北条かやさんにはもう発達障害のことは書いてほしくない

あまり詳しくは書けないのだが、身近に発達障害の当事者がいて、私はいわば関係者(支援者)の立場だった。本人とのコミュニケーションがうまくいかず、手当たり次第色々と調べては方法を試した。相手が人の気持ちに共感できなくても、こちらが傷つく言葉を平然と言ってきても、傾向と対策でなんとかなると思っていたのだ。でも、残念ながらどうにもならなかった。

一番苦しんでいるのは当事者。それはきっとそうなんだろうけど、支援者には支援者の苦しみがある———そう気づいたのは本人との関係が壊れたあとだった。そんなことがあったので、当事者やその家族、友人の悩みをネットで見かけると、他人事とは思えず気になってしまう。内容を見たことのある人は分かるかもしれないけれど、絶縁するか/しないか、生きるか/死ぬかっていう深刻な悩みなんだよね。匿名であっても、打ち明けるのは勇気がいることだと思う。

さて、タイトルについて。
前々から名前を知っていたライターの北条かやさんがASDを公表したと聞いて、気になったのでLINEブログとtwitterを見てみたら、思いのほかひどくて、落胆した。

診察の様子、医師とのやりとりを所々おもしろおかしく書くのは、必ずしも悪いこととは思っていない。
じゃあ何がひどいかというと、正しい内容を伝えるべき立場のライターさんが、「アスペ」なんてネットスラングとも受け取られかねない言葉を使って、まるで占いに行ってきたかのような中身のない記事を書いていることだ。
そう、「占い」みたいなんだよね。自分に都合のいいこと(言語と文章作成能力が高いって部分かな?)、言ってほしかったことをちらちらと織り交ぜて書いてるのは、占いの結果をSNSの日記に書く人とそんな変わらないんじゃないかとも思う。
BLOGOSとかにも投稿している人だから、なにかしら情報を得られると思っていたのに・・・読んでいて、なんかもう、私や周りの人が真剣に悩んでいたことをこんな風に雑に扱う人がいるのかと思うと悔しくて泣きそうになった。同世代なのに恥ずかしい。それともあれか、私の感じ方がおかしいのか。

その後の言及がないところを見ると、北条さんの中ではホットな話題ではないみたいなんだけど、「どういうテストを受けたのか」「自身がASDとどう向き合っているのか」というのは、ライターという立場でブログを書いているならしっかり伝えてほしいと思う。いわば、上に書いた「中身」の部分だ。
でももし、ASDのことを自分を売り出す属性(=アクセサリーの一つ)だと少しでも捉えているのなら、どうかもうこのことについては書かないでほしい。

あ、あと該当記事とは関係のない話だけど、ファッション雑誌の中身を撮影してブログに載せているの、無許可ですよね。著作権法的によろしくないので、無許可なら即刻やめたほうがいいと思う・・・

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