Averageman keeps walking

 日曜日の夕暮れ時に放送されている、とある長寿番組。
 極めて平均的なサラリーマンが登場するラジオドラマがあります。
 2008年ぐらいでしょうか?エンディングテーマに使われていた曲。槇原敬之の「Average man keeps walking」という歌でした。

 この歌を聴くたびに、以前勤務していた学校での保護者に対するアンケートでの、メッセージを思い出すのです。

 そのお母さんは、子どもを公立の学校へ進学させたくなかったそうです。理由は、中学時代の様々な出来事だったそうです。
 バッグの中に、たまたま出し忘れていた携帯が入っていたことでお子さんが叱られたり、普通に頑張っている子どもを評価してくれていないと、感じていらしたようです。その反面、普段いい加減に過ごしている子どもが、ほんのちょっと成績が上がると、大騒ぎして褒め称える・・・。
 それが嫌で、子どもを公立の高校に進学させたくないと考えていたそうです。

 ところが、僕が以前勤務していた学校の、学校説明会に参加したお子さんが、そこへ進学したいと、言い出した。絶対にダメだというお母さんに。その子は「悪いことは、悪いってちゃんと指導してくれる学校だから」と説得して、進学したそうです。

 3年生になって、進路も決まり、保護者アンケートに、感謝の気持ちを書いてくださいました。

 一途に、真面目に、学校生活を送る生徒たち。ともすれば、目立たないそんな生徒たち。でも、そんな生徒たちに目を向けると、その直向きな努力が、学校を支えてくれていることが本当に伝わってきます。

 僕は、金八先生が好きではありません。尖った生徒ばかりに目を向けているように感じているからです。そういう生徒に目を向ければ、確かによくやっている教師だと、評価されるのかもしれませんが、本当にそれでいいんですかね?
 マッキーの歌のように、人混みに飛び込んだら、紛れてしまう普通の人たち。大切にすべきは、そういう生徒だと思っています。

 あの、保護者からのメッセージ。僕は、ことあるごとに思い出します。自分の流されそうになる気持ちを、いつも立て直すたびに、こうでなければ・・・と自分を戒めています。 


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