【週末回顧録】このまま負けてなるものか!(11月26日・27日)
お世話になっております。UMAJIN編集部員の平石です。
「未来の馬券の的中は振り返りから!」ということで、先週末の競馬を振り返っていくこの企画。
「鉄は熱いうちに打て」とも言いますしね。記憶が鮮明なうちに、未来の自分のためしっかり復習しておきましょう。
<ジャパンC>
勝ち馬:ヴェラアズール 勝ちタイム:2分23秒7(良)
ムーア騎手騎乗のヴェラアズールがGI初挑戦でいきなりのV。直線で前が空くまでじっと我慢した鞍上の胆力が光るレースでした。
レースを振り返ってみると、戦前の予想どおりユニコーンライオンがハナへ。どこまでペースを落とすのかと思っていたら、1000mの通過が61秒1というかなりの緩流に。
シムカミルが逃げるのかも、と思っていたところはあったのですが、考えてもみれば鞍上のブノワ騎手がこの馬とコンビを組んだのは前走のニエル賞だけ。そのニエル賞では3番手から早め先頭で勝っているのですから、陣営のオーダーがない限りは好位から進めようとしますよね。
そのうえ番手は世界のユタカタケ。3番手テーオーの鞍上・菱田騎手としてみれば、ケンカを売りにいってレースを壊すことはできません。なおのことペースが上がるはずもなく。
当然ながらこのクラスの馬がこのラップについていけないはずはなく、当然ながら馬群は一団の形で勝負どころを迎えます。
勝負を分けたのは直線入り口の攻防。ヴェルトライゼンデとシムカミルがユニコーンライオンとハーツイストワールの間にできた1頭分のスペースを狙おうとした瞬間でした。
パトロールを見ていただければ分かるのですが、この瞬間、両馬がクビを上げるような形でガチャつきます。
これを見たオネスト鞍上のルメール騎手は「ここにおったら混乱に巻き込まれる&進路なくなる」と判断したのでしょう。ヴェルトの後ろにいたオネストをユニコーンライオンのさらにイン、内1頭分を通すべくラチ沿いへと誘導します。
しかしながら、キレる脚のないユニコーンライオンは直線でのギアチェンジについていけず早々に失速気味に。同時にシムカミルvsヴェルトライゼンデのデュエルもあっさりヴェルトへ軍配が。ヴェルトがユニコーンを外から押圧しようとしてきたこともあり、コブサク騎手は内ラチ1頭分に馬を寄せていきます。
その瞬間、ユニコーンの後ろでオネストが狙っていた進路の扉はガチャリと音を立てて閉まってしまいました。ついでに平石の馬券も電子の藻屑と化しました……。
この一連のやりとりで復活したのがオネストの外にいたヴェラアズール。実はヴェラアズールはヴェルトとシムカミルのデュエルが勃発する前に進路を探して外へ振ろうとしていました。
しかしながら外に進路はなく一瞬馬群で宙ぶらりんに。万事休すかと思ったら、オネストが内へ寄せたお陰でヴェルトの後ろに1頭分のスペースが。そのうえヴェルトには脚があり、進路を確保してくれるおまけつき。
このチャンスを見逃すR.ムーアではありません。しっかりヴェルトの後ろをコバンザメのようについていってシムカミル&ユニコーンライオンをパスすると、今度は外のダノンベルーガが作った進路に切り替えて馬群を縫うように脚を伸ばしたのでした。
サッカーで「ゴールへの嗅覚」という慣用句がありますが、ムーア騎手の場合は「他馬の脚の残り具合への嗅覚」が異常です。ヴェルトが抜けきった後、ハーツイストワールに一瞬で見切りをつけてダノンに目標を切り替えてましたからね。こわ。
それを実現するのが圧倒的な馬の操縦テクニック。リプレイを見るとヴェラアズールが鞍上の意のままに動いているのがよく分かります。ムーアだけ原チャリに乗っているのかと思った。
残り400m地点で勃発した攻防が終結した瞬間、今年のジャパンCは終わったように思います。
あとは結果的にワンテンポ仕掛けを待つ形になったヴェラアズールが突き抜けて快勝というだけの話です。ダノンベルーガの不利もありましたが、あの時点でダノンは脚が上がり気味(エンジンをふかしたタイミングが最も早かったため)だったので、結果は上位3頭で変わらなかったことでしょう。
スローのタイトな競馬という点ではヨーロッパの大レースを見ているようでした。上位のジョッキーがいずれも外国人騎手だったというのもそれを感じさせる要因かもしれませんが。
◎オネストで馬券を外しはしましたが、これについては1ミリの悔いもないです。あの形になってしまってはもうしょうがない。ユニコーンが寄せてこなかったらもう少し迫れていたと思いますし、なんなら勝っていたと今でも思っていますが、これもまた競馬です。
個人的な感覚としては、そもそもジャパンCで海外馬が道中勝負になる位置で競馬ができていたのがここ数年なかったという記憶。オネストがしっかり位置を主張して競馬ができていた要因に体調の良さもあったと思います。新設された検疫厩舎の効果は大きいような気が。来年以降もラップや血統を分析のうえ、チャンスのありそうな馬は積極的に狙っていきたいと思います。
個人的に最も強い競馬をしたと思ったのがシャフリヤール。有力馬で最も外に入ったので競馬がしにくかろうと思っていたのですが、外を回して肉薄しました。正直もう2400mも長いと思っていたのでこの舞台でここまでやれたのはシンプルに驚愕。2000mのレースならあと2個くらいGI勝てそうな。
しかしCデムはここで騎乗停止もらうくらいなら、先週のサンテローズでもっと勝負してくれよ(←まだ言ってる)。まぁ騎乗停止になったのが意外な事案ではあるのですが。
ダノンベルーガは早めに動かしていきたい川田騎手と手が合っていない説を唱えたいような……? 今回もまさか外からポジションを取りにいくとは思っていなかったです。個人的にはあの不利はそんなに影響は大きくなかった気がしないでもない。実際には何とも言えませんが。
その他の馬でいくと、やっぱりテュネスは来年の凱旋門賞で本命級の評価をしたいと改めて思うなど。初めての多頭数で控える競馬&スタンド前の大観衆で前半完全に引っかかっていたのですが、最後は大外から追い込んできました。前半見ただけでなにもなさそうと思っていたのですが、よく頑張ったのではないでしょうか。いつものクソ重なパリロンシャンならもっとやれるはず。
今後「このレースの感想は?」と聞かれることがあれば、「ムーアがなぜA.オブライエンの主戦かがよく分かるレースでした」と答えようと思います。
<その他気になった馬>
ムーア大明神について書きすぎたので残りは簡潔に。
土曜東京2R マイクロモザイク(4着)
後ろから運びましたが追い込み届かず4着まで。ドレフォン×フジキセキ持ち母なので次こそダートを使ってほしいというのが個人的な見解です。
【次走狙いたい条件】
・ダート替わり
土曜東京5R レイベリング(1着)
フランケル産駒ですが上がり33秒1の末脚で差し切り。ラップを見ると前半1000mが61秒4で上がり3Fが34秒0なので中距離志向の強いラップ構成でした。フランスの中距離牝系ということもあり、もう少し長い距離が適正っぽく見えます。あと大箱の方が良さそう。
【次走狙いたい条件】
・大箱の中距離戦
土曜阪神10R ヘラルドバローズ(1着)
リニューアル後の阪神ダ1800mの良・稍重で1分50秒5以下の時計で勝利した馬は28頭いて、このうち重賞勝ち馬は16頭。平石調べですがだいたい2/3で重賞勝ちます。
【次走狙いたい条件】
ダート中距離戦ならどこでも
土曜阪神12R スマートルシーダ(7着)
外からムーア大明神がブロックしているところに、ムーア騎手しか見えていなかったであろう古川奈騎手が寄せてきて進路カットの図。先週は本命にした馬がこんなんばかりでした。詰めが甘いなぁ……。血統的に短距離向きなのは間違いないのですが、間隔をあけた方がいいタイプなので、次走はローテーションに注目。
【次走狙いたい条件】
・間隔をとっての短距離戦
日曜阪神9R シングザットソング(5着)
4角先頭から3番手までで決着するレースにあって、この馬は4角11番手。そもそものポジションが後ろ過ぎましたし、直線ではインを突いたところ前が詰まるシーンが。しかも2回。ノーカウントでいいでしょう。
【次走狙いたい条件】
・芝のマイルから中距離戦。今回と同じような条件でもう1回。
日曜阪神11R メイショウフンジン(4着)
まさか同門のメイショウカズサにハナを切られてペースを握れないとは……。それでも最後までこの馬らしく渋太く走れていました。再度単騎逃げが見込めるメンツなら。
【次走狙いたい条件】
・単騎逃げが見込めるダート中距離戦
<こちらも要チェック!>
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