卯月コウの3D配信は期待していない

 私は卯月コウの3D配信に対して、特に何も期待していない。

 彼がキレのいいダンスを披露するとは思えない。
 彼が面白いポーズでファンサービスすると思っていない。
 スタンプにどうぞとBBを出されても別にという感じだ。
 ゲストを呼んでジェスチャーで何か伝えるのは多少面白いかも知れない。
 歌はあるだろうが、派手で煌びやかなものが見たいと思わない。
 ましてや忙しい身の人たちを集めてEGNがまた見れるとは夢でしかない。

 だが卯月コウが3Dになることはとても嬉しい。恐ろしいが、それ以上に嬉しい。

 何が恐ろしいのか。それは実在性が増すということだ。
 幻想の存在で、学校の教室に佇む彼を、より想像できてしまう。
 彼の背中を、彼の横顔を、イメージではなく3Dで目の当たりにしてしまうのだ。

 隣の席で勉強をしている姿を、前の席に座って頬杖を突く彼の姿を、卯月コウ彼自身が見せてくるのだ。
 そんな恐ろしいことが起こるのだ。
 

 今まで正面から語り掛け、画面越しに私たち視聴者に語り掛けていたものが、私たち視聴者以外を向いて喋ってるところが見れるのだ。
 2Dのバージョンアップがなされた時の誰かに語り掛けてるような角度どころではない。明確に別の人を向いて、話、それを盗み聞きできる。つまりはモブとして私たちが存在できてしまう。それは期待するしないでなく、当たり前のようになれてしまうのだ。

 増してや今のにじさんじの3D技術力は凄まじい。1,2年で大きく成長し、高いクオリティのものがいくつも生み出されてきた。
 初めはクオリティに驚きもしたが、今は正直もうその高いクオリティが「当たり前」と感じてしまう。
 何の不安も心配もなく、いちからならばそこに立つ卯月コウのありのままを過不足なく表現してくれるという信頼がある。だから特にこういう3Dを期待するということもない。そんなものはなくとも素晴らしいものを見せてくれるだろう。

 私は卯月コウの3D配信に期待していない。

 煌びやかなものは要らない。派手なものも要らない。
 スポットライトも演出も要らない。

 卯月コウが3Dで配信をしてくれる。雑談をしてくれる。
 雑談の姿が3Dになっている。それ以上は何も期待しない。
 それだけ最大で最高で最上級の卯月コウの配信になるという信頼があるから、私は何も期待せずただいつもの配信を待つように3Dも待っている。

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