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NHKマイルカップ G1全頭回顧



全頭回顧(枠順)

ダノンマッキンリー


中団後ろ辺りに位置していたが3コーナー手前あたりで行きたがっており、鞍上が抑えている。そこからリズムが悪くなり位置を落としながら直線での爆発に賭けるもイマイチ伸びきれず。上りも後ろからだったにしては平凡であり、気性面や距離の問題が大きいだろう


ノーブルロジャー


スタートは少し出負け。そこから中団辺りを取りに行き、3コーナー手前では促されながらじわじわとポジションを上げる。しかしコーナーで勢いが付かず先団から離されながら直線に入ってしまう。直線でも特に失速したような脚ではないのだが、外に刺さりながら走っていることから左回りが苦手な可能性もある。右回りでの復活を期待したい


ディスペランツァ


やや出負けして後方からのスタート。早めに外に出そうと位置取りも外目に付けたが、外からの接触などで結局内寄りに閉じ込められる結果に。コーナーはスムーズで直線に向くころには良いポジションを取れていたのだが、直線で前が空いた瞬間に内に刺さってしまい抜け出すタイミングを逃した。とはいえその後もふらふらしていたので馬としても厳しい競馬で体力を削られたのだろう。現状では地力負けと捉えた方がいいだろう。更にドスローの展開などになれば決め手を発揮できるのでは


イフェイオン


好スタートから内ラチ沿い4番手辺りを確保。もともと時計を持っている馬で淀みない流れがかなり向いたのだろう。決め手だけではなくタフさも同時に求められる内容で5着と好走した。直線に入ってからはアスコリピチェーノが内に切れ込んできたことで切り替えさざるを得ない不利もくらっており、着順以上に評価しても良い。最後はやはり厳しくなりかなり垂れてしまったことから上位勢との差は大きいと言える。個人的にはマイルよりももう少し長い距離、コーナー4つの上がりの掛かる競馬で粘り強さを発揮しそうだと感じた


ボンドガール


好スタートから一旦ハナを奪う。好位からスムーズにコーナーに差しかかり、直線では良い手ごたえでキャプテンシーの内を突くもそこから完全な不利があり終わってしまう。まず最初にアスコリピチェーノとは無関係に一度キャプテンシーが寄れて内にもたれてきたところが最大の不利であり、その接触で完全に勢いが削がれたところをアスコリピチェーノの強引なタックルで止めを刺された。ぶつけられる前に早仕掛けしようにも長い直線でそれをしてしまうと終いに厳しくなるだろうことからじわじわと促しながら丁寧に騎乗したのだろう。今回はノーカンと捉えていいだろう。むしろ気性面で特に喧嘩することもなく内前の競馬を出来たことはかなり大きな収穫と言えるだろう


ロジリオン


パドックではテンションも高めだったが無難にスタートを切りしっかりと中団前目で折り合った。コーナーもスムーズで直線では抜け出すジャンタルマンタルの真後ろを確保できたことで自動的に進路が開けた。完璧に近い内容だったが、やはり1400からのローテが示す通りで終いは苦しくなってしまった。今回は比較的落ち着いた流れのレースだったので堪えたが、マイルでタフな競馬になってしまうと今回のような前寄りのポジションからではG1級のレースでは上位には食い込めないだろう。やはり少し距離が長い印象を受ける


チャンネルトンネル


五分のスタートから中団を確保。中盤もスムーズで淀みなく直線を迎える。直線ではロジリオンの真後ろ辺りに位置し、抜け出せそうな雰囲気はあったが切れ味が鈍くスタミナ面に課題を感じる内容だった。現状としては地力不足であり、やや緩めのペースからこのレベルで馬券内に入るような決め手は使えないということ。じっくりと力を付けてから好走に期待したい


エンヤラヴフェイス


いいスタートを切ってから押して中団前目の外を確保。コーナーでは邪魔されることもなく外から良い手ごたえで直線に入る。ロジリオンとほぼ同じ位置からの決め手勝負となったが、結果的には同じ辺りの位置から脚を使ったロジリオンには3馬身程離されてしまい、地力の差が明確となってしまった。完璧な競馬をしての地力負けなのでまたこれからの成長を期待。現状では特筆すべき武器が見当たらず、ある程度相手なりに走るような状況であり一着を取るイメージは中々沸かない


キャプテンシー


もともとハナを取れないと厳しい馬なのだろうことからしっかりとハナを取りに行って自分の競馬は出来た。直線に入ったあたりで既に手ごたえとしては怪しく、内を突いてきたボンドガールにもたれて相手に不利を負わせた。その後にアスコリピチェーノから思い切り不利を受けたが既にあそこから上昇する脚は残っていなかっただろう。おそらくこの馬は楽に逃げられて且つどこかで息を入れられるような状況じゃないと好走に繋がらない馬なのではないかと考える。中山で結果を出したことから中山1800辺りから出直すといいのでは。とにかく好走するまでにいくつもハードルがありそうだ


ウォーターリヒト


この馬にとっては五分のスタートといったところか。中団後ろ外目から追走し、末脚勝負の良い準備が出来ていた。直線は外に出し持てる力を出し切ったが上位進出とはならなかった。坂を上った辺りから手ごたえが悪くなり、この馬は京都での好走履歴があることからパワー不足であり京都のような平坦コースじゃないと脚が続かないのではないかと仮定したい。今回は流れ的にも緩めの流れであり、前もそこまで止まっていないため差を縮めることは出来なかった。得意条件としては京都で平均ペース以上での道悪展開待ちといったところだろう


アレンジャー


出遅れで後方から。割り切って後方からの競馬を試したが特に順位を上げられずそのまま終わってしまった。ポジションさえとることが出来ればそれなりの脚を持っていることはアーリントンカップで証明したので、とにかくスムーズに前を確保してからの展開待ちだろう。よほどレースレベルが落ちないと自ら決め手を発揮して勝ち切るということは難しいだろう


ゴンバデカーブース


中団からの競馬。外目でしっかり折り合いもついており、直線も外から邪魔されることもなくスムーズに伸びきった。現在の実力を如何なく発揮できた内容であり、これがまだ3戦目であることからも更なる成長を期待したい。ここからの成長がみられないのであれば何度挑んでもジャンタルマンタルには適わないだろう。折り合いには問題がなさそうで、終いも長くいい脚を最後まで使えていることからもう少し距離が伸びたとしても問題はないだろうと考える。前走は後ろからの直線競馬となったが、今回で中団からの持続力も要求されるレースを経験できたのは大きいだろう


シュトラウス


明らかにスタートから抑えて最後方待機。抑え通しだったので馬も一緒に疲弊したか。直線でも見所はなく、最後方からの末脚勝負を決め打ちしたにもかかわらず不利を受けた二頭以外では最下位という結果で終わってしまった。今後も特に買える要素は無く、素質があるのは間違いないだろうが一度好走してから購入するかどうかを検討するくらいでいいだろう


アスコリピチェーノ


好スタートから常に好位でジャンタルマンタルを見ながらの競馬。しかし直線に入ってから抜け出そうとすると外をジャンタルマンタルに塞がれ、進路を狭い内にとってしまう。空いてたスペースを突こうとしたのだが、前にいたマスクオールウィンがバテてふらふらと斜行したことによりそのスペースが埋められてしまい、強引に抜け出す形となった。その影響で内ラチに居た二頭と後ろにいたイフェイオンに不利を与えることになってしまった。強引に進路を確保してからの脚は流石であり、残り200と少しくらいの距離でロジリオンとの差2馬身差程を差し切ったが勝ちには遠く及ばなかった。特に今回は底を見せたレースでもなかったのでノーカンでいいだろう。地力的に高いことは間違いない


マスクオールウィン


好スタートから好位を確保し、直線では一旦ハナに立つ。しかしすぐにジャンタルマンタルに並びかけられるとズルズルと後退してしまった。体力が尽きたのか直線ではふらふらしてアスコリピチェーノが突こうとしたスペースを埋めてしまい大渋滞を引き起こした一因となった。マイルではやはり距離が長く、これからは短距離路線を進んでいくべきだろう


ジャンタルマンタル


絶好のスタートからでも特にかかることなく外目好位のポジションを確保できた。常に内にアスコリピチェーノを見ながらの競馬であり、直線ではもったまま相手の進路を塞ぎながらじわじわと加速。アスコリピチェーノは出し切れていないものの一頭だけ格の違う強さを見せつけた。基礎的なスピードが高く、どんなペースでも追走に苦労する気配がなく終いにキレる脚を見せることから、この馬はもっとペースが速い方が更なる強さを見せると感じている。ハイペースでも脚を溜められる上、相対的に他の馬は脚が鈍るので今回の差よりも更に開くだろう。懸念点としては前進気勢が強い為、ドスローの競馬ではうまく競馬を出来ずに勝ち切れないこともあるだろう点だ。折り合いに難があるため、自らハナをとってペースを作るようなことはあまりやりたくないだろうことからどうしても難しい競馬になるだろう。距離としては個人的には2000まではまだこなせると考えているので、天皇賞秋などはこの馬が能力を存分に発揮できる舞台ではないだろうか。しかしこれもドスローになったりすると厳しそうなのでやはりマイルよりは条件が付いてしまう


ユキノロイヤル


スタート後もある程度は押していたのだが加速がつかず中団後ろからの競馬に。外に出し直線勝負をしたが特に見せ場の無い内容だった。スタミナがあるからか最後まで垂れずにじわじわと順位を上げられたことは収穫か。やはりキレる脚はないので前から小回りで粘りこむような競馬を磨いていきたい


アルセナール


スタートかなり出遅れ。そこからは完全に直線だけの競馬となり、上がり最速は使うという意地は見せた。比較的緩めのペースになったこともこの馬には向かなかった為今回はノーカンとした方が良いだろう。長くいい脚を使えるので距離も伸ばして考えてみたいところではあるが、気性的に行きたがる面もあるのでとりあえずはマイル路線か。今回は出遅れさえなければ3~5着くらいの実力はあると考えており、相手のレベル次第では楽に勝てるポテンシャルは感じさせてくれる一頭だ。ただ難しい馬でもある様子なので頭固定では買いづらいだろう


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