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ヴァイキング時代の三日月の魔除け


三日月のアミュレット (魔除け)

ヴァイキング時代のスラヴ圏で人気のあった女性のアクセサリーといえば、クレッセント (三日月) と、サン クロス (太陽十字) のペンダント。

クレッセントの方は通称「ルヌラ」と呼ばれます。
ルヌラとはすなわち三日月のことで、指の爪の白い部分もルヌラと言いますね!

中世前期と呼ばれる9-11世紀、ヴァイキング時代のスラヴ圏でこの三日月型のアクセサリーが流行りました。
不幸をそらす力と、魔除けの力と、邪視を除ける力を持つとされ、女性に身につけられていました。

→(関連記事:「北欧と東欧のヴァイキング」


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(スウェーデンのビルカで見つかったルヌラのペンダントヘッド)

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(スラヴ圏とスカンジナビアで見つかるルヌラのアクセサリー)

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(ヴァイキング時代の様々なルヌラ)

邪視=Evil Eye

古来より「Evil Eye (邪視) 」と呼ばれる悪意のある他人の視線、時には何気ない他人の視線などは、向けられた者に災いを招くものとして世界中で広く信じられ、この邪視を跳ね返すための様々なお守りやサインが考え出されてきました。

その一つがこの三日月型のアミュレット「ルヌラ」です。
現在のウクライナ、ベラルーシ、ロシア、ポーランド、ラトビアなどのスラヴ圏で主に身につけられていましたが、
スウェーデンなどスカンジナビアのヴァイキング遺跡でも見つかっています。

ローマ帝国からやってきた?

この三日月のアミュレットが、キリスト以前のスラヴ圏の信仰に基づいたものなのかどうかは分かりません。
しかし、同じ形状で同じ意味を持つアクセサリーはローマ帝国で古代から女子に身につけられていました。

おそらくスラヴ圏で流行ったこのアクセサリーはローマから渡ってきたものかと想像出来ます。
ローマでは誕生日に父親や男性がこのアクセサリーを贈っていた記述を発見することができます。

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(ローマ帝国領エジプトの女性が身につけるルヌラ)

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(紀元前100年頃、ローマ帝国統治下のギリシャのルヌラ)


 👇関連商品:「小型クレッセント アミュレットの首飾り」

古代ケルトもルヌラ

ケルト人も古くからルヌラを身に着けていた様です。
ローマ軍団はケルト人と戦った経緯から、こういった文化のクロスオーバーがあった事も想像出来ます。

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(鑑定済みの古代ケルトのルヌラ、、、として販売されてたもの)

また、古代のケルト圏では襟に着ける金のルヌラ「Gold Lunula (黄金の三日月)」が女性に身につけられていた様です。
およそ紀元前2500年から2000年の間に作られたとみられるものが、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、イングランドのコーンウォール、フランス北西部などで見つかっています。

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(黄金の三日月を身につけた女性、'00年頃の絵)

残念ながら用途はわかりませんが、上の写真は「サン クロス (太陽十字)」のアクセサリーと一緒なので、もしかしたらこの黄金の三日月は何かのお守りや魔除けの意味を持っていたのかもしれませんね?

三日月アミュレットのルーツは?

古代のケルト圏からローマに伝わったものか、それともその逆か。
はたまた古代のスラヴで始まった風習なのか?全ての地域で同時発生しているものなのか?
全く謎ですが、こんなに古く歴史の長いもののルーツを追求するのはあまり意味のない事ですね、、、。

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(現代に蘇るスラヴ スタイルのルヌラ)

ルヌラの持つ意味

月の周期や満ち引きが女性のバイオリズムに影響を与える事から、月は古来より女性と関連づけられてきました。
三日月のアクセサリーが象徴するのは魔除けや邪視除けの意味だけでなく、女性の健康や子宝などを祈願する意味合いもあった様です。

魔除けとしては、この半月の形状が災いを自分から「逸らす」様に考えられてきたのでしょう。
女性の魔除けのお守りとはこの様な理由から来ているのでしょうね。

そういえば馬蹄は今では幸運のお守りですが、古くは家の入り口にぶら下げておく「魔除け」だった様です。

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(鉄の馬蹄)

馬蹄が魔除けというのはケルトの神話が起源だという説や、鉄が魔除けになるという説など由来は色々ありますが、もしかしたらその「三日月型」に意味があったのかもしれませんね。

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