都内の縄文遺跡をめぐる⑤ 品川歴史館/モース色強めの展示
JR大森駅 徒歩10分 入館料:100円
大森貝塚遺跡庭園からまっすぐ歩くこと5分。品川歴史館は江戸時代の品川宿を中心とした郷土資料の展示のために設立された品川区立の資料館だ。
といいつつ、大森貝塚もあってかモース色が強めの展示となっており、2Fにはズバリ「モースコーナー」なるものがある。
そもそもモース博士は東京大学に招聘されて、大森貝塚の発掘は東京大学が主体となって行われたため、大森貝塚から当時出土した土器や土偶は東京大学に保管されていて、ここに展示されているのは全て「複製(レプリカ)」だ。
「注口形土器」を見て欲しい。注ぎ口は破損してしまっているが、確実に急須じゃないか!左右にある穴には、持ち手が付いていたに違いない。きっと縄文人は、今日のようなポカポカした春先に軒先で日向ぼっこをしながら「鉢形土器」でお茶を酌み交わしたのだろう。
「吊手形土器」も侮れない。なんだこれは?
「灯火具」または「香炉具」。紐を通して天井から吊るしたのだろうか。おしゃれなランタンだ。アロマも炊いたりしたのかもしれない。
そして「浅鉢形土器」。「食べ物を盛るために使われた」とあるが、単にそれだけであればフチの波波カットは不要なはずだ。しかも綺麗に五角形になっている。こんな形を作れるのはどんな精神状態だろうか?
「余裕」だと思う。暮らしに余裕がないとこんな優雅な形や道具など作れない。
晴れた日の午後は、縄文人と日向でお茶を酌み交わす心の余裕を持ちたい。
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