人工知能

シンギュラリティ(技術的特異点)、技術的失業、人工知能関連の株式銘柄一覧

 最近「シンギュラリティ」という考え方が急速に知名度を高めつつあります。簡単にいえば、人工知能の発達が究極まで高まり、ついには人工知能自らが人工知能の開発を行うようになる。その速度は人間に理解できる速度を遥かに超え、進歩していく……こんな感じでしょうか。こうなると人間には手も足も出なくなります。というか、人間なんか完全に不要になります。

 また、そこへ向かう前段階で、技術的失業が広がると言われています。これは従来人間が行っていた仕事や作業が、進歩したAIやロボットに代替され、人間が仕事を失ってしまうことを言います。
 これまでは機械が登場し人間の仕事が奪われたように見えても、新たに人間でないと出来ない仕事を新たに創りだすことで、人類社会は雇用を喪失すること無く進歩してきました。しかしさきほどの、AIが自らを育て上げ人間が不要になるシンギュラリティと技術的失業の考え方を組み合わせると、最終的には人間に出来る仕事は何も残されず、ほとんどが機械によってまかなわれる未来社会が、すでに想定できる状況になってきています。

 これに関する記事はここ1,2年で急速に増えてきてますので、ここでは最新の一つだけ、リンクを貼っておきます。「シンギュラリティ」「技術的失業」で検索するだけで、山のように出てきます。

科学技術の進歩で消える仕事、20年までに500万人失業か

 さて、こうやって人間の仕事が機械に奪われていく、代替されていくことを前提として考えると、今後の社会における資産分配のありかたに暗雲が立ち込めてきます。いままでは「労働力を提供することで資産の分配を得る」つまりは給与という形が一般的でした。ですが人間の労働力なんかいらないよとなったら、果たしてどうやって分配に与れば良いのでしょう?
「機械に負けない、人間にしか出来ない分野で生き残る」は当面は有効ですが、どんどんとその範囲は狭まっていき、競争は過酷になっていきます。最終的にはほぼ全員が、仕事で分配を得ることはできなくなります。全てを機械がやってしまいますからね。

 実はもう一つ、分配を得る手段があります。「資産を持つものがそれを提供することでを得る」、ようは株主配当などの分配です。昨年話題になったトマ・ピケティが「r>g」という公式を発表しました。資本の収益率は常に労働の収益率に勝るという、あれです。

 資本主義社会において人間は基本的に資本を提供するか、労働を提供するか、そのどちらかで分配を得るという方法をずっと取ってきました。労働によって分配を得られなくなるなら、資本の提供で得るしか無い。だがその資本は全ての人間が持つものではない。たとえば工場を所有する資本家は、今は労働者を雇い賃金を払っていますが、今後どんどんと機械化を進め、人を減らしていき、最終的に全てが機械化されたら、どうなるでしょう? 利益は資本家の独り占めです。機械は賃上げやボーナスを要求しませんからね。
 したがって最終的に人類社会全体が継続していくためには、この資本家の独占する利益を「元」労働者たちに分配する正当性を何らかの形(たとえば生存権を根拠とするベーシックインカム)で見出さねば、人類社会とはごく少数の資本家が、彼らの所有する機械の生産物を交換するだけの社会になります。極小数の優秀な人間だけが生きる世界。
 これも最終的には、「いったいなんのために人間は生きているの?」となってしまうので、いつは人類の存亡そのものに関わる話になるのですが……さすがに脇にそれすぎましたね。

 最終的にシンギュラリティがどういう世界を作るかはわかりませんが、そこに向かう過程で「労働でお金をもらえなくなり」「資本提供でお金をもらう割合はどんどん増え」格差が広がっていくのは確実です。それはそれで政治の力で是正を行わねばなりませんが、政治はおおむね後手後手に回るものです。
 こうなることを予測しておきながら、座して待つのも、おかしな話。わかってるんだから、出来る対策をしておきましょう。

 そのひとつが、自らが少しでも資本家の側に回りこむ、つまり、シンギュラリティに貢献しそうな企業の株を買っておくことと、考えてみました。
 今はまだ世間にはシンギュラリティに懐疑的な人だらけですが、自分は必ずその方向に向かうと確信しております。その先見の明を少しでも役立てないのは、もったいない話です。

 そこで今回は、ネット上に散乱しているシンギュラリティ・人工知能・ロボット関連の銘柄を可能な限り集めてみました。とりあえずこれらの企業をポートフォリオに入れておき、監視しておけば、もしかしたらお得なタイミングで株を買い、シンギュラリティの流れに上手く乗る側になれるかもしれません。

 最後に、個人的な有料記事のポリシーに基づき、この記事は2016年7月以降、無料にします。お急ぎでない方はそれまでお待ちいただければと思います。→あんまり有料にしてる意味が無いと判断し、無料にします。
 また、「人工知能関連銘柄」で検索をかければ、自分のような素人ではなく株に慣れた方々の詳細な分析が、いくらでも見られます。当記事はあくまでも、シンギュラリティという概念をずっと追っかけている自分がそれらの記事を見て、これは良さそうだというものを、株の素人の目から見てまとめたものであることを、注記しておきます。

 シンギュラリティや有料記事に関する個人的な考えは、自分のnoteの過去記事にたくさんあります。この機会にフォローしていただければ、幸いです。

 では、調べあげたシンギュラリティ関連銘柄の一覧です。どうぞご覧ください。


 リストの★がついてるのは、個人的に注目している企業です。

【有名企業】

ソフトバンク <9984>
 やはりソフトバンクを筆頭に持ってこないわけには行きません。ロボットにpepperを市販化し、一般に普及。店舗における接客や、時給1500円での一般貸しなど、積極的にロボットの普及に投資している会社です。

トヨタ自動車 <7203>
 昨年11月、アメリカにスタンフォード大学と提携して人工知能の研究所を作ると発表し、話題になりました。自動運転車のニュースは最近では毎日のように聞くようになっています。アメリカではgoogleがすでに一般道での試験走行を何度も重ねています。自動運転車が実用化されるのは100%確実であり、あとはその安全性を高める人工知能の競争になっていくのは間違いありません。

カドカワ・ドワンゴ <9468>★
 角川書店とニコ生の合体ということで話題になりましたが、ニコ生側の社長(現カドカワ株式会社代表取締役社長、および株式会社ドワンゴ代表取締役会長)の川上量生氏は、シンギュラリティの概念に明るいことでも有名。超人的AIの実現をめざす「人工知能研究所」も発足させており、本気度はものすごいものがあります。角川やニコ生の収益に期待するのではなく、あえて人工知能のブレイクスルーを成し遂げることに期待して投資するのもありかもしれません。

CYBERDYNE <7779>
 今は有名企業と言ってもいいでしょう。ロボットスーツ『HAL』を開発した筑波大学発ベンチャーとして、テレビなどでも何度も取り上げられています。今はまだ医療や介護の人の作業を軽減するロボットの開発というイメージですが、もちろん将来的にはスタンドアローンで、人手のかからないロボットの開発も行っていくでしょう。
 実際、遠隔手術ロボ「ダ・ヴィンチ」のように、医療分野は人工知能やロボットの進出で、思いの外はやく人間の雇用が失われるという予測も一部で出ています。つまりそれだけ早く「人間を追い出し機械化させる=資本家が独占する」分野と考えると、この会社が大きくなるのは、思いの外早いかもしれませんね。
 昨年夏には羽田空港にいろいろな形のロボットを導入することで合意も締結しました。荷物運びとか客案内もロボットが行うようになるということです。


【データ分析・ビッグデータ】

ブレインパッド <3655>
 「データマイニング」に強みを持つ企業です。いろいろな企業データを分析し、販促に活用する手法を提供しています。
 人工知能を使って企業の採用活動を支援する技術の開発も行っているそうです。将来的には、フェイスブックやツイッターなどのネットにある個人情報を瞬時に調べ上げ、応募してきた人の採用に活用するなんてことも普通に行われるようになるでしょうね。
 本記事執筆の1/28現在、急速に株価を伸ばしてます。赤字を解消し一点黒字転換。

データセクション <3905>
 ビッグデータ処理・解析の会社。特にSNSなどソーシャルメディアに強いそうです。ベトナムではテレビCM最適化支援事業を展開。googleの広告がパソコンを使ってる個人の好みに合わせて表示させるのは有名ですけど、今後はどの国でも、どのテレビでも、どの媒体でも、こういう分析は行われるのは間違いないでしょうね。

ALBERT <3906>
 同じくビッグデータ分析の会社。

テクノスジャパン <3666>
 こちらもビッグデータ解析の会社ですが、自動運転技術を持つZMP社と連携し、人工知能技術の開発を行っているそうです。

UKCホールディングス <3156>
 先ほどちらっと名前の出たZMP社に出資。今のところはスマホ用のCMOSセンサーなどが好調とのこと。自動運転車のカメラの開発に力を貸す感じでしょうか。

ディー・エヌ・エー <2432>
「さっきからZMPってなんやねん」と思われてるかと思います。実はDeNAが立ち上げた会社です。さらにロボットタクシー株式会社という名の、そのものずばりの会社も立ち上げ。


【人工知能】

UBIC <2158>
 人工知能関連銘柄と言えば真っ先に名前の出る会社です。
 いまのところ法的紛争・訴訟の際の証拠保全などのデータ分析を行うなど法律分野に強く、アメリカでも特許を取得してるとのこと。実際アメリカでは、弁護士事務所での訴訟など前面に立つ看板弁護士の影で、過去の資料調べしかさせてもらえない事務弁護士の「二極化」が問題になっています。そうした資料調べは機械に任せればいいということで、解雇されるケースも増えてきてるのだとか。
 アメリカのナスダックにも上場してます。

フォーカスシステムズ <4662>
 実はUBICの筆頭株主(個人除く)。暗号システムの開発に強い会社、つまり、セキュリティ関連です。強い暗号はやはり人工知能の助けなしに作れなくなっていくでしょうから、UBICと組んでどこまで世界最先端を目指せるかが鍵というところでしょうか。

ホットリンク <3680>
 SNS・ネット掲示板の投稿データを監視・活用するクラウドサービスを展開とのことで、某掲示板では工作がどうたらと名前が出ることが多いです(笑)
 肝心なのは、創業者・筆頭株主の内山幸樹氏が東大在学中から人工知能の研究に携わっていたということ。もちろん今後も人工知能開発に貢献していくものと思われます。

エヌアイデイ <2349>
 組み込みソフトの開発を行っていますが、人工知能を用いた言語解析などを研究するStudio Ousia(スタジオウーシア)という会社にも出資しているそうです。この会社自体が今後どれだけ人工知能に積極的に関わっていくかは、まだ未知数ですかね。

サイオステクノロジー <3744>
 大塚商会が筆頭株主。文書管理ソフト、システム障害回避ソフトが得意だそうです。

ロゼッタ <6182>
 自動翻訳ソフトの会社。google翻訳などの超大手と戦っていかないといけないわけですが、インターネット上の自動翻訳機能は強く望まれています。将来的には、全ての言語のページがユーザーの母国語に自動翻訳され、何も気にすること無く自然に母国語で使ってるのと同じような感覚で自然にネットサーフィン出来る様になると思いますし、そういうところに貢献していく会社になるのではないでしょうか。


【ほか、注目・関連銘柄】

ネットワークバリューコンポネンツ <3394>

ユニバーサルエンターテインメント <6425>

インテージホールディングス <4326>

サイオステクノロジー <3744>

MS&ADインシュアランスグループHD <8725>

電通国際情報サービス <4812>

システムズ・デザイン <3766>

ジグソー <3914>

メタップス <6172>

ブロードバンドタワー <3776>

サイジニア <6031>

DAC <4218>

AMI <3773>

エイジア <2352>

ロックオン <3690>


 まだまだ荒削りですし、個人的にもこれらの企業リストや情報は今後の投資活動に使っていこうと思っていますので、無料公開まで随時更新していきたいと思います。

 最後にありきたりですが、当記事は、株式投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、特定銘柄の購入を勧めたり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の際は十分ご注意の上、各自の判断と責任のもとに行って下さい。当記事の情報を元にした損益について、筆者はなんら責任を負いません。どうぞよろしくお願いします。

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