ブエナベントゥーラは、なぜ負けたのか?

1.POGでも人気だったブエナベントゥーラ

ブエナビスタの子供、ブエナベントゥーラが先週土曜日の新馬戦に出走して2着。
JRA-VANのPOGでの指名者も約1万4000人と人気だったので、応援していた人も多かったのではないだろうか。

正直、私は指名しなかったし、ある程度こうなるだろうとは思っていた。

では、なぜそう思ったのか。

幾つか理由はあるが、一つは調教であまり調子が良さそうではなかったからである。

2.調教での懸念

JRAのレーシングビュアーに入会していると、二歳馬の調教が映像で確認できる。

競馬新聞で調教欄を見ただけだと、『先週速い時計を出しているし、当週は折り合い重視で問題はない』という見方もできるだろう。

また、『古馬OPクラスのサトノティターンと併せているから、この馬も相当能力のある馬のはず』という見方もできたはずだ。

そして、確かに初戦から2着には来ていることから、能力はあるのだろう。

では、なぜ私が映像を見て、初戦はヤバいかもと判断したのかというと、発汗とタイム、そして血統である。

3.気になった発汗

確かにブエナベントゥーラは、サトノティターンと併せていた。
併せてはいたが、そのタイムは速いものではなく、楽々走れるようなものだったことが一つ。

そして、もう一つの理由の発汗。
かなり汗をかいていて、「これはもしかしたら、気性的にヤバいところがあるのかもしれない」と思った。

4.血統面での不安

血統的にもモーリスには気性難だったモガミの血が入っているので、血統が好きな筆者としては、「もしかしたら、産駒にそういうところが伝わるかもしれない」という懸念があった。
当週の調教タイムが遅いのも、「ガーッと行ってしまう癖を付けないように、敢えて抑えているのでは?」という気がした。

加えて、モーリスはロベルト系の種牡馬である。
ロベルト系というのは全体の傾向として【叩き良化型】で、あのナリタブライアンも、モーリスの父スクリーンヒーローも、新馬戦では負けている。面白いのはロベルト系は母父としてもその叩き良化型の傾向を発揮していて、ディーマジェスティ、ヤマカツエース、モンドインテロ、クリンチャー、少し古いがティコティコタック、ブルーコンコルドも新馬戦では負けている。

「能力があったとしても、恐る恐る調教をしているような状態で、いきなり叩き良化型の本馬が新馬戦を勝てるのだろうか?」
「勝ったとしても、気性的に難しい所がある状態で、果たして大成できるのだろうか?」

そういう懸念があった。
で、実際には2着。

これらのことからわかることは、
「やはり初戦は危なかった」ということと
「能力が必ずしも低いわけではない」ということである。

5.今後のブエナベントゥーラ

気性的な問題が無ければ、今後能力を発揮する場面は必ず出てくるだろう。
「切れ味が無い」と評価する人もいたが、実際には上がり最速で33.7秒の脚を使っているので、そこまで悲観するような内容でもないと思う。
33秒台の脚を使っているのはこの馬以外に、勝ったウインアグライアの2頭だけで、つまりこのレースに関しては、この2頭が強かったのである。

6.デビュー前の調教を確認する重要性

それから、デビュー前の調教欄と調教映像の確認は、やはり大事で。特に調教映像には、調教欄のみからではわからない情報も映っているので、機会があれば見てみることをお勧めする。

去年のサリオスも大型馬で初戦からいきなり大丈夫かという雰囲気を漂わせていたが、実際には調教で良いタイムを出していたし、レース当週にも古馬準OPクラス(現3勝クラス)のヘリファルテと併せて良い調教が詰めていたことを追記しておく。

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