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花様年華〜21-2. save Hoseok and Jimin #1

21-2. save Hoseok and Jimin #1

→つづき


『この前のタイムリープでホソクとジミンが同じ病院に入院していることが分かったんだ。ホソクは常飲している薬の入手ルートさえ分かれば特に問題ないんだけど...』

私から質問しなくても、ジンは口を開けばタイムリープの時の話ばかりになってきた。
言い方は悪いが、どうでもいい話だ。
もう既にジンの提出したレポートに事細かに書かれている。
一応、担当研究員として何度も読み返すし、文章から精神の錯乱が表れていないか、隅々まで分析もしている。

ジンの過去への熱っぽさに正直飽き飽きしていたのだ。

リリーフピリオドは短縮され、ジンと過ごす時間もその分減っている。
それでも顔を合わせれば過去のことばかり話すジンにため息が出そうになる。

最近、私の部屋に貼られた「婚約証明書」が色褪せて見えてきた。

『ねぇ、ヌナ?聞いてる?』

聞いてる聞いてる。
もう何回同じ話するの?

ジンと同時進行で進めている、研究所の「表向きの」研究資料を片手に私は頷く。

『ジミンを病院から連れ出すにはジミンの親にあいつを探すことを諦めさせなくちゃいけないんだ。何か良い方法はないかな?あんまりこれだ!ってのが思い付かなくて...8回目のタイムリープはもう明日なのに!』

劇的なご様子で頭を抱えるジンにとうとう、ため息が漏れ出てしまった。

『ジン。良いアイデアが思いつかないならリリーフピリオドを延ばして...』

『それはだめっ!』

ジンは長い腕でバツ印を作ると、そのままベッドにうなだれて目を閉じた。

ねぇ。
もう眠ってる顔ばっかり嫌なんだけど。

…あー、だめだめ!
すごくネガティブになってる。
ジンが納得いく形で最後まで試験を終わらせることが、ジンと私が幸せになる近道なのに...

『ねぇジン』

『なぁーにぃ』

目を閉じたまま、ジンは子どものように返事をする。

『それぞれに手紙を書くの。病院にはジミンさんの両親から、ジミンさんの両親には病院から』

『どっ...どういうこと?』

大きな目を見開いてジンが飛び起きる。

私のアイデアを一通り話すとジンが嬉しそうに私の手を握りしめた。

『ヌナッ...天才だよっ!うん...うん!それでいこう!明日、ホソクとジミン2人同時に病院から連れ出せるよ!』

もう...
そんなにキラキラした瞳で私を見ないで。

私は...
ジンと私のことばっかり考えてるんだよ?

素直に気持ちを表現するジンに、不安定な心を見透かされそうで目を合わせられない。

『ヌナ?』

本当はいつだって私のことだけ考えていてほしい。
いつだって抱きしめてほしい。
ジンがそばにいなくちゃ。
私なんて何にも残らないんだよ。

「ジンの...ばか」

俯いて小さく呟く私をジンは責めない。
日本語の意味を分かっているけど、とびきり優しく温かく抱きしめてくれる。

『ヌナ。もう少しだけ待ってて。みんなを救って、ヌナを幸せにする。僕が今、一番守りたいのはヌナなんだから』

触れる唇の温度に胸が締め付けられる。


次のタイムリープを終えて、この言葉が指の隙間から、あんなに簡単に溢れて落ちていくなんて。

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