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春はあけぼの、とは言うけれど、私としては春眠暁を覚えずって方がしっくり来ちゃう。一年中、いや、夏以外はいつでも良く眠れる。暖かくなってきたなあ。
菜の花が鮮やかで爽やかで美味しい。辛子和えの美味しさがわかるようになった今年。とうとう菜の花を買って、辛子和えを作った。
今までは山菜の美味しさがよくわからなかった。ちょっと苦くて渋いような、食べ慣れない味に戸惑って、美味しさがわからないまま旬を終えていた。
旬の食べ物が美味しいことは母と祖母が美味しく食べさせてくれることでよくよく知っていたけれど、山菜たちは未知だった。
小さい頃から道端に生えている食べられそうな色や匂いの植物や木の実を見ては、母に「これって食べられる？」と聞いている。山菜がおいしくなってきた最近、あれも食べられそう…あれは食べ頃を過ぎてるな…と食べる前提で植物を見ている。
植物が人間の言葉を理解していて、足が生えていたらすたこら逃げ出していただろう。
そろそろ菜の花の時期も終わってしまいそう。もう一度くらい辛子和えを食べてから春を過ごしたい。