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2022皐月賞考察③

お読みいただいてありがとうございます🙇‍♂️
前回からの続きです。

ドウデュース 武豊 6枠12番

 ダノンベルーガと同様皐月賞の印象が良くないハーツクライ産駒。母系はシアトルスルー、ゴーンウェストが入ったいかにもパワー系。父米国系は共通しているが少し毛色の違った配合と言える。また母父Vindicationはエクリプス賞最優秀2歳牡馬を受賞しており、早熟性は強そう。同馬主・同騎手のマイラプソティの二の舞とならなければ良いが…

 武豊悲願の朝日杯馬。一瞬の足はそこまでないが、長く良い脚を使う。新馬戦、アイビーSのラスト3ハロンの伸びは圧巻。朝日杯ではマイルの早い流れの中、中団外目で折り合い、外伸び馬場とはいえしっかり脚を使ってセリフォスを差し切った。どのレースも着差はなく派手ではないが間違いなく強い勝ち方をしている。ここまでずっと軽視していたので反省した。弥生賞では良いスタートを決めて中団前めで折り合う。前走マイルG1で流れに乗った馬があの位置で前に馬を置かずに折り合ったのがレースセンスの高さを物語っている。武豊もそこをベタ褒め。2着に敗れたが、スタートからの道中にしても、ロジハービンが上がっていったラスト4ハロンの激流の中本来ならもう一列前に行けたところを我慢した結果だと思う。ラストの伸びは物足りなかったが、+8kgのトライアル仕上げと考えれば気にならない。荒れ馬場も苦にしなさそう。枠は割と絶好だと思っている。内も外も見ながら競馬できる。馬体重もかなり絞って出てきていて、きっちり勝ちに来ている。でも二桁マイナスはやりすぎでは?ダービー大丈夫なんですかね…

 荒れ馬場は大丈夫だろうが、渋った馬場はどうか。このタイプのハーツ産駒はのめると厳しいイメージがある。加えて弥生賞の敗戦をマイナスに見ることもできる。本来得意としているロンスパで負けたという見方もできるあと仮に位置取りが後ろになった場合は末脚勝負で負けそう。先行できる点は強みだが、逆に言えば他の有力馬の目標にされる可能性もある。キラーアビリティも同じような位置取りだと思うが、その2頭を他のジョッキーがどのように見ているかで結果が変わってきそう。桜花賞のように番手につけた豊を馬群の中で我慢していた川田が差し切るパターンの再現がちょっとありそう。

 個人的にはかなり高評価。総合力の高い馬だと思うので、乾いた荒れ馬場である程度ペースが流れれば一番強いと思う。世間では血統や朝日杯の走りから距離不安が囁かれているが、この馬の賢さなら全く問題にならないと思う。2400までは余裕だろう。そもそも3歳戦はよっぽどのことがない限り強い馬は距離を気にしなくて良いと思っているので。ちなみに凱旋門賞に登録したらしい。

トーセンヴァンノ 木幡巧也 2枠3番

 ヴァンキッシュラン産駒とかいう謎。競馬歴浅い人間は存在も知らん。母系はファピアノ系が入っていて割と走りそう。母父ファンタスティックライトはなかなかエロい。ただ流石にヴァンキッシュラン産駒がGIで好走するイメージは湧かない。

 札幌2歳Sで重賞好走経験がある。

 しかしながらこのレースは完全に展開が向いただけ。レースレベルが高い、あるいは早い流れだった東スポ杯やジュニアC、スプリングSではきっちり負けている。しかも距離延長を図ってからは道中後ろにつけるレースが増えていて、前目につけられることが重要な皐月賞では何よりも痛い。おそらく元々短距離を走っていたことを考えると、後ろで折り合いをつけないと距離がもたないのだろう。助手コメントで、「経験豊富で枠は問わない。参加できて幸せ。元気に競馬してほしい」ってあって正直笑った。孫を見る祖父の見方。陣営も勝負になるとは思っていないのだろう。

今回の癒し枠。かわいい。あ、もちろん消し。

ビーアストニッシド 和田竜二 7枠13番

 父アメリカンペイトリオットに母父ネオユニヴァースというのだけ見るといかにもワンパンチ足りないが、それで舐められている感はある。アメリカンペイトリオットの4代母がシンボリクリスエスの祖母で血統の面白さを感じる。

 先手を取ったレースでは、どの競馬場でも多少渋った馬場でも安定した成績を収めている。スタートが極端に早い訳ではないが、二の足がしっかり使える。前走中山のトライアルを勝ってきたのは評価しなくてはならない。秋デビューから6戦しているが、使い詰めても馬体が減らない体質の強さは魅力的。脚質、血統的に中山の渋った馬場は合いそう。おそらくここが目標なので、かなり仕上げてはくるはず。

 ただ安定した成績を収めてはいるものの、勝ち切れないレースが多く、血統通りワンパンチ足りない感はある。時計はどれも平凡の域であり、特に前半スローになるレースが多く逃げ馬には向いた展開だった。また使い詰めていて今年3戦目は流石にマイナス材料。加えて岩田父から和田竜二に乗り替わりとなった。この馬はかなり気性が悪く、乗り難しい馬。調教でも和田を背中にその兆候を見せていた。コメントで控える形でもいいとあったが、シンザン記念で控えた際にかなり行きたがっていたので抑えが効くか疑問。無理にハナに行って消耗してしまうことも十分想定される。デシエルトと、岩田のお手馬はなんでこんな馬ばっかりなのか…馬は主戦騎手に似る。

 難しい。元々買おうと思っていたが、調べていくとどんどん微妙に写ってくる。当日の気配次第?

ボーンディスウェイ 石橋脩 4枠7番

 三度目のハーツクライ産駒。母父はジャパンCでも好走したドイツ馬のプラティニ。しぶとい血統で、馬場が渋れば面白そう。

 ものすごくスタートがいい馬。楽に先行できて馬格もあるのでタイプとしてはすごく合う。馬体重は474→494kgとデビューからぐんぐん増やした。2戦目の未勝利戦で前傾ラップを経験しているのも評価できる。前走弥生賞では先行して上がり2位の足を使った。それまでは上がりが使えていなかったので、この間にしっかり成長してきたと見られて好感が持てる。調教が好調でしっかり仕上がっている。

 一方で時計的な裏づけがないことは不安。ホープフルSも順当に力負けしているように見えるし、弥生賞の1、2着馬を逆転できそうな気もしない。そしてハーツ産駒で、引くほど皐月賞の相性が悪い。

 正直わからない。単勝人気はないが、ワイドとか三連複の紐ではかなり人気しているみたいで、判断に困る。

マテンロウレオ 横山典弘  8枠17番

 四度目のハーツ産駒。

 差し馬ではあるが、馬群に入れて競馬をした経験がある点は素晴らしい。スタートが悪いタイプでもない。いい足を持っており、確実に上がりが使える点が魅力。

 この馬は皐月賞で好走できない典型的なタイプのハーツ産駒だと思っている。ある程度ゆったりとしたペースから最後直線で差し切るタイプで、いかにも舞台が合わない。典は中山上手な部類だと思うが、同じ中山得意のデムーロみたいにまくる競馬はせず、あくまで直線勝負をしにきそう。これでは分が悪い。しかも前走弥生賞はあまりに負けすぎ。陣営も中山の経験を積まないといけないと思ったのだろうが、ここ適正を露呈してしまった感はある。

 基本隊列の1/2より前にいないと皐月賞は勝負にならないので、この馬は消し。新潟記念とかで買う馬だろう。

ラーグルフ 丸田恭介 7枠15番

 モーリス産駒。意外にここまで1頭も出ていない。サンデーが血統表の中で結構遠い位置に入っていて、母父ファルブラヴや母母父シンボリクリスエス、モーリスのお母さんのメジロ血統など重たい印象が強い。切れる足を使うのではなく、しぶといタイプなのは血統表を見ただけで想像つく。

 ホープフルSでは光って見えた馬で、ワイドで美味しい思いをさせてもらった。8番人気3着は立派。渋るとわからないが、荒れた馬場はそこまで気にしないだろう。中山2000mも合う。一瞬の足はそこまでだが、中団につけてからのロンスパに強い馬であり、ある程度ペースが流れた方が力を発揮できるだろう。鞍上の丸田もうまく乗っている。高松宮記念に続いて同厩舎でG1制覇となるのかどうか・流石に厳しい気はするが。

 前走の負けは少しいただけない。シンガリは流石に…ロジハービンのまくりにペースを乱された感はあったが、流石にそれだけでは言い訳できない。馬体重がかなり減っていたので調整ミスか。ここで増えてきても、“やばかったから戻しました”感が強いし、これ以上減っても前走を見る限り買いにくい。なかなか厳しいように見える。

 消し。やはり買い時はホープフルSだった。本来なら狙いたい馬だが、この過程では評価できない。セントライト記念とかではまた買うかも。

概観

 ある程度ハイペースも経験があって、馬格があってパワフル、1/2より前で運べる馬を狙っていきたい。ただしある程度の上りが使えることは必須。逃げ馬が数頭いるが、個人的にはビーアストニッシドが先手と見ている。あるいはボーンディスウェイかグランドラインが逃げて、道中でビーアストニッシドかデシエルトが絡みにいくパターン。内がかなり悪そうなので、最内で包まれると厳しい。ただ直線は内から数頭分さえ避ければ十分伸びてこられる馬場だと思うので、外枠有利とまではいかないだろう。ある程度ペースは流れて、荒れた馬場で消耗戦になると考える。真ん中の枠からある程度今回は上位混戦の状態なので、変に穴を探してくるより上位の馬をしっかり見極めることが重要だろう。

◎ジオグリフ

◯ドウデュース

▲アスクビクターモア

△ダノンベルーガ

×ジャスティンパレス(稍重よりいい馬場)

×キラーアビリティ

×デシエルト(稍重より渋った馬場)

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