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エフフォーリア最長追い切り診断・2021有馬記念

 前回の1週前追い切りの全頭診断は、既に400以上アクセスしていただいたそうで、調子に乗ってnote2本目を書きます。2本目は全頭診断の逆、つまり1頭診断をすることにしました。誰もやっていないことをしたい性分なのです。

 その1頭に選んだのはエフフォーリア。3歳最強馬で今後も付き合っていくことになる1頭なだけに、しっかり現状を把握する必要を感じました。前半は最終追い診断をし、後半は邪推もといロマン診断の二段弁当となっています。すべて思いつきで書いているのでめちゃくちゃ読みにくいですが、それでもよければ。

 水曜日、有馬記念出走各馬の最終追い切りが行われた。エフフォーリアは南ウッドの良馬場で時計はラスト11.4、直線向いてすぐに併走馬を突き放す走り。好走歴のある中山内回りで、一見盤石に見えるも、どうしても素直に受け止められないのはオッズ妙味を求めているからだろうか。

 動画を見て分かりやすいこととして、右手前をいっさい変えられなかったということがある。これは直線の短い中山コースではマイナス評価せざるを得ない。わざと変えなかったわけでもなく、左右の馬と並ぶまでに、鞍上は手前替えの指示をしている。

 思えば1週前追い切りも、工事中の壁で良く見えないのだが、壁の左側から出てくるときにはまだ右手前なのだ。壁の向こう側で、最終追いと同じような光景があったことは想像に難くない。

 しかしこんなことは、直近の動画を見れば誰にだってわかる。新聞しか見ていないオッサンだって、天皇賞より終いが遅いからという理由で、クロノジェネシスのほうをたんまり買っているかもしれない。結論から言おう、私はこの馬の1着は難しいと考えている。結論はそうなのだが、それでも私はもう少し、まだ3歳のこの馬と、上手に付き合っていきたいのだ。

 さて、この最終追い切り動画の興味深いところ、つまり今日の話の肝となる部分はこの後なのだ。手前替えの指示を全く聞かず、最後にした軽い指示で、右手前のままギアを全開にするのだ。小出しではなくそれも全開に。鞍上も遅れて追う仕草を見せる。完璧な調教とは程遠いだろう。

 念のため過去の追い切りと縦の比較をしよう。同じ中山コースの皐月賞の追い切りでは手前替えをできていたし、ダービーの時も完全に指示に従っていた。天皇賞秋の調教も、あくまで騎手の支配下にあったのだ。鞍上の若武者の動きを見れば、今回がいかに制御下に置けていなかったかわかる。

 調教見解はここまでなのだが、この10秒にも満たない動画の中で、私は以前動画で見た、ある別の、過去の馬の走りを鮮明に思い浮かべていた。奇しくも同じ勝負服のその馬のことを、当時のことを知らないからこそフラットに書くことにした。noteを趣味で書き始めて、いろいろな書き方を試しているが、こんな面倒なものを書くのは今回で最後にする。

 ここからは完全に、ロマンやこじつけの部類に突入する。馬券とは関係ない、別の馬はあくまで別の馬なのだ。ここまで読んでくれてありがとう、そして時間のある物好きは最後まで付き合ってほしい。

 その馬の名はエピファネイア。

 通算14戦6勝。主な勝ち鞍は2013菊花賞や2014ジャパンC。三冠牝馬デアリングタクトやまさにこのエフフォーリアを世に送り出し、今もっとも盛り上がっている種牡馬であるこの名馬を、悪く書くつもりはいっさい無い。内訳は6-2-1-5、勝ち切ることもあればあっさり負けたりと、いかにも愛されそうな馬だなと感じ、全14レースを見ることにした。

 そもそもこの馬を知るきっかけになったのは、過去の有馬記念を見返していたときだった。2014年の同レース、2番人気に推されたエピファネイアは、不利な外枠発走も得意の先行策で、道中完璧に折り合う。直線早め先頭に立つも、これくらいなら馬券内は間違いないと思った。しかし結果は知っての通り、ジェンティルドンナの機動力の前に5着に沈むこととなる。敗因はなんだろう。距離不足?右回り?折り合い?しかし戦績からそのいずれでもないのは明らかだ。

 敗因を探るべく、過去のレースを見ることにした。最も目を引いたのは4歳のジャパンC圧勝だ。直線を向いてギアを上げると、そのまま先頭で右手前一本で走りきってしまう。じつは鞍上のスミヨン騎手は、直線入り口では追い出すつもりはなかったそうだが、エピファネイアの手応えを感じてそのまま行かせたそうだ。1年前、2着のダービーも、ずっと右手前で走ろうとしていた。そしてこの走りこそ、前走天皇賞秋を、右手前一本で強力な古馬を一蹴したエフフォーリアの姿と、よく重なってくるのだ。

 有馬記念で父の再現をしたら……と考えると、敗因分析を続けざるを得ない。14レースをすべて見ると、この馬の特徴が見えてきた。同世代のキズナとの対戦が多く比較がしやすいが、この馬はエンジンを一瞬しか吹かせることができなかったのだろう。しかも反応が良すぎる。エフフォーリアも中山を走れそうに見えるが、もし父と同じことになれば、外から手応えの良い捲りにあえばどうなってしまうのだろうか。

 エフフォーリアのことを考えよう。この馬も高い先行力からの鋭い脚を武器にしているが、使える脚が長いタイプとは思えない。また父同様、気性の怪しいところを残している。もちろん競走馬としてあるべき気性の荒さなのだが、手前替えができないとなるとどうだろう。直線長ければ何とかなるかもしれないが、距離延長で騎手の制御下に置けていないとなると、やはり買いたくないのだ。強いと言われる同世代を倒した皐月賞も、上位馬は楽に競馬ができた内を回ってきただけで、古馬との対戦が済んでいない馬が多い。エフフォーリアは抜けて強かったが、他馬も強いかは判断しかねる。

 さて行き帰りの時間を費やしてこんなものを書いてしまうと、ハズれた時どんな顔をすればいいのだろう、という不安などなく、既に達成感に支配されている。いや後半は飽きてきてかなり雑だったとも思う。でも読んでくれてありがとう。もう悔いはない、誰よりも予想したので、それを上回る激走を見せてきてほしい。

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