11/15(日)エリザベス女王杯レース回顧

エリザベス女王杯に出走した全頭の回顧を行いましたので皆様の参考になればと思います。
個人的な主観で書いておりますので、ここは違うだろとか、こうだと思うとかのご指摘があれば、コメント頂けますと有難いです。

今回のエリザベス女王杯ですが、これっといった逃げ馬がおらず、押し出された形でノームコアが逃げる展開になり、その後ろを少し開けてリアアメリア、ウインマリリン、サムシングジャストがいて、ソフトフルート、エスポワール、シャドウディーヴァ、ウインマイティーが続き、その後ろにリュヌルージュ、ミスニューヨーク辺りがおり、ここから有力勢のラヴズオンリーユー、ラッキーライラック、サラキア、ロザクラウカがいる展開になり、センテリュオ、サトノガーネット、カーロンバンビーナが最後方という隊列となりました。

ラップに関してはあまり詳しくないので、多くは語れませんが、馬場が速かったとは言え、逃げ馬がいなかったことと先行したい馬(リュヌルージュやロザクラウカ)があまりスタートが良くなく後方からになったも関係して、全体的にはスローな展開になったとおもいます。
また、勝ったラッキーライラックとウインマリリン以外は、ディープインパクト産駒が上位に並び、高速馬場適正が求められたのではないかなと思います。下位の馬を見ると、どちらかと言えばスタミナを活かしたタイプが多くなっています。

それでは各馬の回顧に進みます。

1着:ラッキーライラック

 大外枠からまずまずのスタート決めると、前に行ったエスポワール、ミスニューヨークの後ろの位置をとる。馬群的には12番手辺り。3角へ入った過ぎ、残り800mから位置を上げていき、残り600mでほぼ馬群の先頭にならび。4角から直線に入るところで一気に加速し、直線を向いた時には先頭に立つ。直線は、サラキア、ラヴズオンリーユーに迫られるも、逃げ切り勝ちを収める。
今回もルメールの上手さとラッキーライラックの能力の高さが素晴らしかった。仕掛けどころがよく、前の馬を捕まえられ、後ろの馬に届かせない絶妙の仕掛けだった。 
個人的には抑えの評価でした。去年のエリザベス女王杯、今年の大阪杯とラチ沿いで脚をため、直線でうまく抜けてくる印象があり、大外枠の今回は、勝ちはないだろうと決めてしまったことがすべてでした。
「競馬(G1)はルメール」というもはや格言もあるくらいだし、前回の天皇賞秋のフィエールマン同様に重賞複数回優勝を軽視しないという過ちをまた繰り返してしまったことを反省したいです。それにしてもルメール以外の騎手であれば、勝ち切ることは不可能であったと思います。
今年で引退の馬なのであと、1戦見れることを願いたいと思います。(回顧している間に有馬記念を目指すことが発表されました。)

2着:サラキア

スタートはそろっと出た後、ラッキーライラックとラヴズオンリーユーの後ろの後方から4,5番手の位置をとる。道中も前述の2頭を見る形でレースを進める。3角ごろから前のラッキーライラックが動くも、この馬はまだ動かず、4角にはじめ辺りで動き前へとポジションを上げていき、直線を向くころには大外から1つ内に持ち出すと上がり最速で追い込むとゴール板前でラヴズオンリーユーは交わすもラッキーライラックには届かずの2着。 
私の印としては対抗(〇で2番手)の評価でした。牝馬は勢いが大事でしかもディープインパクト産駒らしく、2走前の小倉日経賞、前走の府中牝馬を北村騎手と連勝してきたサラキアは、買い要素しかなく、評価も間違っていなかったと思います。 
一番もったいなかった点は、ルメールも勝利騎手インタビューで言っていましたが、仕掛けがラッキーライラックに比べたら遅れたことかなぁと思います。これまで脚をためて勝ってきたことを考えれば北村騎手の判断も間違っていないと思いますし、今回は、ラッキーライラックとルメールのほうが上手だったということだっただけのことだと思います。馬が本格化していると思うので崩れるまでは抑えていきたいと思います。

3着:ラヴズオンリーユー

 スタート出たところで他馬と接触あり。馬群のやや後ろ目、11番手に位置する。3角でラッキーライラックが動いたあたりから外目にポジションを移していき、ラッキーライラックを追ってポジションを上げていく。前にいたミスニューヨークやサラキアと直線を向いたところで外へ出していき、上がり2位で追い込むもサラキアよりも先に動いた分、ゴール板前で交わされてしまい3着。 
中間の過程に順調さを欠く馬らしく、ヴィクトリアマイル、鳴尾記念、府中牝馬と本来のパフォーマンスを見せていなかったが、矢作調教師のコメントにも今回の仕上がりは85~90点のことで久しぶりに良い状態で臨めた1戦だった。9割の出来があれば、並みの牝馬よりも能力は上で、オークスを勝っているように高速馬場適正もあったが、私個人的には、どこまでやれるのか疑問だったので抑え評価としてしまった。今後も陣営の戦前のコメントを確認し、状態が良いのであれば、上位評価したい。

4着:ウインマリリン

 スタートよく出ると3番手に位置をとる。道中はラチ沿いから1つあけた位置だったが向こう正面でラチ沿いへ位置を変える。3角で後方の馬がポジションを上げていくなか内で脚を溜める。直線を向いてからはラチ沿い突くと、下がってきたノームコアやリアアメリアを交わすも、外の馬には及ばずの4着。 
秋華賞の中間が順調ではなく、戦前のコメントでは仕上がっているとのことであったが、肝心のレースも直線で伸びない内を通り、レース後のコメントでも、久々の影響か力を発揮できなかったとあり、やはり1戦叩いたほうが良い馬なことが改めてわかった。今回は消しの評価で、幸いにも4着であったが、秋華賞の回顧コメントにも「エリザベス女王杯でもよさそう」と書いたとおり、上位評価しなければならない1頭であったことは反省したい。

5着:センテリュオ

スタートよくでたが、いつも通り、後方から3番手のラチ沿いでレースを進める。3角で前にいた上位馬が先に上がっていき、外目に進路を探していくが、横にもサトノガーネットが来てしまい、大外にも出せない状況となってしまった。直線を向いてから必死に追うも前の3頭も手応えがよく。上がり3位で追い込むも5着。 
今回、私の本命でしたが、戸崎騎手のコメントにも有る通り、後方の位置取りになってしまったことがすべてだと思います。結果的にも前哨戦では戦っていない、3頭と3歳馬の1頭には負けてしまうという結果になりましたが、上位の能力を見せることはできたと思います。G1では位置取り1つが結果に直結するということが改めて思い知らされました。

6着:ソフトフルート

 好スタートを決めると、馬群の2列目5番手あたりでレースを進める。この馬も3角まで馬群の前目でレースを進め、他馬が上がっていく中、内で脚を溜めていた。リアアメリアの内を突こうとするも、ノームコアが下がってきたため、リアアメリアの外側へ進めたが外馬には及ばずに6着。 
今回は私の3番手評価(▲)でした。秋華賞とは違い、馬群の前目に位置してレースを進める展開になり、うまく立ち回ったと思うが、古馬を相手にすると1歩足りない印象だった。先週あたりから3歳馬の巻き返しがちらほら出ているが、3歳と古馬では1つ壁があるとは思う。

7着:リアアメリア

好スタートを決めると逃げたノームコアと少し開いた2番手につけた。道中もそのまま2番手でレースを進め、3~4角で他馬が迫ってくるも、残り200mまで直線で先頭に立ったラッキーライラックに続いた2番手に位置していたが、そこからは後方から来た馬に差されてしまった。 
私の評価では、左回りが得意かと思っていたが、阪神JFや桜花賞などは後方で競馬をしていたが、1夏超えて、前目で競馬できるようになり、高速馬場であれば、対応できることを覚えていきたい。来年のヴィクトリアマイルではグランアレグリアが居なければ好勝負になるかと思う。

8着:シャドウディーヴァ

スタートはまずまず。普段通りであれば、後方からになっていたと思うが、ラチ沿いをと入りにくる馬もおらず、馬群の3列目ラチ沿いと普段よりは前目の位置をとったと思う。道中もラチ沿いを進み、3角から後方の馬が外へ出していくも、ラチ沿いから変わらず。3角からやや詰まり気味で直線を向いてからも進路があかず、じりじりと脚を使うも8着。 
右回りが課題と言われていたがそれほど苦にはしていなかったと思う。それよりも馬のタイプと鞍上的にも最内枠が響いたように見える。やはり外目の枠ならもっと脚を使えた思う。馬場が極端に悪いと脚が鈍るが、個人的に好きな馬でもあるので、外目の枠なら今後も狙っていきたいと思います。

9着:サムシングジャスト

内枠から好スタートを決めると、馬群の2列目のラチ沿いに位置する。道中も変わらずラチ沿いでレースを進める。3~4角にかけてもラチ沿いで進め直線も内を突くも前にウインマリリンがいたため、進路があかず、じりじりと足を使うも9着。
ヴィクトワールピサ産駒の牝馬らしくこれからも活躍する場もあるかと思うし、追っていきたい1頭です。

10着:ミスニューヨーク

スタートしてからやや出していき、馬群の中団(10番手)でレースを進める。3角でウラヌスチャームとラッキーライラックが位置を上げてくると、この馬も合わせて位置を上げいき、4角から直線でラッキーライラックの1つ外を回していくも、伸びず10着。 
前走の秋華賞では4角で詰まり気味(ごちゃついた)ことから次走の狙い馬にしていたが、古馬の1級レベルとの対戦ではさすがに能力が足りなかった。やはり前走馬券に絡んで欲しかった。3勝クラスやOPクラスであれば、能力は足りると思うので期待してみたい。

11着:サトノガーネット

 スタートはやや遅れ気味で馬群の最後尾に位置する。道中も最後尾に位置し、3角から位置を上げていき、4角では大外回して追い込むも11着。
いつも通りの展開(34.3)で追い込むも展開と位置取りがやや厳しかったし、戦歴から距離的にも2000mぐらいまでのほうが良い気がした。差し有利の展開になれば、牡馬相手にも健闘する馬なので狙い時を見極めたい。

12着:リュヌルージュ

スタートがあまりよくなく、想定していた前目の位置ではなく、馬群の中団からとなってしまった。1~2角ではラチ沿いを回り、向こう場目では中程を進み、3~4角では他馬が外に上がっていくところをここでも中程で上げていき、直線でも馬場の中程を進んでつまり気味だった。
後方からになったことで多少は上がりの脚が使えたかもしれないがG1レベルでは厳しかった。前目で競馬できれば、もう少しやれる馬だと思っているので、少し期待したい。

13着:ウラヌスチャーム

スタートはやや遅れ気味で、馬群の後方からになる。向こう正面までは、後方でレースを進め、3角から一気に位置を上げていき、4角前には先頭集団に並ぶ、前走の新潟牝馬Sと同じようなレース運びを見せた。この馬も上がりの脚が切れるタイプではないので、直線勝負になってからは分が悪くなり、13着と終わってしまった。
ウラヌスチャームに逃げを望むような声もあったがもともと逃げ馬ではないのでそれはさすがに厳しいのではないかと思う。直近勝った2回は横山親子の神騎乗なので、タフな展開(とくに左回り)で狙いたい。

14着:ウインマイティー

近走スタートがあまりよくなかったが、今回はすっと出た後、出していき馬群の前目で(7番手)でレースを進める。1~2角では馬群の中だったが、向こう正面から外目に出した。3角から前との距離を詰めていく。4角では、ウラヌスチャームが前に入ってきてしまい、ややポジションを下げてしまった。個人的には4角から手応えが怪しく。最後は厳しかった印象であった。

15着:ロサグラウカ

スタートで出遅れ、この馬も重賞レベルでは能力が足りていないと思います。関西や新潟遠征時の成績はまだ良いところがないので、関東での長距離OPクラスがあれば。

16着:ノームコア

好スタートを決めると、他に逃げる馬がいなかったこともあり、1頭で逃げる展開になる。既に論議はされていると思うが、1000mの通過は59.3だったが、それほど早いというわけではなく、ノームコアが2番人気であったため、ラッキーライラックが早めに潰しに来たこと。その結果、最後は余力もなくなり、下がっていってしまい、最終的には16着。横山典騎手のコメントには久々の分とあったが、距離2000mがぎりぎりであった方が大きいのではないかなと思います。

17着:エスポワール

 スタートはそれほど良くなかったが、出していき、馬群の2列目外側を追走。道中も位置が変わらず進め、徐々に前との差を詰めるも、3~4角で他馬が後方から迫ってき、直線での上がり勝負になるも、切れるタイプではないため、下がっていってしまい、17着。
スタミナ勝負にならず、スピード勝負になると厳しかった。外から出していって前目につけていったことも原因か。騎手のコメントによるとペースが上がったときに辛くなったとのこと。狙い時が難しく、現状では道悪がねらい目か。

18着:カーロバンビーナ

スタート後挟まれてしまい後方からになってしまうと終始最後尾で良いところがなかった。能力不足。

総括

今回もルメールの上手さが光ったG1になったと思います。私が騎手をしたことがないのでこんなことを言うのは申し訳ありませんが、ルメールは当たり前のことをしていて、それ以外の騎手ができていないようにも思えてきます。秋には入ってからは秋華賞のサンクテュエール以外は常に馬券に絡むような騎乗を見せているので。。。
今回のエリザベス女王杯も3角がすべてで、ルメールが絶妙なタイミングで動いたことでノームコアに楽な展開を作らせず、サラキアやラヴズオンリーユーにも差されない展開は本当に見事でした。
先ほどは、騎手を批判するようなコメントをしましたが、今回の結果からもリーディングの上位騎手が上位を占めているので、また馬の質が上位騎手と下位騎手ではなれてしまい、買える騎手が限られてきてしまうような気がします。もちろん例外はあるかと思いますが。
個人的な反省としては、秋華賞と同じようにG1複数回勝利馬を甘く見てしまったことや適正を見誤ったことです。次回は毎回の回顧を活かせるようにしたいと思います。

長くなり申し訳御座いませんでしたが、最後までお読み頂きありがとうございました。

以上

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