ジャパンC


S イクイノックス


コレが天榮×木村厩舎が出した結論か!
単純に馬体診断するだけでなく、このジャパンCのイクイノックスの馬体は、今後馬体を見る目を養っていくのに大事なターニングポイントになるだろう。
何が大事かって、天榮×木村厩舎の本気がこの馬体を通して想像出来る訳で、いわば「英知の結集」と仮定するなら、要素を分解して細かく分析していく事で、天榮×木村厩舎が何を意図して施したか推測出来るかも知れない…と感じるから。
そして、それに真摯に向き合う事で私にも1つメリットが…。それは机上の空論によって作り上げられた馬体理想像が修正される時を迎えるタイミングでもあると言う事。
日本一の牧場が調整した馬体なので、それこそが今最も正義とされる調整の仕方と捉えた方がより良い方向に進むと思う。
と、つい前置きが長くなってしまいました…笑
イクイノックスの馬体に戻ります。
私、馬体を見る時は、まずは最初に肩や帯道に目を向けるのですが、イクイノックスの帯道はマイルCSで好走したナミュールのそれを思い出させるかの様な充実感がある様に感じます。この両馬は天榮・しがらきとそれぞれの外厩で育成されていますが、大枠で見るとノーザンファームであり、その育成プロセス(飼料・運動量や環境)がそうさせるのかも知れません。
個人的に宝塚記念2着したヒシイグアスの馬体を一時理想系として捉えていた事もあり、このイクイノックスやナミュールの馬体を受けて、その感覚を中和させる時期が来たと感じています。
またこの肩のフォルムは木村厩舎特有のもので、肩から胴にかけてのフォルムは天榮で育成された馬に多く見受ける印象があります。
そんな中、今回特筆したい所は脊柱起立筋や広背筋のボリュームUPです。前走時は「幾分ふっくら」や「腹や心肺の充実感」について触れ、いかにも前哨戦の様な感覚を元に評価していましたが、今回はより背骨に近い部分の筋肉の調整が図られ、またそれを外から補強する前肢を引き戻す筋肉である広背筋の主張も見られており、前肢の稼動性は前走以上になるのでは?と推測しています。そしてこれらの調整もありって胸の縦ラインは逞しさを増し、まだ緩さが垣間見れた前走より調子を挙げている印象を受けます。
更に僧帽筋後部繊維や三角筋も収縮した様な筋張り方で、前肢の荷重感に力強さを感じる立ち姿にも見えます。
当日はアクシデントなく、無事走って欲しいものです。
他の馬体は見ていませんが、まずこの馬を筆頭に据え置いて検討を進める事は必然かと思います。
このあと、この馬とやり合える可能性のある馬体に出会いたい物です。

A+ リバティアイランド


中内田厩舎独特の馬体に変わりなし。
これを言うか迷いましたが、1つ私の疑問を投じようと思います。
筋肉量豊富×胴が詰り気味の馬=距離不安説…これ良く持ち上がりますが、私個人的な意見としてはそこまで過敏になる必要はないのでは?と思っています。
何故この様な事を投じたかと言うと、以前はこの定説を信じて、馬体を見て馬券を買っていましたが、「距離持つじゃん!」と突っ込んだ事が何度もあるからです。
とは言え、全否定する訳ではありません。理論的には、筋肉量が多ければ遺伝子的にC型の影響が強くなると言う関係性のもと、距離不安説が浮上するのは至極当然だと思います。
しかし、この説には1つ落とし穴があると考えています。
それは厩舎別の馬体の特徴が存在し、育成理論の結果、肩やトモが立派なる厩舎が存在する事です。
その中でも中内田厩舎はとにかく立派に見せる事が多く、この厩舎の馬を馬体だけでその定説に当て嵌めてしまうと全ての馬が距離不安となってしまいます。
またその他にも池江厩舎の馬も立派な馬体に偏る事が多く、ジャパンCで思い出されるのはラブリーデイ。あの馬も筋肉が発達した馬体で距離不安が付きまといながらも、一級戦が集う2400mのジャパンCで3着と馬券に絡む好走をしています。
この様な辻褄が合わないとも思える事象を解く鍵こそ「脂肪」にあると、私は常々思っています。
そして、中内田厩舎や池江厩舎は他の厩舎に比べて、より生理学の知見に優れるのではないか?と推測しています。
なので、私は特にこの2厩舎の馬体を見る時は、一旦脂肪が付きやすい部位を脳内でダイエットさせてみたり、この馬が他の厩舎で育てられたなら?と考える様にしています。
それを差し引いても一点気になる事が…、それは膝蓋骨の出っ張り方で、やはり馬体には母系の影響が強めに出ていて、どうしてもオーストラリアのスプリンターがチラつきます。しかし、それを言い出したらキタサンブラックの母父サクラバクシンオーに首をかしげた過去と同じ過ちを繰り返す事になる…。
三冠馬と言うのは常識を超える馬であり、そう言う極一部の定説に収まるものではないと私は思っています。
もはやラブリーデイやキタサンブラックを引き合いに出す程の名馬だと思いますし、馬の成長的にもまだまだ旬の域だと思います。
馬体の映り方から察して、中内田厩舎の馬体としては万全の状態で送り込めるものと思います。


A ダノンベルーガ


とうとう化けの皮を剥いだな!
この馬がこんな風に肋骨を透かしたのは始めて!
肋骨だけでなくキ甲付近、背中から腰にかけて、ヒ腹、トモ、肩前面と腹が織りなすラインまで…今までと全然雰囲気が異なる。
トドメは体幹皮筋が綺麗に出て皮膚の薄さを感じられる上に、銭形まで浮く程毛艶も良さげ。
3歳時のジャパンC時の仕上げを更に昇華させた印象。
そしてハーツクライ産駒の適舞台と言う事もあり俄然期待が高まるし、4歳秋にようやくこの馬体になれたと言う辺り、やはり晩成血統の開花の知らせと読みたい。
ここは本気で狙いに来ていると推測してそれなりの評価を与えたいと思う。


A− スターズオンアース


天皇賞秋の馬体から一変!
極限まで脂肪を絞り、基礎代謝を高めに高めて挑む…そんな感じの方向性で考えてみたい。
天皇賞秋は右前肢の蹄の異常で回避したが、無事を確認後、早々に低負荷の運動を中心に有酸素運動運動を消化し始めたのではないか?と推測。
また外厩情報は山元トレセンを利用した記載があり、11/8にはジャパンC参戦と脚部の状態も安定した旨の情報がある中で、虎視眈々、何かやってたんじゃない?と思いつつ、今出ている追い切りの数字や情報以上に見えない部分の運動量が影を潜めていそうな気もする。
でなければ、天皇賞秋の肉付きの良い馬体から、こんなに脂肪が減った様な馬体にはならないだろう。
キ甲付近や肋骨後部、尾骨・坐骨付近、肩端部などそれぞれを見ても骨突出が容易に判別出来る程の変化が見られる様に…。また上腕頭筋や広背筋なども膨隆している。
一週前と最終追い切りで、最終調整程度の引き締めが出来れば完成ではないだろうか?あまりハードな追い切りは必要無さそうで、イメージは馬なりからの軽い合図での加速。騎手とのコンタクトがどれだけ取れるかやラスト200mの反応がどの様な感じなのかに注目して追い切り映像を見たい。
脂肪の少なさに一抹の不安はあるが、そこは代謝機能へ転換済みと捉えて当日の結果を持って検証としたい。


B+ディープボンド


これは興味深い‼️
ここまで広背筋が浮き上がった馬がかつていただろうか?
筋腹部が見えている馬は多数いても、この様に骨盤まで繋がりがハッキリ見える馬体はほとんど見ない気がする。
比較解剖学が好きな私にとっては脳裏に焼き付く馬体となりそうだ。
馬の筋肉・解剖学が好きな皆さん、これは袋とじ級のボーナスショットです!スクショして大事にフォルダーに保管しましょう!
この広背筋だけ切り抜いて評価すると買いなんだけど、全体見ると明らかなTT型の馬だから東京競馬場では買いづらい様な気もする。条件としてパンサラッサとタイトルホルダーが飛ばして後続の脚が溜まらない展開になる事は必須かと思う。
とは言え、その可能性も無きにしもあらずなメンバー構成になった事と、陣営が腹を括った様にも読み取れる仕上げに踏み切った事が合わさったと言う事は「どハマり」を想定しても面白いかも知れない。
広背筋だけ切り抜いて相手として入れておく価値はありそう。


B ドウデュース


前走より幾分ふっくら張りがあり、充実した印象を受ける。
今回は肩の筋肉の深部にある脊柱起立筋のボリューム感が増しており、背中(胸椎部)にも張りがある映り。
前走と比較すると四肢の位置関係に変化があり、それに伴う筋緊張の変化の可能性も想定に入れておきたい。
極端な良化があると言うより基礎運動をシッカリ積み直し体幹機能を整えた様な印象に感じる。
曲飛とアメリカ血脈溢れるトモ、その回転と爆発力で再度前走から巻き返して欲しいものだ。


B− ヴェラアズール


前走よりメリハリあって上昇見込みだが…
昨年のジャパンC制覇時と比べても悪い訳ではないものの、何か少し物足りなさを感じる馬体。
昨年の馬体と見比べ直してみると、腹袋や肋骨の感じに大きな違いが見られる。また頭・頸部の位置関係も違い、体幹の懸垂機能にも差が出ている可能性も考えられる。今年については頭が高く胴体の張力が抜けた様な感じ。
ただ1つ良い点を挙げるなら、前走時より広背筋部にかなりの膨隆を認める事。ノーザンファームしがらきの坂路でシッカリ鍛え直されたんだなぁ〜とディフェンディングチャンピオンが闘志を燃やして稽古を積んで来た事が読み取れる。
肩の筋肉は全て浮き上がり、肩端や膝蓋骨の突出も目立つ。
この馬としては十分に仕上げられたと思うが、相手も力をつけている事を想定すると、昨年のジャパンCから精彩を欠いた様な近走の着順はちょっといただけない。
ましてやこの頭の位置の立ち姿ではあまり購買欲が湧かない。
あと最後に、馬場的なところからひ一つ。元々脚元が悪くてデビューが遅くなった馬ではあるが、今の様な時期の馬場は野芝の枯れた部分が緩衝材ともなるので気兼ねなく走れるはず。


C タイトルホルダー


馬体診断うんぬんの前に、この馬のプレースタイルでどの様な勝算を持って挑むのだろうか?
しかも、パンサラッサの緊急参戦…、果たして良さは生きるのだろうか?
馬体的には曲飛の飛節と、蹄踵の高さを低くして寝かせ気味の爪に触れておきたい。回転の良さは言わずもがなでスタートダッシュに生かされている。爪は舞台に合わせて少しでも適合性を高めるべく施された事を推測したい。
また前走時より首・胸・腹のラインが引き締まっており、乗り込み量は十分と見る。
紛れのない直線の長い東京コース、末脚自慢が名を連ねる中、この馬の持ち味のスタミナはどこまで活きるのだろうか?
どうしてもゴールドシップのジャパンC参戦が脳裏をよぎる…二の舞にならぬ事を祈るばかり。


C パンサラッサ


ペースを掻き乱すのだろうか?
この馬とタイトルホルダーの位置取りの考え方次第で馬券の構成が変わってくる人も多い事だろう。
この馬達がやり合って、後続が脚を溜めれない様な展開になるのなら、私はディープボンドまで考えたいと思っている。
あとこの馬と言えば、あの天皇賞秋の大逃げの印象が強過ぎて、もはやマークと言うか警戒は必須で、そう言う騎手心理の観点から考えても今後日本では厳しい戦いが強いられそうなイメージ。
肩の筋肉は発達しており赤筋豊富で持久力に優れる前駆、腹袋が立派に張った中駆、母系血脈を感じさせるトモを有する後駆。
チャンピオンズカップとジャパンCを両睨みしていた事もあり、毛艶や脂肪乗りも良く、ボディーラインも綺麗で状態は良さそうだ。
スタミナ、タフ、ストライド走法の様な材料が揃っているが、守備範囲外の根幹距離のレースをどう乗りこなすのか…。あの大逃走撃を見せられてしまうと、いつも何かやってくれるのではないか?と記憶に語りかけて来る馬であり、凄く悩ましい一頭

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