好文木

32歳。夫とふたり暮らし。ゆれる日常。

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最近の記事

ひとりとふたりの狭間

 妊娠17週目、いわゆる安定期である。  いまだにじぶんのお腹のなかに、別の生命がいるということには戸惑いと驚きを感じている。  と同時に、妙に焦る。 「子どもが生まれたら、もう自由な時間なんてそうそう取れないんだよな」 「生まれるまでに、したいことをしておかなきゃ」 「行っておきたいお店も、カフェも、趣味でしておきたい活動もたくさんある」  でも、思ったより身体はうまく動かない。  つわりが終わっても体調は万全ではないし、急につわりがぶり返したようになるときもある。

    • 妊娠記録(12週~15週)

      5月20日(12週0日)~5月26日(12週6日) ・生理痛のような腹痛が続き、一日仕事を休む。また、入浴すると微量の出血とお腹の張りが出てきた。どうも血行がよくなると駄目らしい。 ・抜け毛が増える。もともと髪量が多いため、抜けても大して減った気はしないのだが、掃除をしてもすぐに髪の毛が落ちるので虚しくなる。 ・食欲が落ち着いてきた。しかし食べたい欲求はあり、つい食べすぎる。そのせいで胃腸が弱り、顎のあたりに吹き出物が……。妊娠してから肌の調子がよくなっていたのだが、その魔

      • 妊娠記録(9週~11週)

         将来じぶんが見返すか、誰かのお役に立つかもしれないので、ぼちぼち妊娠中の記録を記しておきたいと思う。  まずは9週~11週にかけての記録である。  なお、妊娠発覚~9週まではこちら↓ 2024年4月30日(9週1日)~5月6日(10週0日) ・相変わらず夕方~夜にかけての胃のムカムカが継続。肉や塩気のあるものが食べたいのも変わらず。頻尿もあり。また、ときどき動悸がする。 ・暑くなってきたせいもあるかもしれないが、あたたかい飲み物をあまり飲みたくなくなる。ふだんは真夏でも

        • 風呂上がりに少量出血があり、動揺している。いま救急行ったって何も処置のしようはないだろうし、明日の朝にかかりつけへ行けるまで待つしかない不安。出産が怖い怖いと言いながらも、やはり子どもは無事であってほしいのだと気づく。何事もないよう祈る。

        ひとりとふたりの狭間

        • 妊娠記録(12週~15週)

        • 妊娠記録(9週~11週)

        • 風呂上がりに少量出血があり、動揺している。いま救急行ったって何も処置のしようはないだろうし、明日の朝にかかりつけへ行けるまで待つしかない不安。出産が怖い怖いと言いながらも、やはり子どもは無事であってほしいのだと気づく。何事もないよう祈る。

          「聖母のようでなければならない」という思い込み

           妊娠11週目。 「(お腹のなかの子に)話しかけてあげたらいいのに」  と夫はよく言う。そして実際、夫はいつも私のお腹に話しかけている。  けれど、私はそう言われるたびに息苦しさを感じてしまう。愛情をそそぐことを強制されているような気がしてしまうのだ。  これまで私は、さんざん親のためにじぶんの感情を我慢してきた。  親に一心の愛情をそそいできたとも言える。  なのにまた、誰かのために我慢して愛をそそがなければならないの?  そんなふうに思ってしまう。そして怖さと不安を

          「聖母のようでなければならない」という思い込み

          やはり子どもを産むことについていろいろ考えてしまう。最初は「まあなんとかなるだろう」という感じだったが、最近は実感が湧いてきたゆえにか、鬱々と悩む。ホルモンのせいもあるのかもしれないが。怖い。が、怖いなら怖いなりにもう少し掘り下げてみたい。わからない方が余計に怖いままなので。

          やはり子どもを産むことについていろいろ考えてしまう。最初は「まあなんとかなるだろう」という感じだったが、最近は実感が湧いてきたゆえにか、鬱々と悩む。ホルモンのせいもあるのかもしれないが。怖い。が、怖いなら怖いなりにもう少し掘り下げてみたい。わからない方が余計に怖いままなので。

          「母親みたいになりたくない」という呪縛

           とある精神科医の本で、「娘は母親の生き方をそのままなぞることができる」といった文章を見たことがあった。 (『子は親を救うために心の病になる』高橋和巳、筑摩書房)   これは、まったくそのとおりであると思う。  男親と息子もそうであるのかもしれないが、女親と娘というのはかなり特殊な関係だ。  母親は娘に、過去のじぶんの姿を投影する。  娘は母親に、将来のじぶんの姿を投影する。  母親は、「過去のじぶんと同じように」あるいは「過去のじぶんみたいにならないように」育ってほしい

          「母親みたいになりたくない」という呪縛

          母になる自覚

           以前から子どもについてゴチャゴチャ考え連ねていたのだが、そうしたらなんと妊娠してしまった。  現在9週目(3か月目)、つわり期間突入中である。  ↓以前子どもについて考えたこと  正直、まだ子どもがじぶんの胎内にいるという自覚すら薄い。  お腹はまったく膨らんでいないし、胎動やそのほかの動きがあるわけでもない。  いつもと違う体調不良(つわり)が続いているので、「たぶん生きているんだろうなあ……」と首をかしげる有様である。  もしくは、検診のエコー写真を見てようやく「あ

          母になる自覚

          仕事でミスをし、それが周りにどう見られているか気になってビクビクする。次年度から役職が上がるのにまだこんなミスしてるのかとか、頼りない年上だなあと後輩に侮蔑されてるんじゃないかとか。この部署に異動してきてから、地味にずっとそういう被害妄想が日々あってすり減っている。

          仕事でミスをし、それが周りにどう見られているか気になってビクビクする。次年度から役職が上がるのにまだこんなミスしてるのかとか、頼りない年上だなあと後輩に侮蔑されてるんじゃないかとか。この部署に異動してきてから、地味にずっとそういう被害妄想が日々あってすり減っている。

          食べ吐きの癖

           完全なる摂食障害まではいかないかもしれないが、私にはこの傾向がある。  きっかけは大学生のころ、就活のストレスで急性胃腸炎になり10日間入院したことだ。  以来、もともと弱かった胃がさらに弱くなった。  なにを食べても「また胃を壊すんじゃないか」「胃もたれするんじゃないか」「これを食べたら絶対あとで後悔するよな……」とばかり考えてしまう。  が、一方で甘いものを食べたい衝動が抑えられない。  就職してからのストレスや、年齢に伴うPMSの悪化とともに、とくに以下のような

          食べ吐きの癖

          職場の規程が変わったために、ヒラながら予定より早くひとつ役職をあがることになり慄く。自分が役職を与えられるに足る能力を備えているのか。

          職場の規程が変わったために、ヒラながら予定より早くひとつ役職をあがることになり慄く。自分が役職を与えられるに足る能力を備えているのか。

          妊活とも呼べぬたゆたい

           以前、子どもを持つことに揺らいでいるという記事を書いた。  ↓以前の記事はこちら  あのあと無事(?)に生理が来て、ほっとすると同時に落胆した。  そしてやっぱり、私のなかには「子どもがほしい」という気持ちもあるのだなと自覚した。  夫このひととの子どもなら、見てみたいなあという思い。  10年仕事を続けてきて、結婚生活も3年経って落ち着いてきた。そろそろ変化がほしいなあという気持ち。  それと正直、いまの仕事の部署から逃げたい気持ちもいくらか。  (育児の方が絶対に

          妊活とも呼べぬたゆたい

          「生きていてもいいんだ」という感覚

           前回の記事を書いたあと、唐突に「私って生きていてもいいんだよなあ」ということばが浮かんだ。  ↓前回の記事はこちら  私はこれまで、「自分がこの世に生きていてもいい存在である」という感覚がわからなかった。  たびたび「死にたいなあ」「消えてしまいたいなあ」と感じてきたし、常に心の底で「いつどうなってもいいや」という捨て鉢な諦念を抱えている。外傷を負うことにためらいが薄いので、自傷行為に走ってしまうときもある。  自分が生きていてもいい価値のある人間だと思えず、人を傷つ

          「生きていてもいいんだ」という感覚

          「衣食足りて礼節を知る」の意味を近ごろしみじみと思う。昔は単なる、よくある戒めのように思っていたけれど。自分が飢えているのにパンを差し出せる人はなかなかいない。まず自分の生活基盤が安定していて、ゆとりがなければ人を愛したりやさしくしたりはできない。

          「衣食足りて礼節を知る」の意味を近ごろしみじみと思う。昔は単なる、よくある戒めのように思っていたけれど。自分が飢えているのにパンを差し出せる人はなかなかいない。まず自分の生活基盤が安定していて、ゆとりがなければ人を愛したりやさしくしたりはできない。

          家族を許さないということ

           昨日、大河ドラマ『光る君へ』を見ていた。  主人公のまひろ(紫式部)が、母を殺した仇である藤原道兼と対峙する。  道兼が去ったあと、まひろは父親に「道兼のことは許せない。けど、もうあいつに私の感情を振り回されるのは嫌」といった趣旨のことを宣言していた。  このシーンが、ふと心に突き刺さった。  私の「許せない相手」は父である。  幼いころからの刷り込みと、母による洗脳(とあえて書く)の影響もあるかもしれない。  それでも、私は父を許せない。許さないと決めている。  

          家族を許さないということ

          子どもを持つことに不安や揺らぎを覚えつつ、月のものが来るといくらか落胆してしまう。心の底では、結構子どもが欲しいのかもしれない。でも不妊治療までは今のところする気はない。検査とかをするのが怖くもある。「自然の流れに任せてみる」という、都合のいい言い訳かもしれない選択。

          子どもを持つことに不安や揺らぎを覚えつつ、月のものが来るといくらか落胆してしまう。心の底では、結構子どもが欲しいのかもしれない。でも不妊治療までは今のところする気はない。検査とかをするのが怖くもある。「自然の流れに任せてみる」という、都合のいい言い訳かもしれない選択。