なだぎ武が10代の時に引きこもっていた話

なだぎ武は中学の頃にいじめられた経験から15〜17歳の間で自宅に引きこもっていたらしい。食事の意欲を失い、元々は身長130cm60kgの肥満体でいじめられていた彼が後半はガリガリに。栄養失調で入院したとき、医者から「こんな生活してたら死にますよ」と告げられる。「俺死ぬんや…あっ、でも、死にたくないな」と自分に生きる意欲があることを自覚する。

なにか行動しなければ。その頃『男はつらいよ』にハマっていたなだぎ、寅さんのような人間力を身につけたいと思った彼は、人生初の一人旅に出ることを決める。目的地は広島県尾道市。映画「転校生」で主人公の身体が入れ替わるシーンの神社を訪れてみたい。スマホがない時代。旅行は、人に道を聞かなければ目的地に辿り着けなかった。勇気を持って地元の人に道を尋ねる。親切に教えてもらう。1回の成功が2〜3回目の質問をするときの後押しになる。

目的地に辿り着き、安心したところで急にお腹が減ってきた彼は、近くの定食屋に立ち寄る。(せっかく広島に来たのだから)と生牡蠣を注文。美味しくいただいたのだが、店を出てしばらくしてから強烈な食あたりに見舞われる。上からも下からも水分が止まらない。ただちに脱水症状に陥る。

そこへたまたま近くを通りかかった40代の女性から「大丈夫?」と声をかけられる。救急車を手配してくれる。救急車に乗ったタイミングで意識がなくなる。なだぎが手を覚ますと病院で点滴を打っていた。隣にさっきの女性が付き添ってくれていた。なだぎが、これまでの事情を説明する。しばらく話を聞いた女性が「そうなんや。それやったら、うち来る?」。それから病院を出て、30分ほどタクシーで移動する。彼女は旅館の女将だった。女将の好意で1泊泊めてもらえることになり。この時の経験は、なだぎの人生のターニングポイントになる。

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