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競馬研究⑤「調教師の思想は連闘に出る」

調教師の存在意義

今回のテーマは調教師です。

調教師とは、厩舎を運営し競走馬を管理する人のことです。厩舎を会社とすれば、調教師はその社長ということになります。

かつては、馬の健康管理・調教やレースの選定などの全てを調教師が担っていました。しかし、外厩制度が充実した現在では、そのような仕事の多くを牧場サイドが行うことも少なくありません。
実際に、レースに出る直前まで外厩で調整し、レース後はすぐに外厩に戻るという手法を採る陣営はたくさんいます。

その中で、調教師の意向が反映されるのはどのような場面でしょうか。

それは、調教師が連闘策を使うときです。

連闘について考える

連闘とは、間隔を開けずに二週続けてレースに出走させることですが、これには外厩が入る余地がありません。とにかく時間がないので、調教師はレース直後または厩舎に戻ってすぐに連闘することを決めます。

一番近くで馬を見ている調教師だからこそ、来週も使えるという判断ができるのでしょう。オーナーサイドの了承を得るとは思いますが、連闘策は基本的に調教師の意志で行われると考えられます。

次の表は、調教師別の連闘時の成績(過去三年間)の一部です。

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注目すべきはその出走回数で、調教師によって回数が全く異なることが分かります。
競馬界には、連闘を好む調教師と好まない調教師が居るということですね。
有力馬を多く抱える調教師は、連闘の回数が減る傾向にあります(オープンクラスや重賞で連闘はしにくいため)。

連闘は競走馬にとって負担になりますし、厩舎において効果的な調整をする時間はないです。
ゆえに、連闘が常に良いことであるとは限りません。
逆に言えば、厩舎には連闘を避けるのに十分な理由があると言えます。

よって、連闘策には調教師の思想が表れていると考えてよいでしょう。

連闘で買うべき調教師7選

では、連闘策が得意な調教師は誰でしょうか。過去三年間における連闘時の成績トップ20がこちらです。

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ここで重要なのは、回数が多いこと&成績が安定していることです。
このどちらかを満たさない場合、データとして再現性の乏しいものになってしまいます。

以下に示すのが、連闘時の成績が安定的に高値になる調教師7名です。矢作厩舎はダントツの回数でかつ複勝回収率が133という驚くべき結果になりました。矢作調教師は本当に超一流ですね。

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そして、この7名の連闘を単勝100倍未満でベタ買いした場合の年別成績がこちらです。単勝は毎年プラス、複勝もほぼ安定してプラスになります。

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まとめると、連闘時に買うべき調教師は
美浦:武藤善、伊藤圭、畠山
栗東:矢作、本田、杉山晴、奥村豊

となります。

買うべき調教師が見えたところで今回のお話は終わりです。

外厩制度の発達により、調教師の名前だけで予想するのが難しくなった今だからこそ、連闘に目を向けてみてはいかがでしょうか。


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