良い環境は良い。SteamVR Trackingのback-facing hitsとはなんですか?

はじめに

こんばんは。SteamVR Tracking環境のトラブルシューティングをしていると、ベースステーションの光が反射して~という話を良く見聞きします。今回はその辺の問題を切り分ける指標として、back-facing hitsを紹介します。(紹介するだけ)

back-facing hitsとはなんですか?

(一般的に)ベースステーションから照射された光のうち、反射などによって間接的にトラッカーに入ってしまった光の数です。

どうやって見るの?

vrserverのログから確認することが可能です。

ログは以下のどちらかから
・SteamVRのデスクトップメニュー>システムレポートを作成>ログ
・C:\Program Files (x86)\Steam\logs

vrserver.txtが直近のセッションのログ、vrserver.previous.txtが直近のひとつ前のセッションのログです。ログ内で"back-facing hits"を文字列検索すると値を見ることができます。

Webコンソール(SteamVRのデスクトップメニュー>開発者>ウェブコンソール)でも確認可能です。

実際の値は?

では実際にどれくらいの値が適正なのでしょうか?
数万以上の数値は何かしらの反射物があるという言及を見たことがありますが、数値の評価をする際には少なくとも以下の二つを念頭に置いておく必要があります。

・トラッキングセッションの長さは毎回等しくなく、セッションが長ければ当然back-facing hitsも大くなる傾向がある。
・ベースステーションの数が多ければback-facing hitsも大くなる可能性がある。

上記のことから、数字が少ない方が良く、大きい数字はトラッキングに悪影響があるのは自明なのですが、数字を異なる環境で比べるのは少し難しいかもしれません。
トラッカーの電源を落とすとWebコンソールに数値が表示されるため、トラッカーの場所を変えながら一定時間でON/OFFし、トラッキングのデッドゾーンを探すという使い方はできるような気もします。

ほかにも

back-facing hitsの説明で一般的にという注釈をつけましたが、ほかにも以下の様な原因でback-facing hitsが発生している可能性も考えられます。(てきとうです)
・トラッカーのセンサー、またはトラッカー自体が壊れている
・ベースステーションが壊れている
・ベースステーションのIRフィルタが傷ついている
・HMDやトラッカーに付けたアクセサリやストラップに反射している
・トラッカーのセンサー部分が何かしらに覆われている

おわりに

今回はback-facing hitsを紹介しました。使えるか使えないか微妙な指標ですが、そういうのがあるんだな~程度に思っていただけたら幸いです。
良いSteamVR Trackingライフを


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?