『人形に録音された、知らない子供の声の謎』の男女問題について

以前『人形に録音された、知らない子供の声の謎』という記事を書きました。


この記事にある部分について、補足説明をいたします。


ここについて
「女性とは限らない。加々良が同性愛者だった場合、犯人は男性(つまり、夫である木下夏幸)かもしれないじゃないか」
というご指摘を多くの方からいただきましたので、ご説明したいと思います。

栗原がなぜ「女性である可能性が高い」と、半ば断定的に言ったかというと、彼は木下夫婦の立場を考えて推理をしたからです。

木下夫婦は、色仕掛けで加々良を誘い、復讐する計画を立てました。
このとき、夫と妻、どちらが実行犯になるか、という問題になる。
加々良が異性愛者だったら妻、同性愛者だったら夫が実行犯になるのが適切です。しかし、木下夫婦は加々良の性的嗜好を完全に知っているわけではありません。ですので、この復讐には、ある程度の賭けが含まれるのです。

当たり前ですが「少しでも成功率が高い方に賭ける」のがギャンブルの鉄則です。

木下夫婦はどうしても加々良に復讐をしたい。失敗は許されない。
その状況において、夫が実行犯になる=加々良が同性愛者であるほうに賭けるのは、夫婦にとってあまりにリスクが大きすぎるのです。
日本の全人口におけるLGBTの割合は1.6~8.9%とされています。つまり、多くても1割に満たない=成功率は1割未満ということになります。

この計画は一度失敗すれば、二度とチャンスはありません。
地方に住む中学生が大人からナンパされるなどというレアケースが、一度ならまだしも、短いスパンで二度も起きれば、さすがに警戒心を抱かれます。

ゆえに「木下夫婦が、成功確率の低い計画をわざわざ選ぶとは考えられない」+「計画は一度目で成功したはずである」という二つの推測を組み合わせ、栗原は「犯人は女性」という結論に達したのです。



(。)  ←うさぎのおしり


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