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理想郷

振りだした雨に強風まざりて春雷の気配にこころざわめく
私はあいつがきたと確信し程なく夕飯の豚カツ用の肉を買いに行くのをとりやめ沢山買い込んだ海老にてフライをつくり御持たせにしようときめた。

この憂鬱は南からやってきた熱風こもるその勢いお前が飲み込めばいいお前と対峙し好きにして三の舞へと己のこやしつくればいい
なんてここんとこ歌にでもしてやってくれゐ

自分の描いた絵空事に微塵の違いがあるともゆるさずその傍若無人である様を己は築かない
きっとその身にかえるに違いない

いや、あやつはかえったとて四の舞い五の舞を撰り受けてもらえようとも頼りにされたものが離れて行くさま(だがこれ可笑しく物好きが集まりゐ)

だが汝の理想にて
離れていくのである
間違ってはいないはずなのに
正義にこだわり真っ当な姿
それは貴様の思い描いた人間より
とうに離れてしまっていることに
まだまだき己気づいてもおらず
にもかかわらず
己の真っ当な血いがいには
あてはめさそうとすること

求む術は
立ち向かえしものが出てくること
汝の母達への感謝の念を持つこと


さすればごまかされてやろう


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