私の人生の忘備録〜子育て編①〜


第1章新生児

エクソシストに襲われながら生まれてきた息子、初めて見る人間の猿はとても小さく、抱っこの手緩めたら確実に命を失うのが容易にわかった。

2980gと特売みたいな体重で生まれてきたのだが、翌日、翌々日と体重は落ちて行く。

どうやら上手におっぱいを飲めていない。

授乳の前後に体重を図るが時間をかけて乳首を加えさせているのに飲まない。てか、出てないのでは?という事で、まず飲ませ方を1からレクチャーを受ける。ラグビーボールを抱えるように……抱えた事無いからわかんね。今でこそラグビー有名だけど、ラグビーボールの抱え方なんて 見た事もないよ。縦に抱っこしたり、横にしたり、いろんな角度からおっぱいを加えさせる。頭をがっちり抑えて、乳首を押し付ける。結構乱暴。窒息しないのか心配になる位。でも赤ちゃんの鼻はぶっ潰れていて大丈夫なように出来てる。

しかし、お互いに初めての私達は飲ませる方も飲む方も上手く出来ない。

私の乳は確かに出ている。妊娠後期には、お風呂であたたまったら、ピューと壊れたシャワーみたいに噴射始めることだってあったんだから。

なぜ飲まない、不味いのか?などと思ったが、それは困る。私は朝夜の区別なくおっぱいを与える事になっていた。


さて、子供の方ばかり記したが、産後の母も色々ある。

翌朝の検温。まぁ平熱。問題なし。

何か変わった事ありませんか?

      うーん、全身筋肉痛……

次、トイレ行きましたか?

      ん、あれ?行ってないわ。       

行ってください。1人で行けますか?   

      あ、行けます。

トイレ到着。個室入場。戦闘態勢準備OK。 

ん?んんん?は?え?あれ?

おしっこってどうやって出すんだっけ?

力の入れどころ?全然わからない。へ!どうやって出すんだ????

出産って怖い。下の機能が馬鹿になってる!!

どこにも力を入れないように注意しながら、暫く座って機能正常化を促したのであった。

そりゃそうだよ、あんなデカいモノ(赤子)に押しつぶされていた膀胱は、突然解放され伸び伸びしたんだもん、尿意なんて感じるか馬鹿野郎みたいな事だと思う。

そして体重。出した分だけ減っているような簡単な事ではい。色々含め5kgは出ているはずである。

出したよね?ね?ね?出したの見たよね?

ところが、4kgくらいしか減ってない。物凄い不思議である。多分これはイリュージョン。今ならメイガスの仕業だと気づいただろうに…


生まれたてのベイベーは、名前が無いので「うまりべそBaby♂」と書かれたタグを足に付けられ、片目だけ薄め開けてんのか?みたいな顔してごにょごにょ動いている。

ベイベーは、だいたい3種類に分類される。

「朝青龍」「マスターヨーダ」「美人」である。

そして何故か、パパママでは無く、じいちゃんばあちゃんに似る傾向がある。我がベイベーは朝青龍属じいちゃん似である。なんでだろ?今は全然似てなくて安心する…


さて、そんな朝青龍属じいちゃん似の息子、おっぱいを飲むのが難しいのか、ちょっと飲んでは寝て、ちょっと飲んでは寝て……の繰り返し。まとめて眠ることも下手で、1日中ふにゃふにゃ泣いている。

私も放っておくほど肝も座ってないし、新しいおもちゃを貰った状態だったし、何より他にすることが無かった為、ずっと抱いていた。暇って怖い。

私の入院した病院は、普通分娩の初産婦は6日で退院であった。退院出来るか否かの判定を私はスルーしたが、息子は黄疸の為パス出来なかった。1日余分に入院する事となった。

わてら立派な黄色人種を誇っていたので、息子の白目が黄色いなんぞ気づきもしなかった。そもそも大して開いてないし。

目をガーゼで覆われて、謎の水耕栽培の様な、地球外生命扱いされたような箱に入る、それが治療である。詳しくはわからんが。

※イメージ図


この治療で入院が1日延びたが、息子は病気入院となり(出産は病気じゃないからね)健康保険が適用された。多分一日で済んだし、よく有る事だと聞いたので特に心配もなかった。


マタニティライフで想像していたような、同部屋の方と友達になることも無く、(赤ちゃんが泣いてる時は話しかけられないし、そうでない時は寝てるだろうし、何よりひっきりなしに助産師さんやら実習生がやって来ていた)、「退院します。失礼します。」みたいな感じでスっと退院してきた。


さあ、ここからが本当に新米ママ業の始まりである。

期待にまだデカい胸踊らせ帰宅したのだ!!



第1章終わり








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