![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/8832676/rectangle_large_type_2_ea27c548cadef256cab1f38bf032ba93.jpg?width=800)
楽しくて少し刺激的だったウルムチ(2)
[2]警察突入
その日は、結局街中をぶらぶらと20キロほど歩いていた。8時過ぎにホテルに戻り、近所の便利店で買った500ccの黒ビールを飲みながら、VODでアメリカの映画を見ていた。
と、突然に部屋のドアを叩く音。ノックされる心当たりは全くない。
不審に思いながらドアを開けると、若者二人と中年の、3 人の警察官がドヤドヤっと入って来た。1人はテレビでたまに見る、機動隊の盾みたいなのを持ち、他の1人は1m余りの警棒を持っていた。最後の1人は45くらいのリーダーの感じ。映画でよく見る悪役そのもので、迫力ある風貌をしている。
後ろにピンクのセーターの女性が隠れるようにいた。彼女は部屋には入らずドアの外。
リーダーがなにかをしゃべる。もちろんまったくわからない。分からないと日本語で言っても、もちろん警官の話は止まらない。
とりあえずこういう時はまず身分証明書を見せないと、と思ってパスポートを見せる。
でも効果なし。さらに警官はしゃべり続ける。と、警棒の若い方が、部屋の片隅に転がっている僕の靴を指差し、そのまま外の方向へ指を向ける。どうやら外にいく(連行する)ということらしい。
えっ、警察に行くの? 頭の中で日本で新聞に載るかなぁ?なんてどうでもいいことが頭に浮かぶ。
仕方なく外出できるように着替えるしかない。部屋は暖かく着ていたのはTシャツと短パン。だが、ここでしっかり仕度しないと、外はマイナス16度。万一警察の前で放り出されたら、そのまま死ぬかもしれない。ステテコとヒートテック、靴下を二重にはいて、しっかりと身支度する。
続く
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?