知っているようで知らない友達

 夢を見た。現れたその人は私の友人の名を名乗った。でもどこか違った。その友人と似ている雰囲気を持ち、その名を語るけど、全く知らない人に見えた。その人と緑の公園を歩き、キャラメル色の喫茶店で話した夢。

 その友達は私の友人たちの素敵な要素をまとめたような人だった。ショートボブに丸い眼鏡をかけ、スッと立ち、なごやかに細めた目にいつも光が入っていた。色で言うなら青。私がかっこいいと思っている大学に通っていて、クールな学問を専攻していると言った。でもその話し方も鼻にかけている感じではなく、極めてフラットに、落ち着いた話し方で、可愛らしさとかっこよさを兼ね備えていた。よく微笑んだ。その知的さと、簡易な言葉で難しい観念を教えてくれるさまにただぽけーと話を聞いて感動していた。なんて素晴らしいんだ!

 具体的な話の内容は全く覚えていないのだが、彼女越しに見た公園の緑や、茶色のボックス席で向かい合った彼女の雰囲気が印象に残った。

 起きてから友達が全く知らない人であることに気づいた。節々に既視感があり、心安らぐ人だと思ったのに、よく考えると全然知らない人。やや不気味だけどまた会いたいと思った。その不思議ささえ魅力に思う。また会いたいぜー

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