私は、貴方の半歩後ろを歩いている
毎年のことながら、
何かを期待しては、葬って
また、掘り起こしては隣に置いた。
根拠のない確信をしていた。
貴方が変わらないでいてくれるだけで良かった。
*
誕生日なんて呆気ないね。
誰の記憶にも残らないなら、
私は存在していないから、
生きていないのと一緒。
なんでみんなそんなに
大切にするのか分からない。
平成最後の、なんて、
どうせまた似たような理由を付けて
特別にしたがるんでしょ。
変わらないでいい。
そのままでいい。
何も特別なんかじゃない。
ずっと、誰も追い越さない場所で
誰かの後ろ姿を見て、安堵してたい。
私は主役じゃなくていい。
梅雨っていう季節は雨が降る。
そんな、当たり前の世界でいい。