うそつきの「乳歯」

常識だが、人間の歯は1回生え変わる。
これは哺乳類の特徴であり、特に脊椎動物が生え変わりを経験する。そもそも歯は、獲物を捕食したり、草をすり潰したり、または声を発するために存在しており、歯は食生活の進化を垣間見ることが出来るのだ。
ではなぜ、1度生え変わるのか?
これは成長することで小さかった歯を大きい歯に交換するためである。という事は、歯の総数は変わらずサイズだけ変わるのかと言うと、そうでも無い。人間の乳歯は20本に対して、永久歯は親知らずを含めると32本にもなる。だが実は、前歯にある中切歯、側切歯の大きさは乳歯のサイズのまま変わらないのだ。つまり、前歯の8本は生え変わる必要が無い。
またサメやワニは何回も生え変わる事で有名だが、実は彼らの歯の大きさは1度しか変わらない。小さい個体から大きく成長するタイミング、つまり私達と同じようなタイミングで1度大きな歯に生え変わる。しかし、それ以降、生え変わる歯のサイズは変わらない。
つまり私達の様に、サイズも変わりもしないのに歯が生え変わるという生物は存在しない。

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