突然お腹が痛くなった話③

また離れた場所にある(大病院だからね)婦人科の処置室まで戻った。

娘がそろそろ学校から戻る時間。今日は私が休みなので家の鍵を持って出ていない。車があるのに鍵が開かない事にブチ切れるに違いないと、びびった我々は1度家に戻って娘を連れて来ようと言うことになった。何やら説明があるといけないから、どうするか決まるまでは息子はやはり病院にいて欲しいとの事だったので、往復タクシーで急いでもらった。

そして私は、すぐさま点滴を受ける。痛みに顔を歪め、ビニール袋を握りしめて。痛がりすぎて全身が疲れていた。横向きになってうとうとした。多分即効で効いたのであろう。気づいたら、そばで作業する看護師さんと軽快にお喋りしてた。

そこでようやく、散々聞かれた話の正解を打ち明けたのだと思う。点滴が終わりそうな時、「MRI中止」という声が聞こえてきた。そして、先程問診した婦人科の先生が入ってきた。MRIは中止すると。何故ならそんなに痛いのは、この卵巣に違いないからだと。6cmに腫れている。そしてそれが多分捻れているから痛むのだと。5cmからは完全に切るしかない。薬等の治療法は無い。そして卵巣はもう1つある。ついでにそっちも取っちゃおう。何故なら、1こ腫れた人はもうひとつも腫れる要因があるからだ。そして筋腫。これもいい具合に育ってる。しかしながら、ホルモンが出なきゃ育たない。そのホルモンを出すのは卵巣という訳だ。もうこれは取った方がいい。ただホルモンが出ないとどうなるかと言うと、生理が無くなる。となると、更年期障害がやってくる。しかし、日本人の平均閉経年齢は52歳。まぁ、もうそろそろだし、どの道更年期障害はやってくる。なら、取った方がいいんじゃないかなーって。イケメンだった。よく見たら先生イケメンだった。そして私のお喋りに付き合ってくれた看護師さんも美人だった。この2人が付き合ってればいいと余計なことまで思った。お腹の痛みが消えて余裕である。

そして、「トントン」息子と娘が入ってきた。普通に先生と話してる私にびっくりしている。子供達も一緒に説明を聞く。

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赤印から穴を開けて卵巣を取るらしい。シルバーのビキニで「絶対焼かない」のことばと共にポスターになる予定も無いので、なんとでもしてと言う気持ち。

次に麻酔科の先生が来て、どの麻酔にするかわからないけどって事で一通り説明してくれた。その中に背中に注射するやつがあって、それだけは止めてと願った。私が人生で1番痛かった事、それが帝王切開の時、麻酔を打つためにする注射……新たな恐怖。

手術の前に会社へ電話。奇跡的に余裕がある時期に入っており、そんなに迷惑かけずに済みそう。でも退院したらすぐ出たい。社畜だから。行きたくないと思っても、行けなくなると行きたいもの。いや、そうでも無いか?

そんな事を考えながら、たくさんの書類にサインをしていく。息子には、じいちゃん(私の父)に電話して説明してもらう。それが16:40頃。手術は1.5h〜2.0hの予定。結構長い。その間、息子は手術室の前、娘はそこには入れない。帰ったら?と言うが待つと。まぁそうだよね。

じゃ、行きますかとあっさり車椅子で連れて行かれた。じゃあね、ばいばいと手を振って。


④へ続く。

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