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妹とお金の話をした

僕と妹は5つ離れている。仲は悪くない、と思う。

普段からマメに連絡を取り合う仲ではないものの、イベントがあればモノや言葉を贈りあうような、何かあれば相談をするような関係。

おそらく互いが互いを少し尊敬し、少しバカと思っているような距離かと思う。

ただまあ、自分が大学在学時に家を出ているものだから、彼女が中高生だった頃の印象からなかなか更新がされない。

お金にかなりルーズとか寝起きがすごい悪いといったやれやれな部分や、二人後部座席で翼をください(アレンジver)を歌うみたいな心温まるエピソード等々を厚めのベースに、
どこだかへ留学に行ったとか、ボランティア活動をしているとか、なんかよく表彰されているとか、知らなかったバイタリティおばけの一面が近ごろどかどかと積まれている。

社会人&一人暮らしデビューを果たした昨年からは、貯金と定期預金をしつつ、学生の頃にしていた親への借金もどうこうしているらしい。

どうこうの部分があまり明瞭ではないようだけれども、お金の感覚は身につけつつあるそうだ。


両親を含めた4人で父方の実家へ向かう道中、冬の朝。

運転席の妹と助手席の僕は、ボーナスの話から月々のお金の運用の話になり、iDeCoやらNISAやらってどんなものかしら、やっぱり今のうちから何かしたほうがいいよね、と妹から話が出た。

僕自身、iDeCoは数ヶ月前に始めたばかり、NISAについては雰囲気くらいしか知らないのでざっくりとしたことしか教えられなかったのだが、それはそれとして話の途中から感慨深さを覚えていた。

お金の話、真面目な話、人生に関わるような話をするようになったこと。
いまもまだ「兄」って顔で、教えなきゃ姿勢正さなきゃと話をしちゃうこと。
我々は大人なんだな、と。

そしたら唐突に恥ずかしくなってきて、後ろに座る両親に話を振った。
返事がない。寝てる。

感慨深いに梶を切ってしまっている僕は、やけに静かだと思ったら寝てる〜 とかより前に、もう一つ深く感慨に踏み入ってしまった。

運転席、妹、お金の話。
後部座席、両親、寝てる。
助手席、自分。

たぶんもう、翼をくださいは歌わないんだろうなあって思いました。

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