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2022皐月賞考察②

お読みいただいて有難うございます🙇‍♂️

前回の続きです。

ジオグリフ 福永祐一 7枠14番

 ドレフォンの初年度産駒。ドレフォンは結局どこが合うのかわからないが、見ている限り母系に芝を走る要素があればそれなりに芝でもやれる馬を出すのだろう。母のアロマティコは父キンカメよりも母父サンデーが強く出た馬なので、そこがジオグリフに切れ味を与えていると見ることが出来る。ミスプロのクロスがあるのも良かったのかもしれない。までも一回ぐらいダートで見てみたい。そんなにスタートが早い訳でないことと、馬群でじっとする競馬を経験していないことを考えれば外めのこの枠は良いのではないか。

 文句なしで強い馬。新馬戦ではスローペースから伸びきって完勝。前走共同通信杯でも長くいい脚を使って2着。この馬も崩れるイメージがあまり湧かない。唯一馬券内を逃した朝日杯は度外視でいい。明らかに適性より距離が短く、追走に苦労していた。むしろそこからしっかり直線で伸びて5着にきたことは褒めるべき。ドレフォン産駒であり、札幌で完勝していることから荒れ馬場や渋った馬場もそんなに気にならない。ステップとして優秀な共同通信杯を使っていることも好感を持てる。馬格もあり、当日は微減くらいで出られそうでいい。

 不安な点としては喉なりか。前走は素ぶりを見せなかったが、1ハロン伸びるここではどうか。また一瞬の足では他の人気馬に劣るので、勝ち切るには厳しいかというのもある。あと主戦のルメールがこっちではなくイクイノックスを選んだのも気になる。まあルメールその辺ちょくちょく間違えるし将来性込みの判断なのかもしれない。

 個人的にはぜひ買いたい1頭。3連系の軸候補になりうる1頭だと思う。特に馬場が渋れば◎

ジャスティンパレス M.デムーロ 5枠10番

 ディープ産駒かつ母父父に代表産駒ヒシアマゾンがいるシアトリカルと末脚がいかにも凄そうな血統。兄弟に長距離重賞で好走しているアイアンバローズがいるが、かなりタイプが違う。

 ホープフルSからの直行組。それまで2戦がスローからの差し切り勝ちだったのでレースレベルが上がるG1ではきついと思ったが2着に来て正直びっくりした。比較的レースレベルが高く同舞台のここで好走した以上軽視は絶対にできない。前目に付けて鋭い差し足で伸びてくる様子は2019年3着のダノンキングリーのよう。十分に馬券内もある。鞍上はミルコにスイッチしたが、中山ではトップクラスのジョッキーだと思うのでむしろプラス。枠はこの馬にとっては良いと言える。馬体重を見ると仕上げきってはいない印象だが、ダービーを見据えると無難な出来だろう。状態は悪くない。

 マイナスポイントは渋った馬場の対応と馬体重。飛びが大きい典型的なディープっ子なので良馬場でこそ。かつ皐月賞は馬格がないと好走率が下がる。440kgほどのこの馬には厳しいデータ。しかしながら似ていると挙げたダノンキングリーは450kgで好走している。神経質になりすぎる必要はないのかもしれない。加えて最終追い切りがかなり緩かった。馬体的には整っていても、4ヶ月ぶりのレースになるここでは精神面で万全とは言えない。

 コンディション次第だが良馬場なら抑える必要がある。とはいえ狙うべきはダービー。ここは薄めで大丈夫。

ジャスティンロック 戸崎圭太 3枠6番

 正直リオンディーズ産駒とか全然わからん。サンデーの4×3が効いているのかもしれない。同じくリオンディーズ産駒で重賞を勝っているリプレーザ(地方交流重賞)やテーオーロイヤルもサンデーの4×3なのであながち外れてはないのかも。まあキンカメ子種牡馬にサンデー牝馬以外何付けんねんっていう話やから母数が多いだけ説はある。

 馬格があって荒れ馬場は対応できそう。京都2歳Sでは超スローペースのなかで見事に差し切った。前走である程度レベルが上がってもやれる目処がついたのはよかった。前走トライアル仕上げで上積みがあり、本番のここではしっかり絞ってきたことは好感が持てる。 

 とはいえ“ある程度”。小頭数の経験しかないし、切れる足があるわけでもない。前走だって4着。重賞2戦とも最後伸びきれてないので2000mのG1でやれるかは微妙。じゃマイルのG1でやれるかと言われたらそういう訳でもないけど。弥生賞はステップとして微妙かつ乗り替わりもマイナス。

消し。

ダノンベルーガ 川田将雅 1枠1番

 ハーツクライ産駒。皐月賞はハーツ産駒が全然来ないのでちょっと不安。ただ抜群に切れる感じとか普通のハーツとは少し違うから大丈夫な気はする。母系は完全なスピード系の米国ダート血統。まさに今流行りといった感じ。本来はディープ用に連れてきた感が強い。

 難しい一頭。前走共同通信杯の走りは圧巻。外を回して稍重の中とんでもない足で突っ込んできた。潜在能力はナンバーワン。調教は抜群で、正直なコメントをする川田が絶賛、レース選択に慎重な堀厩舎が使う決断をしているので勝負になると踏んでいそう。馬格もあってパワフル。崩れやすいタイプの繊細な追い込み馬とは一線を画す。厩舎の先輩ドゥラメンテみたいにあっさり勝っても驚かない。馬体重を見ても調教師コメントを見てもしっかり仕上がっていていい意味でびっくりする。

 幼駒時の右トモの負傷の影響で大事に使われてきた馬。ここが3戦目と経験が少なく、右トモをケアして左回りの東京でしか使われてこず、右回りも初めて。未知数の要素が大きい。加えて能力でこなすかもしれないが本質的に大箱向き。中山では純粋に差し届かない可能性もある。しかも最内枠…経験の少ないこの馬にとっては間違いなくマイナスだろう。川田が大外ぶん回しをするイメージはあまり湧かないし、中で折り合って頑張ってくれそうな気はするが、馬が対応できるのか…うーん…

 桜花賞の教訓“川田はやっぱ軽視したらあかん”。元々切るつもりだったが軽視しない。向いていないのは確かだが、川田も堀も絶賛しているので多分大丈夫。もし石橋脩やったら切ってた。


ダンテスヴュー 吉田隼人 4枠8番

 おなじみクロウキャニオンの子供。他の兄弟と同じくフレンチデピュティのパワー感を引き継いだ血統。ヨーホーレイクなどと比べると、父がディープからキンカメに変わった影響でよりその傾向が強まり、キレが減った印象。

 パワーがありそうな印象で、長く足は使える。いずれどこかで重賞を勝ちそうなポテンシャルはある。稍重での好走実績があり、台風で馬場が渋りそうな本番のピッチコンディションも苦にしないのではないか。一つ上のヨーホーレイクの昨年皐月賞5着と好走している。

 現状少し力不足感は否めない。時計の早かった東スポ杯では追走に苦労していて、高いレベルではまだ勝負にならない気がする。鞍上も前走の川田から吉田隼人の弱体化。吉田隼人は継続騎乗させてこその騎手だと思うので評価を落とす必要がある。またジャスティンパレスの時も言ったが、馬格がないと好走率が下がる。前走452kgで今回は…?でも逆に増えても仕上げてない感があって買いづらい。「しまいだけ伸ばすような感じ。反応も良かったと思います。未勝利を勝ち上がったときからバランスが崩れていたが、前走は本来のフォームになってきた。前走は惜しい内容で、この馬の力を見せてくれたと思う。いい競馬をして次のG1につなげたい」→調教師コメントからしてここは無理目かな?

 時計がかかる馬場ならあるいは…と言う感じ。現状は消し。

デシエルト 岩田康誠 8枠16番

 ジオグリフと同じくドレフォン産駒のパワー血統。母父キングカメハメハ、母母父サンデーサイレンスというところまで一緒。ドゥラメンテの近親で、牝系はいうまでもなく名門のダイナカール、エアグルーヴにつながる名牝系。もちろん芝適性も高いだろう。

 謎馬。新馬から2戦続けてダートを使われて圧勝。特に2戦目では同じく新馬を圧勝して注目されていたジュタロウを下している。若葉ステークスでは稍重ながら良いタイムで走破しており、ラスト4ハロン自分から動いて後ろの馬の脚を完全に奪った。このレースの岩田の入れ込み様を見てもかなり期待しているのがわかる。ハナ、番手を奪って折り合えばあっさりもあり得る。ただ岩田が控えてもいい的なことを言っているのが気になる。馬格もあってダートで圧勝していたようにパワフルな馬で、中山はめちゃめちゃ合いそう。馬場が渋ればなおよし。1週前追い切りも(動きとタイムは)良いらしい。

 皐月賞は逃げた馬が3着以内に残ることが少ないレース。このデータを見ると少し不安。またかなり気性の悪い馬で、調教ですら折り合えてない。大丈夫か?1番不安なのはテンが早い馬ではないのでレースレベルの上がるここで素直に前に行けるのかどうか。包まれたら流石にきつい。ビーアストニッシドとかと潰し合いになるかも。あと岩田は入れ込んでも全然結果でない馬(ホウオウプレミアとか)もいるからそこは気にしなくて良いかも。若葉S組(前走阪神組)もそんなに成績良くない。それプラス安田隆行厩舎なのもクラシックでは…言うまでもなく短距離の名門厩舎として有名だが、多くの重賞勝ちとは裏腹に2000m以上の重賞は確か2勝しかしてない。(2020ホープフルS、2022中山金杯)昨年も皐月賞で1番人気ダノンザキッドが大敗している。不安。枠はピンク帽…かなり逆風。

 個人的にこういう馬好きやから抑えたい気はする。でも噛み合わなければ2桁着順でもおかしくないし、今の荒削りさではその確率の方が高い。

もう1回続きます!!!

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