自分らしい人生を"選択"できる社会を作るには ~#わたしたちの緊急避妊薬 に寄せて~

わたしが法人管理部門のプロボノという形で応援させてもらっている、一般社団法人ソウレッジ(https://note.com/sowledge)で、新しい取り組みを始めます。そのためのクラウドファンディングが、2月1日より始まりました。わたしなりの応援の形として、お金の面から自分らしい人生を応援する専門家(FP)の目線で、このプロジェクトの意義を考えていきます。

プロジェクトの紹介(まずはここから)

まずは、プロジェクトの概要動画をどうぞ

そして、プロジェクトの紹介はこちら

プロジェクトの説明、非常に長いです。そこには、代表鶴田、そしてかかわるすべての人の思いが詰まっています。様々なご意見もあるでしょうが、是非とも最後までお読みください

自分らしい人生をつくるために、"選択"ができる社会に

以上がプロジェクトのご紹介でした。では、ここからは「お金」の面から自分らしい人生を応援する専門家(FP)の目線で、このプロジェクトの意義を考えていきます。

妊娠、出産は人生設計に大きく影響する

妊娠し、出産する。これは人生の大きなイベントの一つです。
親になる、それは少なくとも向こう20年のあなたの人生に、「子育て」という重要な任務がプラスオンされるということ。そして、「自分のため」ではなく、「こどものため」の時間、出費がある、ということ。

2,000万円~3,000万円。これは何にかかる金額でしょうか。
正解は、「子どもが大学を卒業するまでにかかる養育費、教育費の累計」です。子どもがほしい、となったときには、それに伴いかかる費用のことを考えておかなければなりません。このための資金をどう準備するかー。ここで、FPが担う役割は「教育資金」の準備について考えるとなります。しかし、私は、「自分らしいライフプラン」のためには、これだけでは不十分だと思うのです。

ライフプランを考える上で大事な、「選択できる」こと

皆さんは、「SRHR」という言葉をご存じでしょうか。
「セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ」の略称で、日本語に訳
せば、「性と生殖に関する健康と権利」です。
その中に、以下のような考え方があります。

産むか産まないか、いつ・何人子どもを持つかを自分で決める権利。
妊娠、出産、中絶について十分な情報を得られ、「生殖」に関するすべてのことを自分で決められる権利です。

https://www.joicfp.or.jp/jpn/know/advocacy/rh/

日本では、SRHRに関してはまだまだ遅れていて、すべての人にとって「自分で決められる」という状況には遠い現状があります。

子どもを産むか産まないか、いつ・何人生むかは、経済的な面でも重要な要素です。どのようなキャリアを築くか、教育資金をどう貯めるかといった経済面のことも踏まえながら、「自分で」決められる社会であるべきです。しかし今の日本では、「妊娠、出産、中絶」に関する正しい知識が不足しています。

私は、誰もが「ココロも、カラダも、お財布も健やかに過ごせるライフプランを実現できる」社会を目指して日々自分のできることをしています。今回のソウレッジのプロジェクトは、目指す社会に一歩でも近づくためのアクションであると考えています。

単に「緊急避妊薬の無償提供」にとどまらないプロジェクト

今回の #わたしたちの緊急避妊薬 の取り組みの大きな軸は、「緊急避妊薬(アフターピル)の無償提供」です。しかし、このプロジェクトは単に薬代を負担するにとどまりません。(緊急避妊薬については、プロジェクト詳細ページを参照ください。)

今回提供しようとしているスキームでは、メッセージアプリLINEを用いた継続的なつながり構築を行います。このつながりを通じて、継続的に正しい性知識や福祉へのアクセスができる環境を作ります。
これにより、①目の前の「妊娠するかもしれない」という不安を解消するとともに、②正しい知識を届けることにより、妊娠、出産、中絶について十分な情報を得られ、「生殖」に関するすべてのことを自分で決められるための材料を得られるようになるという意義があります。

本来、緊急避妊薬を必要とする前に、妊娠、出産、中絶について十分な情報をもち、「自分で決められる」ようにすることが必要でしょう。そのためには、「性教育のカリキュラム見直し」「中絶への公的な補助」といった政策などがとられるべきです。それは政治や行政の仕事です。とても民間では担いきれません。しかし、何もしなければ現状を変えることはできません。そこで、限られた人数からのスタートではありますが、今回のクラウドファンディングで預かった資金を元に緊急避妊薬の無償提供をするとともに妊娠、出産、中絶に関する正しい情報の提供を進めます。そしてこの実績の蓄積を元に政策提言を行うことを目指します。
この取り組みだけで社会問題がすべて解決するわけではありません。今回のプロジェクトは「一歩め」なのです。

ご協力をお願いいたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
私のつたない文章では、よくわかりにくかったかもしれません。
是非、プロジェクトのページを上から下まで読んでみてください。
そして、共感いただけたら、少額でもご協力いただけましたら幸いです。
そんな余裕がない、というあなたは、プロジェクトのことをシェアしてくださるだけでもうれしいです。

もうちょっと続けます

FP視点で私の思いをまとめるつもりでしたが、各論を合わせて書いた場合、ても長くなり、まとめにくいことがわかりました。そのため今回は総論に終始し、ちょっとふわっとした文章になっています。というわけで、もう少し具体的なテーマに絞って、#わたしたちの緊急避妊薬 プロジェクトの意義を考えてみたいと思います。


【参考文献】
にじいろ[著]高橋幸子[監修]『10代の妊娠 友達もネットも教えてくれない性と妊娠のリアル』2021年、合同出版

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