種苗法について、賛成したらいいのか反対したらいのかわからない (><)

だから、親友に聞いてみた。

○今回の改正案概要。
(農水省発表からチョイス)

背景:
・国内優良種の海外流出阻止。
・煩雑な品種登録制度の見直しと育成者権活用促進。

※育成者権とは新品種に付与される知的財産権の一種。
作物に対する特許に相当する。

法案概要:

1.海外流出防止などに関わる措置
(1)輸出若しくは海外での栽培に育成者権が及ぶようにする。
勝手に持ち出すと刑事罰&損害賠償対象になる。

(2)自家増殖の見直し。
登録品種の自家増殖を勝手に行ってはならない。

(3)品種登録手続きの見直し。

2.育成者権活用に関する措置。
育成者権侵害の立証に関する項目。

3.その他
指定種苗表示の方法、育成者権を特許法なみに運用する手法など。


○反対派の主な論点:
・自家採種が出来なくなり農家の負担が増える。
・自家採種許諾に関する特例などが弱い。
・農業従事者への周知や聴取が出来ていない。
・バイエル(モンサント)陰謀論 or 間接的に海外のアグロビジネスを保護する。
(遺伝子操作作物の急増もこの項目か?)
・登録品種が急増している。


反対派例:
https://news.yahoo.co.jp/byline/matsudairanaoya/20200504-00176779/
https://news.yahoo.co.jp/byline/matsudairanaoya/20200520-00179347/

○賛成派の主な論点:
・自家採種は一般品種に及ばない。
(賛成派の中には作付けは一般品種がほとんどであるという見解が多い)
・そもそも自家採種自身がそれほど多くない。
・種と株は通常購入している。
(主にF1品種を指すと思われる)
・新品種に特許法と同様に排他的権利が付与されるのは当たり前。
・種苗の海外流出を禁じるのは当たり前である。
・反対派に農業従事者が少ない。

※F1作物は単純なメンデル遺伝(優性の法則)を利用した一代限りの交配作物。
継体出来ないという特性を持つ。
反対派の中には遺伝子組み換え作物と混合するケース有り。

賛成派例:
https://smartagri-jp.com/agriculture/1406


○個人的見解:

農業従事者からのツィートなど自民党票田からの反発が少ないのは、
周知徹底が成されていないからでありこれは大問題。

遺伝子組み換え作物(genetically modified organism、以下GM)は既に食卓に上っている。
モンサントのグリホサート耐性GMは当初農業従事者側からも採用に反発があった。
しかし輸入が始まってみると作付けが簡単であり普及に時間は掛からなかった。
グリホサートはラウンドアップの名前で知られる除草剤でホームセンターにも売っている。
農薬由来の消費量が増えて水道水への混入も増えたことから測定法の開発が進んでいる。
海外アグロビジネスの参入は既に始まっており流通や自給率低下の観点から、
共存するのが妥当だと思う。

現在、賛成派農業従事者の意見は主にF1品種に関わるものと推測される。(トマトなど)
もっと多品種にわたる意見が必要である。

海外流出は別の問題として論じられても問題ないように思う。
単に知的財産の流出・侵害であり種苗とは別問題な気がする。
知的財産が保護されるのは現代社会に於いて当たり前のことである。

登録品種の急増に関しては遺伝子解析など現代的な手法を取り入れることで乱立は防げる。


・・・・

ここまで書いて気付くのは反対派・賛成派両方の言い分に頷けることである。

一番の問題は、海ちゃんの言うように農家の人は何故声を挙げないのか、だろう。
これは前述の通り周知徹底が成されていないからであり、今回はこれが大問題だと思う。
この一点だけを鑑みても継続審査が妥当だと思う。

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