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君とならどんな夕暮れも怖くない後書き

「君とならどんな夕暮れも怖くない」公演が無事に終わりました。こういう時期に公演を行えたこと本当に幸運だったと思います。とても感謝しております。

この記事は公式の後書きみたいなものだと思って楽しんでいただけたらと思います。

今回の脚本は、6月に書いたもので、コロナとアメリカでの黒人差別の問題が大きく影響してきました。  

差別というものは、とても難しいものでおいそれとなくなるモノではないと思います。差別とは、人間がより良い人間でいたいとか、成長したいとか、もっと単純に生き抜くパワーとか、そういう人間の根源的な要素の影の部分だと思います。

つまり差別をなくすようなルールは作れても、人間が今のまま人間らしくいる限り潜在的な差別はなくならないのではないのか?そんな所から着想し、ヒューマノイドと人間のドラマを書いたのが今作でした。

差別が完全になくなった世界では、きっと僕が好きなタイプのコメディはなくなっていたり、カッコいいと思うデザインがなくなっていたり、エロいと思うものがなくなっていたり、きっと僕にとっては面白くない世界だと思うんです。(僕は誰のことも差別しないように気をつけていますが。差別というのはそれぐらい生活の至る所に、それとはわからない形で存在しているから)

もちろん、差別のない世界には僕には想像できないような、新たな幸せがあったり、新たな人との交流の形があったりすると思うのですが、僕にそれを受容でき、素晴らしいと感じられる「能力」があるかは甚だ疑問です。

500年後の世界から見たら、我々はとんでもなく野蛮な世界に住んでいると思います。今から500年前の世界がそうだったように、振り返れば野蛮なはずです。

でも、今この世界にも沢山美しいものはあるし、生きる喜びはあるし、僕たちが大切にしているものは沢山あります。

新しい価値観がどんなに素晴らしくても、それを振りかざすそこにもやはり差別があるんです。

考えてると、頭がごちゃごちゃになりますよね。

僕は。真面目な話がしたいわけではなく、面白いものが作りたいだけの人間です。

頭がごちゃごちゃになる、そこには一杯面白いドラマが詰まってると思ったんです。そこに放り込まれた人間は、自分たちの正義・権利を主張するそのぶつかり合いはきっと面白いものになるだろうと思いました。

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