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今日競馬を始めた初心者を1年で半人前にする為の本

プロフィール

馬ノスケ
競馬歴4年目、予想家歴3年目の新参者。
現在は有料予想家としてネット上で活動中。競馬雑誌「競馬王4月号」に執筆しており、現在予想活動の幅も広げています。
また、独自で開発した「適性チャート」を使用し重賞予想にも取り組んでいます。


まえがき

この記事では、超初心者を1年で半人前にすることを目標に、筆者がこれまでの競馬経験を踏まえ話していくものです。持論なども含まれますので、参考程度にお考えください。

また、序盤は競馬の知識や理論に関しての話はナシで、競馬に対する向き合い方などを話します。これは知識を得るよりも、まず競馬への向き合い方から学ぶ方が遥かに作業的にも金銭的にも効率がいいからです。

また、これは持論ですが、理論や知識よりもまずは経験第一だと思ってます。競馬を今日始めた人に、知識や理論を説明したところで、表向きに理解はできても、それをすぐ予想に応用することはまず難しいでしょう。つまり、知識や理論を固めるより先に、馬券を買って楽しみなさい。と言うことが、まず真っ先にやることだと思ってます。

おいおい。そんなスタートで本当に大丈夫かよ。と思う方が大半でしょう。
大丈夫です。競馬への考え方や取り組み方をしっかりと持つか持たないからで、半年後の未来が変わると私は思っていますし、しっかり向き合って予想していれば、基礎知識は勝手に付いてきます。(ここでも基礎知識には触れるのでご安心下さい)

まずは楽しむ。楽しくないことを極めるなど、私には不可能ですからね。

第1〜2章で話すことは、今日から始める超初心者に向けた話です。競馬歴長い皆さんも、最初は何度も経験したこと。勿論私も。今伸び悩んでる人や、何となく競馬歴を重ねた方は、ここで一度初心に返ってみてはいかがでしょうか?もしかしたら何かのキッカケになるかもしれません。

第3章からは、より具体的な話しをしていきたいと思います。長くなりますが、どうぞよろしくお願いします。



0章 予想環境

本題に入る前に、私が初心者にオススメする予想サイトやアプリなどを紹介します。

①netkeiba(インターネットサイト)
とにかく初心者に見やすい。という点でオススメします。全レースの映像が見れるプレミアムパックに私は加入してません。映像は後述するレーシングビュワー主体です。
②馬卓(収支管理アプリ、基本無料だが初回課金オススメ)
収支管理はマスト中のマスト。基本無料で使えますが、初回300円程度の一度きりの課金をすることにより、芝別、距離別、舞台別、機種別、馬場状態別、クラス別などなど、まだまだありますが、条件ごとの収支を確認することができ、自分の得意不得意を知るのにベストなアプリだと思ってます。他にも色々な収支管理アプリがありますが、私が使ってるのはこれになります。
③JRA公式HP
パトロールビデオが無料で見れます。映像を見ることは予想において必須だと思ってます。無料なのでブックマークすることをお勧めします。
④レーシングビュワー
レース映像に特化したサイトです。重賞はパトロール込み最大3画面であらゆる視点から映像を見ることができます。有料となりますが、私はこのサイトがなくなったら予想家引退するレベルです。

※金額的にnetkeibaとレーシングビュワーの同時登録はお金が掛かります。厳しければ、最初はnetkeibaのプレミアムパック?(全レース映像が見れるやつ)のみでも大丈夫です。
とりあえず、競馬予想に取り組む前に、最低限上記のものは揃えた方がいいです。


1章 超初心者が最初の半年間ですべきこと

1.具体的な目標、取り組み

ネット環境の発達で、今や無料でも優良な情報が落ちている世の中です。情報量が多いに越してことはありませんが、「情報量や知識量=予想力」ではなく「ファクターの完成度=予想力」と言うのが持論です。

もちろん、知識量が多いに越したことはないですが、初心者が膨大且つファクター多数の競馬知識を全て詰め込もうとしてもパンクするし、結局どこを重視していいか分からず予想がブレブレになります。

なので、ファクターの構築が最優先事項。私自身、血統やパドックのファクターは皆無ですから、まずは何か1つファクターとして特化させる事が大切です。

そして、そのファクターを構成していくために、半年間は競馬に対する考え方や取り組み方を意識して競馬を楽しみましょう。そして、自分が軸にしたい予想ファクターを選択、考察していく。と言うのが半年間の目標です。

残り半年はそのファクターの精度を磨いていきます。これで超初心者でも1年で半人前になります。言葉で言うのは簡単ですが、意外と人間ブレるものです。そのブレを少しでも減らすためにも、土台となる考え方や取り組み方を意識しましょう。


2.競馬に対する考え方、取り組み方

①馬券は外れるものであり、的中が全てではない
初心者の思考で多いのは「馬券を当てたい」でしょう。ギャンブルなのだから当たり前ですが、馬券を当てることが競馬で勝つことではありません。馬券が当たっていくら戻ってくるのか。すなわち回収率が競馬における勝ち負け要素となります。つまり人気馬を買い続けて、的中は出来ても回収は追いつきません。

ポイント:的中率よりも回収率を考えて予想に取り組む
→人気馬ばかり買わない(馬券の買い方などは別の章で記載)
②馬券投資より学ぶ投資を
大金を賭けて儲けを出す。というのはギャンブルなので、勝てばいいですが、競馬に絶対はありませんし、だいたい負けます。仮に勝ったとしても、美味い蜜を吸ってしまってるので、どんどん欲深くなり、最終的にはマイナスになるケースが多いです。それだったら未来の自分に先行投資して、競馬の勉強に投資すべきだと思います。
私は大金ぶち込み等やったことはないですが、暇だから気分で賭ける。が積み重なり初心者の頃はだいぶ負けました。今思えば、そのお金で競馬本や予想環境を整えればよかったなと思います。負けたことに対する後悔ではなく、運任せで買ったことへの後悔ですかね。自分なりに予想して考察して、それで馬券買って外れるのは自分の経験に繋がるので、そう言う負け方を覚えるだけでも、未来の自分への先行投資になると思います。

ポイント:何も考えず運任せで買うのなら、その分他に投資、貯金した方が確実にお金は貯まるし、投資価値もある。
③予想家の予想に脳死で丸乗りはダメ
遊びでたまに少額。ならいいのですが、予想家の予想に脳死で丸乗りは当たっても、瞬間的にお金が増えた快楽しか得られません。この脳死で丸乗りパターンでプラスに持っていくとしたら、その予想家の年間全ての予想に対して丸乗りを行いプラスを目指すか、プラス域に入った段階で競馬からフェードアウト。この2択以外リスクが大きいです。
つまり、丸乗りだけで勝ちたいなら、競馬ではなく投資と割り切った方がいいです。そこに自分の感情や予想、迷いが生じてブレた瞬間に投資としてのリスクは増幅します。なので上記の2択以外で勝ちたいなら、丸のりではなく、しっかり知識を付けることを目的に予想を買った方が良い。と言うのが持論です。
④予想家選択のポイント
投資感覚ではなく勉強して勝ちたい。自分独自のファクターを構築したい。となった時に、力を借りる相手は予想家です。その予想家の選択ポイントはしっかりと見解を述べているか。予想家を選択する上で最も重要かと思ってます。
見解がない、もしくは薄い予想を買ったとしたら、得られるものは少ないです。例えその日勝ったとしても、得られるものはお金だけ。知識はあまり得られず、結果的に自分のファクター構築、知識取得には繋がりません。

※指数派予想はそもそも見解がないので、その指数を自分のファクターの1つにしたい。という思考なら問題ないと思いますが、ファクターのひとつにするなら最低限自分のファクターもある程度構築されてた方が良いかとは思います。



2章 資金管理の徹底

資金管理は重要です。これを行えば必ず勝てる。と言うわけではありませんが、まず大負けはなくなるでしょう。

1.資金管理

①1レースに対する最低投資額と最高投資額を決め、必ず決めた額内で馬券を購入しましょう
②目標の回収額を決める投資額に対して何倍のお金を回収目標にするのか決めましょう(馬ノスケは約4倍目標)

ただ、熱くなってしまう人はいくらルールを決めても破ってしまうことも多いと思います。私もそうでした。いくら紙にルールを書いても破ってしまう。そう言うものです。なのでそう言う時は物理的な対策が必要かと思います。

③熱くなって無駄に買わない物理的対策
・口座を2つ作る
一つは真面目に競馬するための口座。もう一は遊びたい時の口座。と使い分ける事で、無駄な資金減りをなくす。(遊び口座で買う馬券は、真面目の1/10程度の金額をお勧めします)

・毎週入出金を行う
地方競馬などの無駄な資金減りをなくす

・入金は事前予想分の金額しか入れない
他のレースを物理的に買えなくし、無駄な資金減りをなくす。他のレースをやりたい時は、もう一つの口座を使う。



2.馬券の買い方やマイルール

①おすすめの券種(持論)
私が実際に買っている馬券は「ワイド」です。競馬とは、時に動物がコンマ0.1秒以下を争う競技です。そのレース中に接触、妨害、天候などなど、沢山の不確定要素を受けることも多々あり、10回やったら10回別の結果になっておかしくないのが競馬です。その不確定要素に1番振り回されない馬券は、連単系の馬券(馬単、3連単)ではなく、複系の馬券(複勝、馬連、3連複、ワイド)です。

中でも複勝は、長期的な意味で回収期待値が低く単発系。馬連は配当がつくも取りこぼしの可能性が高い。3連複は順不同でも1〜3着を当てるリスクの高い馬券。これはら、長期的に考えるにあたり、少し難しい券種だと私は思っています。

ワイドは、1-3着でも、2-3着でも的中となり、的中率で言ったら複勝の次に高く、不確定要素を補う券種としては最適だと考えてます。ただしワイドの弱点はオッズの低くさ。いくら当てても回収できなければ、長期的にプラスへ持ってくのは難しくなります。

そこで私が行っているのはボーナス馬券。ワイド+αで馬券を組み合わせることにより、回収額の補完を行う方法です。私が実際に買っている組み合わせは、ワイド本線+(単勝、3連複、馬連)
※オッズによりボーナス馬券を買わない場合もある。

ワイド:本線
→ここが当たれば、とりあえず目標の回収額は確保できる

②単勝:抑え+ボーナス
→元返し+αの投資。基本的に5倍以下の馬や1着期待値の低い馬は買いません(直前でのオズ減りは仕方ないですが)

③3連複:ボーナス
→だいたい7〜15点位を100円で買います。基本的に50倍以下は買いません

④馬連:ボーナス
→勝ち負けできる期待値の高い馬を1〜2頭相手に100円で買います。基本的に30倍以下は買いません

私はオッズを見ながら、ワイド軸にこれらの券種を組み合わせています。
※もちろんオッズによって例外もありますが、基本この買い方です。

これはあくまで私の買い方なので、経験していく中で色んな券種や馬券を買ってみて、色々試してみて、自分に合った買い方を模索してみてください。


②馬券投資のマイルールを設定する

投資額や投資レースにマイルールを設定しましょう。例えば私の場合、勝負度合いによって投資金額を変えています。

平均投資額:5000円
最高投資額:10000円
最低投資額:1000円

勝負度合いの決め方は、

①軸の信頼度が高いか?
→軸の信頼度とは、ファクターや人の考え方ひとつで意味が変わりますが、私の場合は馬券内軸の信頼度。つまり3着以内に入る可能性を軸の信頼度と呼んでいます。
②軸のオッズ妙味が高いか?
→軸のオッズ妙味が高いかどうか。言葉の通りです。①で話した通り、私は馬券内に入る可能性の高い馬を軸馬に選定するので、券種はワイド本線になりやすく、妙味のない馬をワイド軸にしても回収期待値は下がります。なので、軸のオッズ妙味は重要と考えてます。
③そのレースが堅く決着する可能性が高いか?
→競馬は回収率を求めるものであり、的中率だけ求めても勝てません。その回収率を確保するのに重要なのが人気馬の存在です。
例えば1〜3番人気の馬の信頼度が高ければ、そのレースにおけるオッズ妙味が減り、逆に信頼度が低く飛ぶ可能性が高ければオッズ妙味は増えます。(そのレースが荒れるか荒れないか。ということ)

勝負度合いで投資金額を変動させることにより、期待値の高いところで回収を狙っていく形になります。

まとめると、「軸の馬券内期待値とオッズ期待値が高く、そのレースの人気馬が怪しいレース」が私の勝負レースになります。

これらはあくまで持論ですし、そもそも勝負度合いは自分のファクターがある程度出来上がってこそ、その自信度に信憑性が出てくるので、まずはファクター構築。というのが1番やるべき事だと思います。



3章 適性予想とは(芝編)

これまで、かなり土台的な話をしてきましたが、ここからは私が予想ファクターの根幹にしているのが適性ファクターを初心者向けに少し紹介します。

※有料の月額ブログで出したコラムを一部引用します


1.そもそも適性予想とは?

馬の適性に重きを置いた予想法です。

ただ、その内面は単純ではなく、単に中山を走るから中山適性。道悪を走るから道悪適性。という単純な判断ではありません。基本的にこういった適性がハッキリしている馬は、その条件で人気することになり、期待値という意味では弱くなります。

最終的に行き着く先は、その馬の特徴(馬質、馬キャラなどとも言う)と舞台の特徴を踏まえた今回求められる展開を当てはめ予想していく形となり、それは馬ノスケ自身が、毎週全頭診断などでお伝えしているような形の予想になります。

もちろん、いきなりこれだけの予想力を身につけるのは無理です。

最低でも半年〜1年くらい実践、経験を積んで徐々に構築されるものなので、初心者の方は焦らず土台から組み立ていければと思います。


2.適性予想の土台

適性予想の土台は、なんといっても舞台の特徴。特徴を知るにはとにかく経験ですが、各ポイントを抑えながら予想するのと、何も考えず予想するのとでは、その後の影響度はかなり変わってきます。

そのポイントとは

①右回りor左回り
②内回りor外回り
③直線長いor短い
④急坂ありorなし
⑤コーナーの角度が厳しいor緩い

この辺りが基礎の基礎となります。

当たり前ですが、基礎があれば応用があり、その辺りはラップが関係してくるので、これ以上は有料で配信するコラムで詳しく解説します。

まずは、入門編ということで基礎から、上記のポイント毎に解説しましょう。


3.右回りor左回り

右回り→中山、京都、阪神、小倉、福島、札幌、函館
左回り→東京、新潟、中京

右回り、左回り適性とは、言葉の通り右回りが得意、左回りが得意。と言った意味で使われますが、その考え方は3通り。

①手前変換やコーナリング性能
馬によって、右左どちらのコーナリングが得意かどうか。手前変換がしっかりできているかどうか、コーナリングが上手いかどうか。
この辺りを見ますが、この辺りは機動力が関わってきます。機動力に関しては応用編の後の番外編でお話しようと思います。
②利き手前
馬には利き手前が存在して、直線順手前(右回りなら直線左手前、左回りなら直線右回り)が左右どちらが鋭いか。利き手前が基本鋭くなるので、その辺りから右回り左回り適性を検証します。
③コース適性
ここまで手前とか機動力とか、少し難しい事を言いましたが、1番見て欲しいのはコース適性。
そもそも左回りは3会場しかなく、東京はコーナー角が緩いくコーナリング性能が問われない。新潟は直線が長くコーナリング性能の高さはそこまで求められない。
つまり、この東京新潟の2会場に共通することは、機動力やコーナーリング性能よりも、直線でのトップスピード性能(脚の速さ)。
と言うことは、機動力が低くトップスピードの質が高い、つまり不器用だけど脚の速い馬が東京新潟で好走する可能性が高いことになります。
もちろん右回りでも京都や阪神外回りだと、機動力的なものよりもトップスピードが問われるので、東京新潟ともリンクしますが、左回りの舞台適性が限られるという点は覚えておいていいし、東京18で好走する馬は阪神18でも好走できる適性を持つ可能性が高い傾向です。


4.内回りor外回り

中山、阪神、京都、新潟には内回りと外回りがある。内回りは言葉の通り、コースの分岐点から内側ん回り、外回りは外を回る。これにより、求められやすい適性は以下

①内回り→内側を通る関係でコーナー角が厳しく、直線が短い
→直線が短く、早めのコーナースパートになる為、機動力やコーナリング性能が求められる。となるとピッチ走法で立ち回りの上手い馬(先行してポジションが取れる馬)に適性が向きやすい。
②外回り→外側を通る関係でコーナーが緩く直線が長い
→コーナリング性能や機動力よりも長い直線でのスピード性能が求められる。ストライド走法でも対応可能。


5.直線長いor短い

上記で述べたように、外回りだと直線が長く、内回りや小回りだと直線が短い。内回り外回りとも関係があるので、上記で述べたことと踏まえて考えましょう。


6.急坂ありorなし

急坂あり→中山、阪神、中京

急坂適性とは、主に馬のパワー的値と関係します。馬体やトモが発達していれば、それだけ坂で求められるパワーがあるので急坂適性がある傾向です。

あとはストライド走法よりピッチ走法の方が急坂適性が高い傾向。例えば中山でピッチ走法の馬が活躍しやすいのは、コーナリングと急坂適性によるものだったりします。

他に急坂がもたらす主な影響は差しが届きやすいか否か。馬場の影響に関して今は無視しますが、直線に急坂が有れば先行馬が止まりやすく差しが届きやすい。逆に平坦なら先行馬が止まりづらく差しが届きにくい。

と言うのが基礎になります。


7.コーナーが厳しいか緩いか

コーナーが厳しいコース
各内回り、中京、小倉、福島、函館、新潟外回り
コーナーが緩いコース
新潟以外の各外回り、東京、札幌

コーナー角が厳しいとコーナリング性能や機動力が求められるのは、これまで述べてきた通りです。(例外は新潟外回りで、コーナー急ですが、直線が長いため機動力の高さはそこまで求められない)


8.まとめ

これらの特徴は土台的な基礎知識。

初心者の人は、いきなり全て覚える必要はなく、予想する時に気にしながら予想してもらう程度で問題ないです。その繰り返しで知識として身につくはずなので。

まずは馬柱を見た時に、これらのポイント毎で成績を分類すると、意外と内回り小回りでしか好走しない馬や、直線が長いコースに好走歴が集まっている馬などもいるので、馬柱からはそう言ったところから適性を見極めるといいでしょう。

例えばアーデントリーなんかは、外回りの大阪城Sを走ってしまったが、それまでの好走歴はほとんど内回りor小回りで、しかも穴として馬券になっています。

ただし、馬柱だけでなくレース映像まで確認してこその精度なので、是非レース映像を見る癖を付けてもらいたいです。


4章 映像回顧のチェックポイント

映像回顧において、様々な視点で不利などをチェックすることにより、その馬のパフォーマンスが最大限発揮できる状況であったのか確認します。

チェック項目は以下

不利の種類
・出遅れ
・直線詰まり
・コーナー不利(詰まりやコーナー外の遠心力)
・接触
・砂被り、キックバック
不利ではないが映像回顧でチェックする項目
・適性不利
・折り合い
・展開不利とポジション
・トラックバイアスや風バイアスの不利
・追走進路
・手前変換
・状態不安(テンションや発汗など)

ひとつひとつ説明したいところですが、これ以上は有料で配信しているところなので今回はここまで。

3〜4章は基礎的な部分ですが、適性予想や映像回顧の基礎的な部分なので、今まで気にしてこなかった人は今後に役立ててもらいたいです。


5章 馬柱の見方

馬柱の見方が分からない。という人も初心者には多いでしょう。

先述した適性予想や映像回顧込みで馬柱を見ることにより、その馬の好走歴や凡走歴から得意条件の判断や、強いか負け方弱い負け方から能力値の判別をすることが可能ですが、その他どこに視点を当てれば良いか解説します。


1.舞台適性や得意条件

舞台別で好走凡走を見ていきますが、加えて3章で解説した通り、舞台だけでなくどのような条件が得意なのか?という部分も見ていきましょう。見方は先述した通りなので、ここでは省きます。


2.着順よりも着差と相手関係

好走凡走を見る時に着順にまず目が行くと思いますが、見て欲しいのは着差と相手関係。例えば

①強い相手に着差0.1秒6着した馬が今回4番人気
②普通の相手に着差0.1の2着した馬が今回2番人気

この2頭が同じレースにいた場合、この情報だけでどちらを買うかとなると、当たり前ですが①になると思う。つまり着順ではなく着差と相手関係は常に意識した方がいいだろう。

そしてその着差が、不利やロスがあっての着差なのかどうか、斤量や映像などと照らし合わせて見ることにより、より信憑性の高い情報となります。(映像の見方は4章で述べたポイント通り)

また、相手関係の強弱の見分け方は、単純にその相手馬の戦歴やレース映像を確認します。netkeibaだとレース毎のタイム指数があるので、その辺りを判断材料の一つにしても良いかもしれませんね。


3.過去走の展開を見る

展開とは言葉通りの意味ですが、展開を大きく分けると

①スローペース
②ミドルペース
③ハイペース

この3つに分けられます。
我流になりますが見分け方について

①スローペース
前後半3Fのタイム差で、後半の方が1秒以上速い場合(例:36.0-34.0 後傾-2.0秒)
→基本前有利の展開
②ミドルペース
前後半3Fのタイム差が±1秒以内(例:35.5-35.0 後傾-0.5秒)
→基本前後ろフラット
③ハイペース
前後半3Fのタイム差で、前半の方が1秒以上速い場合(例:34.5-36.0 前傾+1.5秒)
→基本後方有利

このような形で私は展開を見ていきます。ただし前有利、後有利などは展開+α(ラップや馬場など)で私は考えてますので、展開面はひとつのファクターとして使っています。

ただ基本は知っておいて損はないので、馬柱を見た時に、

・ハイペース先行馬不利の展開で負けた先行馬でも、展開不利を受けながら着差頑張って詰めて粘っているような馬
・スローペースで差しが届かない展開で、後方から上がり最速で1どうだけ着差詰めてきて届かなかった馬。

これらは、弱い負け方ではなく強い負け方をしているので、展開不利にならなければ次走以降もチャンスということになります。

ちなみに、展開を5Fで見たり1000m通過で見たりもしますが、中間ラップを見るという意味でも私は3Fの見方で行っています。


4.ローテーションや条件替わり

馬によって得意なローテーションや条件が存在する場合があるので、そういった馬のローテーションや条件替わりに着目します。

①叩き良化型or休み明け○
馬によっては休み明けを一度使って状態面が上がってくる馬もいれば、体質が弱く休み明けで1番パフォーマンスが高くなる馬もいます。好走歴がどこに集中してるか見てみましょう。
②舞台替わり
私は適性予想派なので、延長短縮ローテといったことではなく、その馬にとってその距離や舞台が合っているのか確認します。いわゆる舞台替わりです。舞台に関しては先述した通り。
距離に関して私が見ているポイントは

1.折り合いを欠いてるような気性前向きな馬は、追走スピードを上げて折り合えるようにする為の短縮ローテ

2.しっかり折り合えるが、追走が忙しく差し遅れるような馬は延長ローテこの辺りは映像を確認しながら確認していきます。

ただし、同じ2000mでも阪神と東京では適性が全く異なるので、それぞれの舞台=距離の特徴を抑えながら予想すると、より精度は増すと思います。
③多頭数小頭数&内枠外枠
馬群で集中したいような馬や、馬群でしっかり折り合えるような馬は多頭数は難なく熟すタイプですが、逆に馬群が苦手な馬だったり、若駒で小頭数のスムーズな競馬の経験しかない馬など、そういった馬の多頭数内枠替わりは力を出しきれず凡走するケースがあります。
逆に言うと、そう言った条件で凡走した馬は、小頭数外枠替わりで一気にパフォーマンスを上げてくる傾向にもあります。例えばルーラーシップ産駒の馬は、揉まれず一本調子で走りたい傾向の馬が多い(例えばウラヌスチャームやキセキなど)ので、そういった馬の小頭数外枠替わりや、多頭数でも内枠→外枠替わりなど、条件が好転する場合が狙い目になってきます。逆に前に馬を置かないと折り合いを欠いてしまう馬は外枠→内枠替わりが狙い目になったりします。


5.俊足タイプと鈍足タイプ

人と同じで馬にも脚が速い俊足タイプと、脚の遅い鈍足タイプがいます。

俊足タイプが強い。というのは当たり前な話ですが、鈍足が俊足に勝つことは普通に起こりますし、鈍足タイプは基本目立つ勝ち方をしないので人気しない傾向です。

では、鈍足タイプはどのような条件下で好走するのか?それは、上がりの掛かる条件下で起こります。上がりが掛かるとは、後半スピードが求められず、脚の速さ(スピード)よりも、スタミナやパワーな要素が求められる場合です。つまり後半スピードが問われなければ、鈍足タイプの馬でも好走可能になり、逆に俊足タイプは力を出しきれず負けることが多いです。

俊足タイプと鈍足の見分け方

俊足タイプ
速い上がりが使える馬=スピードタイプ。
上がり3Fのタイムが32秒台〜34秒台前半のレースで、上がり上位の脚を使って好走しているか。
鈍足タイプ
速い上がりが使えない馬=パワーやスタミナタイプ。
上がり3Fのタイムが34秒台後半以上のレースで好走している馬。また、馬柱を見た時に速い上がりが使えていない馬。

基本はこのような形で見分けていきます。

鈍足タイプで有名なのがブラストワンピース。勝つか負けるか2択のような馬柱をしていますが、G1〜G2の上級条件で合計3勝全て上がりが掛ったレース(有馬記念、AJCC、札幌記念)での勝利でした。逆に速い上がりが求められた大阪杯や菊花賞ではスピード負けしています。

このように鈍足タイプでも、有馬記念のようなグランプリG1を勝てる馬もいるので、鈍足=弱いというイメージではなく、「鈍足なら鈍足が活躍できる舞台がある」という見方で捉えましょう。

つまり狙い目としては
①スピード質の競馬でキレ負けした鈍足タイプの条件替わり
②パワーやスタミナが求められ負けた俊足タイプの条件替わり

条件替わりは、舞台や馬場状態、展開面を考察すると、後半上がりが掛かるかどうかが分かってくるので、ぜひ実践してみてください。


6.条件替わり(ダート編)

ダートは砂地で行われる為、砂や泥を被るリスクがあり、砂を被ることを苦手とする馬も多くいます。その為、コース形態上の理由で中京と京都以外は基本外枠有利になるのがダート競馬の基本。
つまりダートにおいて、外枠替わりというのは1つ条件替わりでプラス働く要素となります。また、ダートはポジションの有利が大きいので、枠の並びを見てポジションを取れるかどうかという点もポイントです。

馬場替わり
ダートは基本、良馬場だとパワーが必要で、馬場が湿ると足抜きが良くなりスピードが必要になりやすい。その馬が良馬場を得意としているのか、道悪を得意としているのかを馬柱や映像、その他ファクターを使って分析し、馬場替わりという点に注目しても良いだろう。
舞台替わり
それぞれの舞台に特徴はありますが、大雑把に分類すると
①コーナーから加速を付けなければいけない機動力舞台
→中山、阪神、京都、小倉、札幌、函館、福島

②機動力よりも、とにかく持続力が問われる舞台
→東京

③立ち回り性能(ポジションを取れる能力)が必要な舞台
→中京、新潟

ざっくりだが、私の持論だとこのような形で適性を分類していて、それぞれ得意な舞台替わり+枠や馬場替わりを馬柱と映像から見極めて予想しています。

これらが私が馬柱を見る時、基本的に注目するポイントです。ただし、私の場合はラップなども踏まえて映像を細かく見ているので、ここに書いてある以上のことを予想では実践しています。

初心者の方は、ここに書いてある基礎的な部分から徐々にファクターや知識の構築を行うと良いでしょう。


最後に

私は無料でも情報を配信してますが、基本有料で予想活動をしています。月額の有料ブログでは初心者から上級者に向けた競馬コラムや、重賞の全頭診断など、ファクター構築や競馬の勉強に必要な材料は揃えております。

もしも今後ご縁があれば、宜しくお願い致します。

ここまで長かったと思いますが、読んで下さりありがとうございました。競馬は難しいですが、少しでも皆様のお力やキッカケになれたのなら幸いです。

今後とも宜しくお願い致します。


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