見出し画像

「 #農業アイドル自殺訴訟 」Hプロジェクト・佐々木貴浩社長独占インタビュー/2019/3/7 収録 前編

始めに


東京都新宿区、四谷で。大本萌景さんがお義父さんの盗撮に悩んでいたという話からインタビューは始まりました。(文中に出てくる「愛の葉Girls」は佐々木社長が育てた愛媛の農業アイドルグループです。佐々木社長は愛媛県松山市の「農業法人Hプロジェクト」の代表取締役でした。)裁判内容については、日刊工業新聞がリーガルファンディングを紹介した記事に出ています。「愛の葉Girls」は事件後、松山市の広告代理店「フィールド愛の和」に引き継がれましたが、惜しまれつつ解散しました。リーガルファンディングとは、裁判費用を募金で集めるシステム。

ここから〜萌景は家に居場所がなかった


佐々木:萌景さんが家に居場所がないというのは有名な話だったんです。

News:お義父さんのことですか。

佐々木:世の中で一番嫌いなのはお義父さんだ、というのは言ってました。

news:お義父さんに写真を撮られたというのは女性セブンでも読みました。
原告の弁護士さんも遺族の方も、否定してはいなかった、それは証拠あるということだったんですか。

佐々木:写真を撮られたという証拠というのは直接ないんですが、証人は何人もいるんですよ、それも結局、萌景から聞いたということでした。
最初は僕らも鵜呑みにせず、相手にしませんでした、それで萌景はメンバーの仲間に相談して「萌景の話はやばいんですよ、聞いてください」ってことになって話を聞きました。ん?これはただ事ではないなとということで聞いてみたんです。それで、そういうことをずっと言ってきたんですね。

 News:写真を撮るっていう事ですね?

佐々木:そうです。風呂を覗かれる。部屋の鍵を壊される。お義父さんが二階に上がって来て階段をミシミシと上がる足音が怖い。(お義父さんが部屋に)入ってこないで、入ってこないでと怖くて。萌景はお父さんが寝てから寝るので、夜中の2時から3時になってから眠る。結構目の下に隈を作ってきて、メンバーに怒られていましたね。

(※鍵を壊されるということについては、萌景さんがクーラーをつけたまま寝ているので、鍵をつけないようにした、ということを、ご遺族は主張しています。両論併記を重視してここに付け加えておきます)

News:犯罪スレスレですね…

中略(さらに萌景さんの家庭環境について、衝撃的なお話も聞きましたが、ご遺族のプライバシーに配慮して、その部分は割愛します)

佐々木:そういう問題児は「愛の葉Girls」にいてはいけないので、やめさせようか、という話も出ていました。本人にも伝えました。萌景は中学校に行ってなかったから。義務教育に行ってない子がグループにいたら信用に関わるということで、絶対に中学に行きなさい、行かないならやめてもらいます。と言っていたんです。もし、行ってなかったら辞めてもらうとお母さんに言っていて、それでやっと中学に行くようになったんです。

佐々木:とにかく家に帰りたくない、(足音が怖いので)夜眠れない、朝起きれない、学校に遅刻する、というので、他のメンバーがみんなで合宿するか、社長の家にもう、居候させてください、みたいな話になってたんです。家に帰りたくないというのはもう…

News:それを、萌景が遅くまで帰ってこない、過重労働、長時間拘束といってくるわけですよね。

萌景さんのために送迎の車を買った

佐々木:そう。心外なんです。お母さんが「すみませんいつも送り迎えしてくださって。本当なら私が送らなきゃいけないのに、車がないもんですから、ご迷惑をおかけします」とお母さん送迎に関して、感謝してくれてたんですよ。実際のイベントの活動時間なんて知れています。愛媛から岡山とかだと往復6時間、移動時間の方が長いんです。自分たちでわざわざ大きな車を買って、萌景さんを送り迎えしていたんです。

News:Hプロは萌景さんに送迎のサービスしてたんですね。

佐々木:急にこうなった時に(提訴されて、Hプロが長時間拘束した事について)お母さん、本音で言ってるのか、それとも弁護士さんに言えと言わされてるのか、後者の方が強いんじゃないかなと思うんです。

News:そうですね、お母さんはどこへ行っても同じ話をするんですね。花を実らせて社長が断ち切ったのです、というような。普通はその時その時でバージョンが変わると思うんですけど。

news:弁護士さんは懲戒ですね。

佐々木:はい、したいです。

愛の葉Girlsを辞めるなら1億円払えは作られた話なのか?

佐々木:訴状を見る限り、訴状を見て、ですよ。証拠資料を見て矛盾点が出てくるんですよ。これなんか…

※争点の一つ、萌景さんが佐々木から愛の葉Girls辞めるなら1億円払えと言われた、と言うことについて資料を見せていただく。萌景さんは彼氏であったM親子の家に泊まり、翌日、車で家まで送ってもらった。その車中、親子は萌景さんから佐々木から「愛の葉Girls辞めるなら1億円払え」と言われたという話を聞く。萌景さんを送り届けた時には、その話は遺族には話さなかった。その後、M親子は城南高校の学校説明会へ行く。それからしばらくして、萌景さんは自宅で自殺した。M息子は陳述書に証言し、M息子は裁判でも証言した。)訴状には「愛の葉Girlsを辞めるなら」と言う主語は記載されていなかった。

News:だって、この話おかしいと思うのは、送ってったご家族がお母さんに「萌景ちゃんこんな事言われたの!」って言うはずなんですよ。親を叩き起こしてでも。その時(遺族は)聞いてないんですね。これが伝聞で伝わってるというのが。

佐々木:「社長から1億円払えと言われたと、それで、なんのお金て聞いたら、ほのかさんは黙って俯いてた、もっと突っ込んで聞いたらよかった」と言うのは、訴状に書いてあるんですね。だから「愛の葉Girls辞めるなら1億円払え」と言うのはいつ作られたのか?

News:第一報を聞いた時は、萌景さんは母子家庭の方で、アイドルでお金を稼いでいて、社長さんが全権を握っていて、色々とストレスが高まっていたのかな、と思ったんですね。アイドルの労働問題かなって。でも、ご実父もいて、親戚の方も周りにたくさんいる。いい環境です。そこをもっと、はっきり世間に周知してくことが大事ですね。だって原告弁護団の方、義父、養父の存在を隠してますよね。訴状に名前が出てるのに。

佐々木:そうですね。茂氏は…

News:5チャンネルに鬼女板というのがあって、調査能力が警察よりすごいというのがあって。事件を調べるために国会図書館まで愛媛新聞を見に行ったという人がいるんですが、そう言う人たちがいくら掘ってもこのお義父さんのことは分からなかった。

萌景は筆算ができなかった

佐々木:そもそも萌景は中学に行ってないので学生の友達が一人もいない、唯一、愛の葉Girlsの方では、メンバーとはじゃれあったり、喧嘩もしたり、笑ったり、泣いたりしてそこに生きがいを見出していた。これはみなさん証言してくれると思うんです。これは、100%そうです。なおかつ高校にも行ってなかった。通信制ですからね。諸先輩から高校だけは行ってた方がいいよと言われた。そうすると、萌景はアイドル続けるのに高校いけばいいんだと。そうじゃなくて、勉学をしなきゃいけないんですよ。

News: …..

佐々木:萌景は筆算はようできない子なんですね

News:ああっ!...そうですか、ああ…(絶句)読み書き計算はできないというのは本当だったんですね。

佐々木:引っ張ってでも、お尻叩いてでも連れていくべきなんです。中学校は。だって、学校でいじめられたといいますけど、ちゃんと、根拠とか実証してなくて、あ、いじめられるなら行かなくていいよとお母さんがそのまま。

News:転校させるなり、私立に入れるなり…

佐々木:そうでないと中学校の基礎的学習教育がなされなかったら、たとえ専業主婦だって困ります。

News:そうですね、専業主婦は一家の社長さんみたいなものですから。
萌景さんはそんなに頭の悪い子じゃなかったと思うんですよ。

佐々木:感性は凄かったです。

佐々木:で、萌景は通信制行って、ワークショップみたいなのばかりで、私が思ってた事と違うんですよ。というんで、じゃあ、全日制だと。大変だよと。お前は中学も行ってないんだから、生半可な感覚と気持ちでは高校なんて絶対行けんよ、と。萌景はいや、行きたいんです。という話をしたんです。これはメンバーもみんな知っています。

佐々木:一ヶ月くらいに萌景から相談があって、高校に行きたいのは山々なんですけど、問題点は二つあります。お父さんが一円も出してくれないと言うてるんです。もう一つ。お金がないんです。この二つ。いや、萌景、一緒のことやでと。

佐々木:君がなんとか本当にこのまま頑張っとるのなら、学費はなんとか出来るはずやけん、高校に行きたいなら会社が立て替えてなんとかするよ。と言いました。萌景は「本当ですか?」とただ、萌景は16歳やから未成年だから親が反対したらできないよ。と言ったんです。次の日、お母さんは賛成してくれましたけど、お父さんにはよう言えませんでした。お母さんだけでも賛成してくれるなら、じゃあ、会社がお金貸すことはうちのTとお母さんがやるから心配しないでええよ、と言うことになったんですね。

佐々木:次は高校選びのストーリーがあって、みんなでワイワイ楽しく八人くらいで萌景を囲んで。

News:みんなで面倒見てたんですね。

佐々木:はい。みんなで萌景の育成を見守っていたんですね。「でも、萌景さん勉強できないですからね」と小学生から言われて、萌景は「うるさい!」と言い返して。みんなで楽しく、何か萌景にあったら、絶対守ってやろうと、そんな空間だったんですね。それで城南高校に決まりました。

佐々木:萌景が「私絶対にここに受かるために勉強します」それで勉強ってどうやってするんですか?と。まず本読めとか、そんなライン残ってますよ。萌景が「城南高校、あと一ヶ月後」「あと10日」とか、それでみんな頑張れとラインで。(励まして)萌景から明日ががいよいよテストです、入試です、心臓が口から出そうです。と言うラインも来ましたよ。皆んなは「頑張れ」それで皆は「イベントは私たちに任しときー応援すよー」とここは結構ポイントです。それで受験終わりました、萌景は「全然できんかった」皆んな「でも大丈夫、一生懸命やったんやから」とか「滑っとった方が萌景さんらしくていいですよ」とかね、そんな感じでアットホームだったんですよ。

萌景が高校合格、みんなの祝福を受けて新しい人生の扉が開いた

佐々木:合格発表の日、合格してましたと。みんなに合格しました合格しましたと、おめでとう!おめでとう!とクラッカーの絵とかラインが飛び交ったわけですよ。人間関係の人たちに福祝されたということが大きかったんです。愛の葉Girlsの活動の中で自分の存在はここにありながら、その人間関係の中で祝福された、と言うことが大事だったんです。後から聞いたら彼氏も同じ高校に受かった。と言うことは新しい兆しが見え始めたと思うんですよ。

 News:人生の新しいステージの扉が開きかけた時だったんですね。新しい光が見えてた訳なんですね…

佐々木:それを反対された訳なんです。2時間後、お母さんが絶対ダメだ!とすごいショックだったと思いますよ。

Nesw:お母さんの動機はなんなんでしょう。高校の反対。お金の迷惑はかけない訳ですよね。いつ辞めるかわからない子にそれでも貸すと言うのは、善意の萌景さん基金ですよね。

佐々木:50〜100万だったら考えますけど、20万くらいだったんで。本人に対して2万円ずつ返してくれたら、今の萌景のレベルならいけるな、と。踏んでたんですね。その中で化粧品代と携帯代なんかも出せると。

News:未成年でそれも出していたんですね。アイドル業で稼いでいたのに、だから萌景さんはお金がなかったんですね。

佐々木:みんなは普通はお父さんお母さんが出すんですよ。

News:出しますよね、お母さんの動機はなんなんですか?お母さんの2時間かけて説得したと。高校に行かせないという。

佐々木:そこは分からないです。

続編に続く


後書き。佐々木貴浩氏のインタビューから見えてくるのは不登校だった萌景さんが「愛の葉Girls」で活動することにより、心が豊かに成長して行った。そしてそれを愛の葉Girlsたちと見守り、時に厳しく、時に優しく励ます社長と萌景さんとの暖かい交流の姿でした。

リーガルファンディングを紹介した日刊工業新聞記事でのご遺族と弁護士の出した争点は

1.違法・不適切な労働環境で労働をさせていたこと
2.被告会社の社員からのパワーハラスメントによって精神的に追い詰めていたこと
3.学校と芸能活動の両立を阻害したこと
4.高校進学費用を貸し付けると言いながら直前で撤回して期待と信頼を裏切ったこと
5.そして被告会社のS社長による「愛の葉を続けないのであれば違約金1億円支払え」と発言したこと

です。これらは全て第一訴訟(ご遺族が原告)で棄却されました。約一億円で訴えられたHプロジェクトには莫大な訴訟費用がかかりました。
そして第四訴訟でHプロジェクトは名誉毀損が認められ、勝訴しました。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?