて無理だと思います。非人間的な拘束をより強めるか、殺すか、放置して餓死を待つか……あんまりいい話ではないですね。

 というわけで、シンギュラリティの到達を前提とすれば、この問題は十分に楽観的に考えてOK。というか、シンギュラリティ(もしくはそこに向かう過程での大幅な技術革新)が来ないなら、この世は地獄になって終わりです。政治体制も主義主張も関係ない。もっと昔からちゃんと対策していればと言っても意味はないし、いまさら対策して来年から急に出生率が2.0を越えても、改善するのは20年後30年後で、やはり間に合いません。

「ソーシャルゲーム関連の労働者を無駄なんて言うな」と怒られそうだけど、それってある意味では芸術や娯楽にそれだけの人員を割けるぐらい今の社会が豊かになってるということなんだから、素晴らしいことなんですよ。本当に厳しいならみんな畑や工場で働かないといけないけど、そうじゃないんだから。
 将来的な人口構成比が変わって1.3人で1人の老人を支えないといけないとしても、衣食住や必要資源の生産が機械を使うなどして必要量を保てるなら、あとの暇つぶし産業に勤めてる労働者は全員介護に回ってもらっても構わないとも言えます。社会から潤いが無くなりつまらなくなるとは思うけど、なんとかなる話ですよね?

 もちろん「介護ぐらいしか産業がない」ってのも相当に悲惨な話ではあるんですが……適正、向き不向きが明確にあるから、人数が多ければいいってものでもないし。だけどこれを解決するのはそれこそ「無限に人口を増やし続け人口ピラミッドを綺麗に保つ」ぐらいしかなく、それ自体無茶な話です。
 となると、介護分野においても優しく介護してくれるロボット導入などの技術革新、シンギュラリティに期待するしか無いんですよねぇ……。

 ちなみに、これは少子化や介護ではなくシンギュラリティ自体の問題になりますが、あらゆる分野において機械が人間を凌駕するようになれば、人間は自然とその数を減らしていくと個人的には考えています。機械自体が人類の生み出した子供としてその勢力圏を地球全体や宇宙にも広げていき、人類はその子を産み落とした親、先祖として自然の法則で消えていくのです。
 人間自身が機械と融合するという説もあるにはあるけど、それはもう今の生身の人間、人類とは別物ですしね。
 精子バンク、デザイナーズベイビーなどが可能になるにつれ、いわゆる自然生殖での人口増加ペースが落ちていき、少数精鋭になっていく。同時に人工知能や機械の発達、シンギュラリティもある。これら全て、自然な進化の流れだと思うのです。

 個人的にはあまり悲惨なことにはならない楽観的な未来像を描きたいし、そうあってほしいと思っています。少子化も、介護も、シンギュラリティもね。


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シンギュラリタリアン。20代から世界あちこち旅行。生活保護や人権、労働のあり方に興味あり。 著書『嫌労働の思想』https://www.amazon.co.jp/dp/B00EU71UZ8/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Nk--Fb25MR9DT