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東海Sふりかえり

最初の2ハロンで勝負が決まったレースだった。勝ったプロミストウォリアは強い。だが、ヴァンヤールに助けられた部分もあり、この結果を鵜呑みには出来ないと感じたレースだった。

このレースを大きく左右したヴァンヤール。この馬がカラ馬になった事が全ての始まりだった。

ヴァンヤールがスタートで躓いて外に体勢が崩れる。その直後、体勢を立て直そうとしたヴァンヤールがトモを跳ね上げて、騎手を振り落としてしまった。これは乗ってる方はたまらない。躓いて前に大きくずれた重心を戻そうとした時にさらにトモを跳ね上げられた事で、さらに大きく重心が前に行ってしまう。落馬も致し方ない。

カラ馬になったヴァンヤールは最初は馬群の後ろに居たが徐々に外に行く。それに最初に気づいたのがゲンパチルシファー幸英明。

危険と判断して馬を外に誘導し、ヴァンヤールを先に行かせる。本来なら前目につけたかったゲンパチルシファーはこの時点で厳しくなった。

先行集団に目を向けると、プロミストウォリアとオーヴェルニュが押して行くが、オーヴェルニュの行きっぷりが悪くプロミストウォリアがハナを取る。その外に行きっぷりの良いハヤブサナンデクンと、押して前に来たアイアンバローズがつける。内を見るとウェルカムニュースがハヤブサの後ろにつけ、スタートから馬なりで進めたハギノアレグリアスはその後ろ。

で、これスタートしてから1ハロン過ぎたくらいの画像なんだけど、この時点でもう隊列ができてしまっている。

13.2 - 11.6 - 12.8 - 12.6 - 12.4 - 12.2 - 12.1 - 11.9 - 12.4

上の太字がスタートからコーナーにかかる部分。この後、12.8とペースが落ち着くんだけど、こうなると後続はたまらない。何故なら、ここでペースを乱しに行くと自分が辛くなるし、コーナーの内外に分かれて同じペースで走れば内の方がより前に行くのは必然。結果、向正面に入るまでに前が楽をしながら後続との差を開くことに成功した。

で、向正面に入ったところでカラ馬のヴァンヤールが外から上がって行く。これで差を詰めたい後ろの馬は動くことができなくなった。

外から上がっていったヴァンヤールは先頭に迫る勢いで上がって行き、ハヤブサナンデクン福永がその異変に気付いて外を見ているのがわかる。

さらにヴァンヤールは3コーナー直前から、徐々に内に入って行きアイアンバローズの前に入る。レース後のコメントで和田竜二が「自分のタイミングで仕掛けたいところでカラ馬が来たので…」とコメントしてるように、これはタイミングが悪かった。

ここで、アイアンバローズがカラ馬の影響を受けた事と、サンライズウルスの手応えが悪くなった事でハギノアレグリアスの外にスペースが出来る。

その空いたスペースを川田が突いていくが、結果的にこのスペースに入ったことが後の不幸を呼ぶ事になった。

直線に入った時点でアイアンバローズとヴァンヤールの間に入りしっかり進路を作れた川田。この時点では、上手くいったように見える。

だが、プロミストウォリアが外に、ヴァンヤールが内に来る事で進路が狭くなってくる。

プロミストウォリアはムルザバエフが右ムチに持ち替えて修正されるが、ヴァンヤールはどんどん内に来た事で完全に進路がなくなってしまった。

これで進路を外に切り替えることを余儀なくされたハギノアレグリアスは差を詰める事が敵わず2着となってしまった。

直線の不利が無ければハギノアレグリアスが勝っていてもおかしくなかった。不運だとしか言いようがない。

勝ったプロミストウォリアは直線で外に張った事を除けば完璧と言って良いレース。だが、カラ馬となったヴァンヤールが後続を抑えるような動きをしたことが大きな助けになった。もし、後続にもっと絡まれるような展開になっていたら結果がどうなっていたかは分からない。

ハヤブサナンデクンも完璧な競馬だったのでは?行きっぷりが抜群に良く最高の位置を取れた。それで負けたのだから、これは力負けの感がある。

プロミストウォリアは次走でフェブラリーSに出るのなら、そこが試金石。フェブラリーSはスタートからゴールまで速いペースが持続することが多いから、そこでどんな競馬をするか。

ハギノアレグリアスは不運に泣き初重賞とはならなかったが、今後もダート中距離路線で目が離せない存在。順調に行けば初重賞勝利となる日も近いだろう。

そして、後続にいた馬達はヴァンヤールの影響をかなり受けていたので、次回以降に期待したい。特にゲンパチルシファー、アイアンバローズは影響大だった。今回の結果は度外視し、次に期待したい。

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