無知は恥と反省した日

空飛ぶスパゲッティモンスター教という宗教がある。

知り合いがその宗教に入信したと聞いて、初めは何のことだか分からなく、ただその強烈な印象の宗教名が頭から離れなかった。

空飛ぶスパゲッティモンスター…

名前だけでじわじわと笑いが込み上げてくる。

きっと、スパゲッティモンスター様なるものを崇め奉るものなんだろうなと思った。
そして、宗教ということは、讃美歌や聖書なるものがあるのかと考える。けれど、名前のインパクトが強すぎるのか、全くと言っていいほど想像できない。

想像できないのがちょっと悔しいので、適当にこんな感じだろと頭に浮かべてみるも、頭の中にいるスパゲッティモンスターは、えらく気味の悪い存在になってしまう。可愛くしても無理があった。

大阪万博のミャクミャク様といい勝負だ。

スパゲッティモンスター様が何をどうしてこの世の者たちに与えるのか。スパゲッティモンスター様とは、一体何者なのか。クトゥルフ神話に出てくるような正気度を失ってしまうような見た目なのだろうか。というか、この宗教はカルトのようなものなのではないのだろうか。最近ではある宗教団体が問題になっていたりするが、この空飛ぶスパゲッティモンスター教は、問題ないのだろうか。

前置きが長くなってしまって恐縮ですが、初めてこの話を聞いた時はだいぶ気が動転していました。上の文章のように。

ただ、一言言えるのはまったくもって、と申しますか、この宗教は知ってて損はないように思ったとだけ。調べてみるとなるほどと思えるものがありました。

ざっくり説明しますと、この空飛ぶスパゲッティモンスター教はアメリカで生まれた宗教だということ。

そして、子どもたちに対して、宗教的な理由から教えることを控えられている内容も、教えていったほうがいいんじゃないか?という大人の意見から生まれたものだということ。

アメリカではキリスト教の信者が多く、聖書のお話にあるように、神様が人間を作ったという説がある。

これに対して、人類学では進化論。ホモ・サピエンス、原始人のように、生命の進化から生まれたヒトという存在。という考え方がある。

ファンタジーな内容を好む私目線からすると、神様が私たちを作ったという話を信じたくなるが、現実問題、この進化論を見ると身も蓋もなくなる思いになる。

つまるところ、アメリカでは聖書のお話を信じている子どもたちという稀有な存在に、進化論という現実味を帯びた冷たいお水を出すか出さまいかということで、少し問題になっていたそうな。

スパゲッティモンスター様が生まれたのもこれがきっかけで。神様じゃない何かが私たちを作ったというのなら、それはスパゲッティモンスター様に違いない…的な実にアメリカンな皮肉を絡めた自由な発想から、この印象深い名前の宗教が生まれたらしいです…。

調べてみるとより深みのあるものが知れます…。ここではそれらを書くつもりはありませんが、書いてる身としては、実に面白く、愉快だけれど、その内容は実によく考えなければならない真面目なものだという点から、非常に興味を持った。

まだ知らないこともたくさんあるので、もっと調べてみたいと思う。

知り合いも冗談で言ったのかと思ったが、その胸の内にはきっと、様々な考えが入り混じっていたのかと思うと、その発言を聞いて酷く爆笑してしまった自分が情けなくてならなくなった。反省している。

何も知らないことを鵜呑みにして他者に対して悪態をとってしまった。恥だ。

けれど今回は名前がすごかったから他責にしても良いのではないかとも思う。

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