2023 青年部教学試験3級 試験範囲「立正安国論」④ 第9段 第41章、第42章

大白P47
第9段 二難を予言し立正安国を論ずる
第41章 正法・正師に帰依することを願う

(←客による客の決意に近い意味を含んでいる)

本文解説
客則ち席を避け、襟を刷って曰わく、
仏教かく区にして旨趣窮め難く、不審多端にして理非明らかならず。
ただし 法然聖人の 選択 、←Q. 何か?     法然著者の「選択集」
現に在るなり。
諸仏・諸経・諸菩薩・諸天等をもって
捨閉閣抛 (しゃへいかくほう) →読めるように
に載す。
その文顕然なり。
これに因って、←「これ」とは何か?   法然聖人の「選択集」
聖人国を去り善神所を捨てて、天下飢渇し世上疫病すと、今、主人、広く経文を引いて明らかに理非を示す。

故に、妄執既に翻り、耳目しばしば朗らかなり。
 詮ずるところ、国土泰平・天下安穏は、一人より万民に至るまで好むところなり、楽うところなり。

Q. 国土泰平・天下安穏となるためにどうすればいいか?
A. 
①早く一闡提の施を止め、→一闡提(極悪人)へのお布施を止める
     ②永く衆僧尼の供を致し、→永く正法を護持する僧や尼を供養する
     ③仏海の白浪を収め、→仏である海の盗賊を抑える
     ④法山の緑林を截らば、→法である山の盗賊を切る

世は羲農の世と成り、国は唐虞の国とならん。
しかして後、法水の浅深を斟酌し、仏家の棟梁を崇重せん。→意味: その後、仏教である家の棟木や梁というべき正しい指導者を崇め重視しよう。
 

第42章 二難を予期し謗法の対治を促す

主人悦んで曰わく、
鳩化して鷹となり、雀変じて蛤となる。
悦ばしいかな、汝、蘭室の友(らんしつのとも)に交わって麻畝の性と成る
←Q. どういう意味か? 
A.私は、 蘭(の花のように香り高い)部屋で友人と交流して感化を受け、麻畑に生えるヨモギのように真っすぐな性質になった。

誠に①その難 を顧みて専ら ②この言 を信ぜば、
→①Q. その難とは、どんな難か?
A.  近年の災難、とくに、正嘉元年(1257年)8月に鎌倉一帯を襲った「正嘉の大地震」
→②Q. この言とは、何か?
A.  大聖人が述べられたまだ起こっていない二難が起こるので、速やかに謗法(法然の念仏宗)を捨てよ。との言葉
→Q. この言葉を信じたならどうなるといっているか?
A. 
風和らぎ浪静かにして不日に豊年ならん。→風は和らぎ、浪は静かになって日もたたずに豊年(稲の豊作など)となるだろう。

ただし、人の心は時に随って移り、物の性は境に依って改まる。譬えば、なお、水中の月の波に動き、陣前の軍の剣に靡くがごとし。汝、当座に信ずといえども、後定めて永く忘れん。もし、まず国土を安んじて現当を祈らんと欲せば、速やかに情慮を廻らし悤いで対治を加えよ。

ここから↓は、各文証の抜粋により、覚えなくてよい。だいたいの内容を押さえておいてください。
 【所以はいかん。
薬師経の七難の内、五難たちまち起こり、二難なお残れり。いわゆる他国侵逼の難・自界叛逆の難なり。
大集経の三災の内、二災早く顕れ、一災いまだ起こらず。いわゆる兵革の災なり。
金光明経の内の種々の災禍一々起こるといえども、他方の怨賊国内を侵掠する、この災いまだ露れず、この難いまだ来らず。
仁王経の七難の内、六難今盛んにして、一難いまだ現ぜず。いわゆる、四方の賊来って国を侵すの難なり。しかのみならず、「国土乱れん時はまず鬼神乱る。鬼神乱るるが故に万民乱る」と今この文に就いてつぶさに事の情を案ずるに、百鬼早く乱れ、万民多く亡ぶ。】


先難これ明らかなり、後災何ぞ疑わん。→先に起こった災難はこのように明らかであり、後に残った災難(まだ起こっていない二難じかいほんぎゃくなん、たこくしんぴつなん)が起こることをどうして疑うことが出来ようか。

もし残るところの難、悪法の科によって並び起こり競い来らば、
その時いかんがせんや。→その時どうすればよいか。

帝王は国家を基として天下を治め、人臣は田園を領して世上を保つ。しかるに、他方の賊来ってその国を侵逼し、自界叛逆してその地を掠領せば、あに驚かざらんや、あに騒がざらんや。国を失い家を滅ぼさば、いずれの所にか世を遁れん。

汝、すべからく一身の安堵を思わば、まず四表の静謐を禱るべきものか。

→どういう意味でしょうか。自身で考えてみましょう。とても大切ですね。


解説(くりかえしになりますが)


客 則ち席を避け、襟をつくろって曰わく
(客はそこで座っている敷物から下り、襟を正して言った。)
この章では、最後の章につながる客の「共に戦おう」との決意へまでの変化が述べられている。

法然の「選択集」に書かれている(日蓮の仏法を)捨閉閣抛(しゃへいかくほう)しろ!
というのは、日蓮大聖人が何度となく謗法に値するためにそれ(法然の念仏宗)を捨てて正法に帰依しよと訴えているのに、まだ、客はここの段ではその法を捨てることは決意できていない。
 しかし、それが原因となって、聖人(世間一般でいう優れた人)は国を去り、善神は所を捨ててしまい、天下は飢饉に苦しみ、世間に疫病が流行している。ということは分かった。そして、私の法然への強い執着はもはや翻り、正邪を聞き分ける耳と善悪を見分ける目がはっきりとした。と客が述べている箇所である。
 本文「詮ずるところ~」で、結局、同じ平和を願うものとして大聖人の言葉に賛同している箇所となる。
本文「早く一闡提の施を止め~」では、覚えなくてもいいが、内容だけは把握されたい。

参考文献
大白蓮華7月号「2023年 教学部初級試験 青年部教学試験3級のために」

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