すべきだったこととは



私は本当にそうすべきだったのだろうか
因果の中で
なすがままに生かされて
明日を過ぎ

東に「こうした方が良い」
と言った人が現れて
東に向かい、

西に「ここは避けた方が良い」
と言った人が現れて
南へ向かい、

何か道しるべにそって
あたかもそうであるかのような道を
歩いているような気分で

何もその根拠がないはずなのに
それが答えであるわけでもないのに
流されて
孤独のような毎日が
ひたすら続く

ふと立ち止まって
小さな雑貨屋のショーケースを眺めながら
「私は本当にそうすべきだったのだろうか」
そう問う自分がなぜか

切なくて
貴重で
優越的で
虚無で
万能的で
何か不思議な力に守られているかのような
安心感の無さが
フィーリングを突き抜ける

明日は何か変わるだろう

明日は何か変えよう

思うほどの余裕もなくて
思うほどの努力もなくて
毎日が消費される

私は本当にそうすべきだったのだろうか
頭はそれで確かか
心はそれで確かか
体はそれで確かか

絶望と希望の間に
将来が垣間見えて
現在からの脱出を
ただ考えて

南に向かう

私は自由だ




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